サイバナ

これからサイクルロードレースの話をしよう。略して『サイバナ』。サイクルロードレースのレース結果やコラムなど、お届けします。

コラム

トラック、シクロクロス、MTB出身のプロサイクルロードレース選手を調べてみた

千葉県に250mの国際規格のヴェロドロームが誕生する。

現在、プロサイクルロードレース界で活躍する選手の多くは、トラック競技出身が多い。
ところが、日本国内ではいわゆる「競輪」の競技場の規格は1周400mだったり、333mや500mなど、国際基準の250mではない。
唯一、伊豆サイクルスポーツセンターにあるヴェロドロームが、国内唯一の国際規格となっている。

そのため、トラック競技からロードレースに転向するような日本人選手はほとんどいない。
(競輪の方が稼ぎが良いという理由もありそうだが…。)

千葉に新しいヴェロドロームができることで、これまでの伊豆に比べて格段にアクセスが良くなる。
また、成田空港のすぐ近くということもあり、国際大会の招致もしやすくなるだろう。
したがって、国内のトラック競技が盛んになる期待がもてる。
ということはつまり、トラック出身の日本人プロロードレーサーが多く誕生するようになるかもしれない。

そこで、今回は実際にトラックからロードレースに転向した選手を調べてみた。
ついでに、シクロクロス、MTBやその他の競技から転向した選手も調べた。

スポンサーリンク

調査方法

どの世代であっても、表彰台を獲得したり、各国代表としてオリンピック出場するほどであれば、その競技にかなり打ち込んでいたと言えよう。
そこで、以下のように選手をピックアップしてみた。

トラック競技に関しては、
・オリンピック(※出場経験がある選手すべて)
・世界選手権(エリート、ジュニア)
・欧州トラック選手権(U-23、ジュニア)
で表彰台を獲得した経験がある選手をピックアップした。

シクロクロスに関しては、
・世界選手権(エリート、U-23、ジュニア)
で表彰台を獲得した経験がある選手をピックアップした

MTBに関しては、
・オリンピック
・世界選手権(エリート、U-23、ジュニア)
で表彰台を獲得した経験がある選手をピックアップした。

想像以上に多くの選手がいたため、抜け漏れなどあったり、すでに引退している選手も含まれているが、その点はご了承願いたい。

トラック競技でも結果を出している選手

ブラッドリー・ウィギンス(イギリス)
ゲラント・トーマス(イギリス)
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
オウェイン・ドゥール(イギリス)
ジョナサン・ディベン(イギリス)
エド・クランシー(イギリス)
ピーター・ケノー(イギリス)
ルーク・ロウ(イギリス)
マーク・マクナリー(イギリス)
ベン・スウィフト(イギリス)
イアン・スタナード(イギリス)
アレックス・ダウセット(イギリス)
アダム・ブライス(イギリス)
アンドリュー・フェン(イギリス)

アンドレア・グアルディーニ(イタリア)
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)
シモーネ・コンソンニ(イタリア)
フィリッポ・ガンナ(イタリア)
ダヴィデ・チモライ(イタリア)
マルコ・コールダン(イタリア)
リカルド・ミナーリ(イタリア)

アレクサンダー・エドモンドソン(オーストラリア)
ジャック・ボブリッジ(オーストラリア)
マイケル・ヘップバーン(オーストラリア)
ローハン・デニス(オーストラリア)
キャメロン・マイヤー(オーストラリア)
マイルズ・スコットソン(オーストラリア)

トーマス・ブダ(フランス)
ブライアン・コカール(フランス)
クリストフ・リブロン(フランス)
マチュー・ラダニュー(フランス)

ニキ・テルプストラ(オランダ)
テオ・ボス(オランダ)
ピム・リヒハルト(オランダ)
トム・ボーリ(スイス)
シルヴァン・ディリエ(スイス)
ステファン・キュング(スイス)
ミカエル・モロコフ(デンマーク)
アレックス・ラスムッセン(デンマーク)
ラッセノルマン・ハンセン(デンマーク)
ロジャー・クルーゲ(ドイツ)
ニキアス・アルント(ドイツ)
パスカル・アッカーマン(ドイツ)
シェーン・アークボルト(ニュージーランド)
グレッグ・ヘンダーソン(ニュージーランド)
サム・ビューリー(ニュージーランド)

ガイス・ヴァンホッケ(ベルギー)
ジャスパー・デブイスト(ベルギー)
イーリョ・ケイセ(ベルギー)
ライアン・マレン(アイルランド)
サム・ベネット(アイルランド)
コンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ)
ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ)

テイラー・フィニー(アメリカ)
フェルナンド・ガビリア(コロンビア)
窪木一茂(日本)
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)
ジェミニナス・バグドナス(リトアニア)
イヴァン・ロヴニー(ロシア)

