サイバナ

これからサイクルロードレースの話をしよう。略して『サイバナ』。サイクルロードレースのレース結果やコラムなど、お届けします。

コラム ドバイツアー2017

トップスプリンターの競演。ドバイツアーはこの選手に注目!

オセアニア・オーストラリアで行われたツアー・ダウンアンダーでは、カレブ・ユアンが最も強いスプリンターだった。続く、カデル・エヴァンス・グレートオーシャンロードレースではニキアス・アルントが勝利を収めた。

南米・アルゼンチンで行われているブエルタ・サンフアンでは、ステージ2勝のフェルナンド・ガヴィリアの存在感が際立っている。

ヨーロッパでは、スペインで行われたチャレンジ・マジョルカでアンドレ・グライペルが勝利した一方で、伏兵ダニエル・マクレーも番狂わせの優勝を遂げた。

世界中でサイクルロードレースのシーズンが到来し、スプリンターたちが己の力を誇示せんと、激しく火花を散らす戦いを見せている。

そして、中東・アラブ首長国連邦で、また新たなスプリンターバトルが勃発しようとしている。

今年で4回目の開催となるドバイツアーは、スプリンターのスプリンターによるスプリンターのためのステージレースである。

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ドバイツアーはほとんどフラットな全5ステージのレース

国土の大半が平坦な砂漠地帯であるため、そのステージのほとんどがスプリンター向けの平坦ステージとなっている。南部の方には、丘陵地帯も存在するので、2月後半に行われるアブダビツアーでは中東らしからぬヒルクライムステージが登場するのだ。

ドバイツアーでは第4ステージのみ、多少のアップダウンを含むレイアウトとなっているが、ピュアスプリンターにとって全く問題のないレベルの登りである。

むしろ、問題となるのは砂漠地帯ゆえ、一面遮るものが全くない中で吹き荒れる突風と砂嵐だ。昨年のロード世界選手権は、似たような地形のカタールで行われたが、吹き荒れる横風を利用して、集団分断が起きたことは記憶に新しい。

それゆえ、ドバイツアーでも横風区間での集団分断の動きに対応するアシスト選手たちの働きが重要となってくる。

灼熱の下、横風を凌ぎ、フィニッシュ地点にたどり着いた屈強なスプリンター同士による集団スプリントバトルが5ステージに渡って繰り広げられることが予想される。

ドバイツアーのスタートリストに名を連ねる、有力なスプリンターたちを紹介しようと思う。

ドバイツアーの有力スプリンターたち

まずは、クイックステップ・フロアーズのマルセル・キッテルだ。昨年はステージ2勝をあげ、総合優勝に輝いている。2014年大会では、4ステージ中3勝をあげており、ドバイツアー通算5勝と相性は抜群だ。今年も優勝の最有力候補と言えるだろう。平坦職人のジュリアン・ヴェルモトと、抜群のリードアウトを見せるファビオ・サバティーニが帯同していることも心強い。

キッテルに匹敵する、あるいはそれ以上の実力と実績を持ったディメンションデータのマーク・カヴェンディッシュも参戦する。昨年は第1ステージ2位、第4ステージ3位と、共にキッテルの後塵を拝したが、2015年大会ではステージ2勝をあげ総合優勝を果たしている。自身のインスタグラムには、度々中東での写真をアップしており、お気に入りの国になっているように思われる。カヴ・ファミリーのベルンハルト・アイゼルとマーク・レンショーも参戦して、盤石の布陣で臨む。

実績面では、この二人が圧倒的であるが、トレック・セガフレードのジョン・デゲンコルブも決して負けてはいない。昨年は春先のトレーニング中の大事故の影響でドバイツアーに参戦することが出来なかったが、2015年大会はステージ1勝をあげ総合2位だった。ミラノ〜サンレモ、ツール・デ・フランドル、パリ〜ルーベなどモニュメントでの優勝が目標であるため、シーズンインからトップギアで走ってくることだろう。我らが別府史之のアシストにも注目だ。リードアウトはクーン・デコルトが務めるだろう。

現オランダチャンピオンロット、NL・ユンボのディラン・フルーネヴェーヘンも侮れない存在だ。ドバイツアーは初参戦で、中東でのレース経験は昨年の世界選のみだ。なお世界選は37位で完走している。ヨーロッパとは全く異なる気温・湿度・風と言った気候条件に適応できるかがポイントとなってくるだろう。昨年ステージ1勝・総合3位のファンホセ・ロバトと、世界選で最終盤、集団から飛び出しを決めたトム・リーザーの2人のリードアウトは非常に強力だ。

登録国的にはホームとなるUAEアブダビのサッシャ・モードロにも注目だ。昨年は第2ステージで惜しくも2位だった。首長国は違うと言えども地元の期待を背負って走ることになる。同僚のルイ・コスタに続き、チームへ勝利をもたらすことが出来るだろうか。

同じく中東のチームを代表して、バーレーン・メリダのソニー・コルブレッリも期待がかかる。どちらかと言うとシーズン序盤はスロースターターで秋のイタリアのクラシックシーズンで猛烈に勝ちまくる印象があるため、シーズン開幕戦でどこまでやれるのか未知数である。

ここまでの選手たちはドバイツアーがシーズン開幕戦となるが、チームスカイのエリア・ヴィヴィアーニは既にブエルタ・サンフアンを戦っての連戦である。サンフアンではクイックステップ・フロアーズ勢に阻まれ、3度のステージ2位に甘んじた。ドバイツアーでは2015・2016年にそれぞれステージ1勝をあげているので、相性が良いレースと言えよう。

アクア・ブルースポーツのアダム・ブライスは、昨年の世界選でカヴェンディッシュをアシストしながら12位で完走した中東向きのスプリンターだ。

他にはBMCレーシングのシルヴァン・ディリエルとジャン=ピエール・ドラッカー、モビスターのホセホアキン・ロハスとカルロス・バルベロのコンビネーションにも注目したい。

これだけのスプリンターたちの競演が見られる、今シーズン最初のチャンスである。

総合優勝の最有力候補はキッテルとカヴェンディッシュで、対抗がデゲンコルブとフルーネヴェーヘン、大穴はヴィヴィアーニとなるだろうか。

カヴェンディッシュは昨年の世界選で2位に入った。対してキッテルとデゲンコルブは完走さえできなかった。その原因は、横風区間で攻撃を仕掛けたベルギーとイギリスが、ドイツを後方集団に置き去りにしたためだ。デゲンコルブに至っては、怒り心頭に発してベルギーのイェンス・デブシェールに水をぶっかけたあげく、自身は熱中症にかかってリタイアという有様だった。キッテルも追走に脚を使わされて全くタイムを縮められないままにリタイアした。

という、イギリスのカヴェンディッシュ対ドイツのキッテル・デゲンコルブ連合の遺恨試合として、個人的には密かに注目している。

ディメンションデータ、クイックステップ、トレックがお互いにやり合うなかで、強力リードアウト陣を擁するロットNL・ユンボのディラン・フルーネヴェーヘンが美味しいところをかっさらっても面白い。

したがって、わたしの総合成績予想は、以下のとおりだ。

1位、ディラン・フルーネヴェーヘン
2位、マルセル・キッテル
3位、マーク・カヴェンディッシュ

キッテルは一応、カヴにリベンジ成功と相まって、フルーネヴェーヘンが二大巨塔を打ち倒す展開に期待したい。

Rendez-Vous sur le vélo…

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