ヨーロッパ最大の活火山・エトナの地で、ハビエル・モレーノが大噴火。

エトナ火山。
標高3,329mとされているが、活発な火山活動は今もなお継続中のため、その数値は度々変動するそうだ。

最も最近に噴火したのは、つい2ヶ月前の2017年3月16日のこと。
2月にもマグマを吹き上げる大きな噴火をしており、その様子を撮影していたテレビクルー10名が怪我したそうだ。

※参考:イタリア・エトナ山が噴火 世界中のウェブカメラで、動画を公開

そんな状態のエトナ山でレースは行われた。
1級山岳エトナ山の頂上へフィニッシュするステージでは、エトナ火山にふさわしい激しい山岳バトルが繰り広げられるかと期待していたが、メイン集団は比較的平穏に走り抜き、ヤン・ポランクの劇的な逃げ切り勝利が決まった。

一方で別の火山が噴火していた。

バーレーン・メリダのハビエル・モレーノが、チームスカイのディエゴ・ローザと揉めているシーンが全世界に放送されてしまった。
何かに怒っているモレーノが、ローザを道路の外に押し出していたのだ。

この影響でローザはバイク交換を余儀なくされた。
そのため、この後のエトナ山の登りでは、エースのゲラント・トーマスをアシストすることは出来なかった。

ここに至るまでの間に、チームスカイとバーレーン・メリダの間でポジション取りのイザコザがあった可能性も否定できないが、
映像を見る限りでは、モレーノが突然ブチ切れて、ローザを故意に押し出したようにしか見えない。

2月のドバイツアーでアスタナのアンドレイ・グリブコが、クイックステップ・フロアーズのマルセル・キッテルを殴って失格になった時のように、先に手を出した方が明確に処分されることは明らかだった。
グリブコは『先にキッテルが身体を使って押してきた』と主張しているが、明確な証拠は残っていない。
対して、グリブコはキッテルに思いっ切り手をあげてしまったので、コミッセールとしては見逃すわけにはいかなかった。

モレーノの行為も同じだろう。
エトナ山の登りに備えて、前を走っていたエースのヴィンチェンツォ・ニーバリと共に、集団前方に移動していた。

チームスカイのアシスト陣も同じように、集団前方に移動するために道路の左側を通っていた。
道路の左端にローザ、その一列内側にモレーノが並んだ際に、わずかに道幅が減少する区間に差し掛かった。

その瞬間、モレーノはローザが幅寄せしてきて、ライン取りを妨害してきたように感じたとのことだ。
そして、モレーノ火山が大噴火してしまったわけだ。

映像を見る限りでは、モレーノに非があることは明白で、失格処分は妥当だと言えよう。
なお、モレーノはチームスカイとディエゴ・ローザに謝罪しており、バーレーン・メリダ代表のブレント・コープランドも『レースが緊迫した瞬間に起きた不幸な状況だったが、ハビエル(・モレーノ)の行為は受け入れられない。チームを代表して関係者に謝罪する』とコメントしている。

各チームのアシストのパワーバランスが見えたエトナ山

バーレーン・メリダにとっては、モレーノを失ったことは非常に痛い。

この日のメイン集団では、エトナ火山のように活発な総合争いは見られなかったが、バーレーン・メリダの山岳アシスト陣の仕事ぶりがよく目立っていた。
モレーノももちろんその一員として良い走りを見せていた。

モレーノを失うことは、バーレーン・メリダの山岳における支配力の低下を意味し、もちろんニーバリにとって好ましいことではない。

エトナ山では、エース同士の山岳バトルは見られなかったが、各チームの山岳アシストの総合力が見える展開となった。

チームスカイは、ローザがバイク交換の影響で遅れて、ミケル・ランダもメカトラで遅れ(後にメイン集団には復帰できた)、そのランダをサポートしたセバスチャン・エナオも遅れてしまい、この日のエトナではアシストらしい仕事が見られなかった。

モビスターは、平坦アシスト中心の布陣で来たが、ヴィネル・アナコナが非常に良い走りをしていた。
アンドレイ・アマドールもメイン集団でフィニッシュしており、二人は勝負どころの山岳でもナイロ・キンタナをサポート出来そうだ。

最も多くの人数を残していたのはキャノンデール・ドラパックだ。
ピエール・ロランのアタックは実らなかったものの、ロランを含めマイケル・ウッズ、ダヴィデ・フォルモロ、ヒュー・カーシーがメイン集団でフィニッシュしていた。

ロットNL・ユンボのステフェン・クライスヴァイクは相変わらず、周囲に誰もチームメイトがいない状況でフィニッシュしている。
クライスヴァイクの次に上位でゴールしたのは、5分49秒遅れのステフ・クレメントだ。
今年も山岳でのサポートは期待できそうにない。

ボブ・ユンヘルスがマリア・ローザを獲得したクイックステップ・フロアーズも、ユンヘルス以外の選手は山を全く登れていなかった。
マリア・ローザとマリア・ビアンカの維持はユンヘルス自身の力に全てがかかっていそうだ。

この日、序盤からずっと逃げていたUAE・チームエミレーツのヤン・ポランクが、逃げ切りステージ優勝を決めた。

追走していたメイン集団も、ポランクを最後まで逃がす予定ではなかっただろう。
それだけ、ポランクの走りがスペシャルだった。

エース同士の山岳バトルには至らなかったものの、メイン集団も相当数を減らしてフィニッシュしている。
決して緩やかにポランクを追いかけていたわけではない。

翌ステージからはしばらく平坦基調のステージが続く。
次に本格的な山岳コースが登場するのは、第9ステージだ。

だが、第5ステージは平坦ステージではあるが、海岸線沿いを長距離走る。
第3ステージのような横風分断作戦が再び実行されるかもしれない。

総合勢にとっては、平坦と言えども油断できない展開が続くことだろう。

Rendez-Vous sur le vélo…

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