イギリス人選手が圧倒的に多い。

何と言ってもウィギンスがツール・ド・フランス総合優勝を果たしており、オリンピックでのメダル獲得数も歴代最多と突出した成績を収めている。

ガビリアを含め、カヴェンディッシュ、ヴィヴィアーニ、コカール、ベン・スウィフト、グアルディーニ、チモライ、サム・ベネットなどスプリンタータイプの選手と、

ウィギンスを筆頭に、トーマス、ローハン・デニス、キリエンカ、ダウセット、ライアン・マレンなどのTTスペシャリストや、

ルーク・ロウ、スタナード、テルプストラ、ロヴニー、ケイセ、ヘップバーンなどルーラータイプの選手が多く見受けられる。

クライマーは皆無であり、ウィギンスやトーマスなどは年数をかけて山を登れる脚を鍛えたものだろう。

そして、ウィギンスやトーマスの活躍を受け、トラックからロードを目指す選手が増えたのだろうか、25歳以下の若い選手も多く見受けられる。
ここから未来のグランツールウィナーが誕生する可能性も十分あり得るだろう。

シクロクロスでも結果を出している選手

ゼネク・スティバル(チェコ)
ラース・ボーム(オランダ)
ワウト・ヴァンアールト(ベルギー)
ロマン・クロイツィゲル(チェコ)
ダヴィデ・マラカルネ(イタリア)
ボーイ・ファンポッペル(オランダ)
クリストフ・プフィングステン(ドイツ)
ジュリアン・アラフィリップ(フランス)
マイク・テューニッセン(オランダ)
クエンティン・ハウレギ(フランス)
ペーター・サガン(スロバキア)
マチュー・ファンデルプール(オランダ)

スティバル、ボーム、ヴァンアールトは、世界選手権エリートで優勝経験があるトップシクロクロスライダーだ。
特にヴァンアールトは、2連覇中でありロードでも通算5勝をあげている22歳の天才ライダーだ。

クロイツィゲルは、2004年にシクロクロスジュニア世界選手権2位となり、ロードジュニア世界選手権では優勝しており、その世代で際立ったトップ選手だった。

アラフィリップも、ジュニア時代に世界選手権で2位に入った経験を持つ。

全体的にクラシックレースに強いパンチャーが多い印象を受ける。
時には、自転車をかついで走ったりする必要があるシクロクロスでは、ある程度パワーが要求され、がっしりとした体型の選手に向いているからなのかもしれない。

シクロクロス専業でも、十分に給料を貰えるためなのか、ロードに転向する選手は少ない印象を受けた。
スティバルとボーム以外の選手はみな、U23もしくはジュニア時代に実績をあげている選手となっている。
ただし、ヴァンアールトは、23歳以下だがエリートで実績を出している。

MTBで結果を出している選手

オンドレイ・ツィンク(チェコ)
イーガン・ベルナール(コロンビア)
ペーター・サガン(スロバキア)
アレクシー・ヴィエルモーズ(フランス)
ヤコブ・フグルサング(デンマーク)
ユーリ・トロフィモフ(ロシア)

引退しているが、

ジャンクリストフ・ペロー(フランス)
カデル・エヴァンス(オーストラリア)
ライダー・ヘシェダル(カナダ)
フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン)

も世界選手権での表彰台経験がある。

マウンテンバイクの名の通り、山に強いクライマー寄りの選手が多い。
特にエヴァンスとヘシェダルは、それぞれグランツール総合優勝経験がある。

サガンはスプリンターではあるが、シクロクロスでも結果を出しており、トレンドを無視した異質な存在と見て良いだろう。

しかし、シクロクロス以上にロード転向選手は少ないように思われる。
ハンドルの形状からして、全く違う自転車競技に転向しようと思う人自体が少ないのではないだろうか。

ちなみにチームスカイへの移籍が噂されているベルナールはツアー・オブ・ジ・アルプスで新人賞を獲得しており、キンタナ2世とも謳われている。
エヴァンスやヘシェダルに続く、グランツールチャンピオンへの道を歩むことが出来るだろうか。
注目していきたい。

番外編:自転車以外の競技・分野からの転向

プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)←スキージャンプ
サンダー・アルメ(ベルギー)←ローラースケート
アントワン・トルホーク(オランダ)←ローラースケート
アダム・ハンセン(オーストラリア)←システムエンジニア

ログリッチは、スキージャンプでジュニアの世界チャンピオンになった経歴をもっている。

アルメは、ローラースケートの元・欧州チャンピオンだ。

ハンセンは、元・システムエンジニアだったためか、ロードバイクのフィッティングに独自の理論を採用しており、極端に狭いハンドルや土踏まず付近にクリートをセットしている。

まとめ

チームスカイのディレクターであるデイブ・ブレイルスフォードがイギリス自転車界に起こした革命はトラック競技から始まっている。

その余波は、徐々にサイクルロードレース界全体に広がってきているのは間違いない。

19歳以下のジュニア時代に、なかなか本格的なロードレースを経験することが難しいのかもしれない。
対して、ベロドローム内で完結するトラック競技なら、ジュニア世代の競技環境も充実している。

そのため、キャリア初期はトラック競技で経験を積み、脚を鍛えてから、より世間の脚光を浴びやすく、賞金や給料も得られやすいロードへ転向する選手が多いのではないかと推測している。

シクロクロス、MTBから転向する選手は、チャレンジ精神に溢れている選手が多そうだ。
そのため、高いモチベーションを持ってロード競技に打ち込んでくれることだろう。

新しい若手選手が台頭した際には、その選手のバックボーンも調べてみると面白いかもしれない。

本記事は、適宜修正していこうと思う。
また、ここに記載した選手以外でも、トラック・シクロクロス・MTB出身の選手(出来れば現役選手)がいたら、教えていただけると幸いである。

スポンサーリンク

-コラム