サイバナ

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コラム 移籍情報2017-2018

ワレン・バルギルを獲得したフォルトゥネオ・オスカロは、ワールドチーム昇格を狙うのか?

2017/08/27

サイクルロードレース界は、8月1日から移籍市場がオープンする。
シーズンの真っ只中でも、来シーズンの契約を正式に締結し、発表することができるのだ。

今年も早速、有力選手の移籍が次々に発表されている。
中でも、ビッグニュースだったのはツール・ド・フランスでステージ2勝&山岳賞を獲得したワレン・バルギルの移籍だろう。

かねがね噂されていたとは、良好な関係を築いていたように見えたワールドチームのチーム・サンウェブを離れ、プロコンチネンタルチームのフォルトゥネオ・オスカロへの移籍を発表したのだ。
バルギルにとって、フォルトゥネオの本拠地であるブルターニュ地方は地元であり、プロデビューを飾ったチームでもある。
しかし、それだけの理由でわざわざプロコンチームに移籍するとは思えない。
 
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なぜ、バルギルはフォルトゥネオへの移籍を決めたのだろうか。

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トム・デュムランの存在

真っ先に思い浮かぶことは、ジロ・デ・イタリア総合優勝を果たしたトム・デュムランの存在だ。
 
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圧倒的なTT力を持ち、ナイロ・キンタナを打ち負かせる登坂力を持ったデュムランは、打倒クリス・フルームの最有力候補だといえよう。
来シーズン、フルームの4連覇を阻むべく、デュムランはツールに出場することが予想される。

もう一人のチームの顔であるマイケル・マシューズもツールへの出場が濃厚だ。
マイヨヴェール2連覇を狙って、ペーター・サガンと真っ向勝負を挑むことだろう。

2人のエースがいる上に、3人目のエースとしてバルギルが出場する枠は取りづらい。
なぜなら、来シーズンからグランツールは1チーム8人体制となるからだ。
デュムラン、マシューズ、バルギルが出場するとなると、アシストは5人となってしまう。

もし仮に、マシューズを外してバルギルがメンバーに入ったとしても、自由に動けるわけではない。
少なくとも総合はデュムランが最優先され、バルギルが逃げに乗っても前待ち作戦や集団の足止めを命じられる機会も増えそうだ。

だが、フォルトゥネオならば、地元のスター選手としてバルギルが絶対的エースとして君臨することが可能だ。
逃げに乗ろうが、ステージ優勝を狙おうが、総合上位を狙おうが、バルギルの意思が最優先させるに違いない。

サンウェブは良いチームだったが、デュムランがいる以上は、バルギルの天下になることはないだろう。
自分にとってベストな走りができるチームとして、フォルトゥネオを選んだことは筋が通っている。

フォルトゥネオがツールに出場できる保証はない

フォルトゥネオは、ブルターニュ・セシュ時代の2014年から4年連続してツールに出場している。
地元フランスのチームで、かつ前回大会の山岳王でもあるフランス人選手がエースならば、再びワイルドカードで出場する可能性は高いだろう。

とはいえ、同じフランスのプロコンチームであれば、デルコ・マルセイユ・プロヴァンス・KTMもいる。
今年のワンティ・グループゴベールや、昨年のボーラ・アルゴン18のようにフランス外のプロコンチームの出場も恒例となっている。
運営組織は違うが、ジロでは4つのワイルドカードのうち2つは外国籍チームに割り当てられた。
ツールと同じASOが運営するブエルタ・ア・エスパーニャに至っては、4チーム中スペインチームはカハ・ルラルの1チームのみだ。
だからこそ、来シーズンもフォルトゥネオがツールに出場するとは限らないのだ。

だが、フォルトゥネオが確実にツールに出場できる方法が一つある。

それはワールドチームへ昇格することだ。
ワールドチームであれば、3つのグランツールに自動的に出場権が与えられる。

毎年、シーズンオフにUCIによってワールドチームライセンスの発行が検討される。
その際に、重要視されるのが所属選手の持つワールドツアーポイントだ。

プロコンチームがワールドチームに昇格するためには、ワールドツアーポイントを持つ選手をたくさん獲得する必要がある。
言い換えれば、多額の資金が必要なのだ。

果たして、フォルトゥネオに潤沢な資金があるのだろうか。

フォルトゥネオ・オスカロの"オスカロ"とはどんな会社か?

ツール第1ステージの直前に、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプトから"フォルトゥネオ・オスカロ"へのチーム名変更が発表された。
チームプレゼンテーションにはヴィタルコンセプトの名が入ったジャージで登壇していただけに、突然の変更だったように見える。

オスカロ社の援助次第では、来シーズンのワールドチーム昇格も現実的になる。

オスカロ社は、フランス・パリに本社を置く企業だ。
主な事業は自動車部品専門の通販サイトの運営であり、2016年度の売上高は320百万ユーロ(≒416億円)だった。
自動車部品に特化したAmazonのようなネットショッピングサイトといえば、イメージしやすいだろう。

フランス、スペイン、アメリカで事業展開し、2016年4月からベルギーへも販路を広げた。
こちらのアメリカ版サイト(http://www.oscaroparts.com/)を見てみると、自動車の製造年・メーカー名・車種などから、対応するパーツを検索することができて、確かに便利そうである。
オスカロ社は「スペアパーツのGoogle」を目指しており、利用者が欲しいパーツにすぐアクセスできるよう工夫をこらしているとのことだ。

なお、ヨーロッパでは新車販売台数が、3年連続で増加しており、ゆくゆくは修理するためのスペアパーツの需要も増えることだろう。
今後も、販路をヨーロッパ諸国へ広げる、もしくはアジアや中東への進出も考えているかもしれない。
となると、オスカロの名をもっと世界に認知させたいはずだ。

少なくとも、自動車部品専門の通販サイトとしては、フランス国内ではすでにナンバーワンシェアを誇り、国内へのPRはそれほど必要ないと思われる。
だからこそ、ワールドチームへの昇格を狙う可能性は十分にあるのではないか。

オスカロはどこまで本気なのか

また、スポーツへのスポンサードもサイクルロードレースが初めてではない。
コルシカ島に本拠地を置く、フランスサッカーリーグのSCバスティアのメインスポンサーを務めているのだ。

ここで筆者は既視感を覚えた。

ウェブサイトを運営する企業。
世界展開を目論んでいる。
母国のサッカーチームのスポンサーを務めている。

そう、サンウェブと非常に似ているのだ。

※参考:チーム・サンウェブの『サンウェブ』って何の会社?

サンウェブは、スポンサー1年目にしてジロ総合優勝、ツールでステージ4勝&ジャージ2種獲得と大成功を収めている。
広告効果は抜群だっただろう。

そのサンウェブの主力選手を引き抜いて、サンウェブ社のとった戦略をオスカロ社が真似するとなれば非常に面白い。

バルギルに加えて、BMCレーシングのアマエル・モワナールも獲得した。
モワナールの獲得は、まだまだ予兆に過ぎない。

次に再びビッグネームを獲得したとき、ワールドチームへの道が開けるだろう。
そして、フォルトゥネオ・オスカロの本気、いや"オスカロ"社の本気を目の当たりにすることになるだろう。

Rendez-Vous sur le vélo…

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