サイバナ

これからサイクルロードレースの話をしよう。略して『サイバナ』。サイクルロードレースのレース結果やコラムなど、お届けします。

アムステルゴールドレース2017

アムステルゴールドレース2017有力選手プレビュー&優勝予想

アルデンヌ・クラシック第1戦となるアムステルゴールドレースの有力選手をプレビューする。

コースレイアウトに変更があったことで、クライマー、パンチャー、スプリンター、いずれの脚質の選手にも勝機があり、実に様々な特徴を持った選手が出場する。

アムステルゴールドレースのコースプレビューはこちら

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アムステルゴールドレース2017有力選手プレビュー

新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)

2014年アムステルゴールドレース10位という、アルデンヌ・クラシックにおける日本人選手歴代最高順位という記録を持っているユキヤ。
10位の内容は、マイケル・マシューズやビヨーン・ルークマンスと言った屈指のスペシャリストを抑え、トップから12秒遅れの集団としては先頭でフィニッシュしている。
UCIポイントやワールドツアーポイントを稼ぐ上で、トップ10圏内に入るかどうかは非常に重要な分岐点となっている。
つまり、ユキヤはかなりガチな競り合いを制してアムステルゴールドレース10位という記録を成し遂げたのだ。

今回はチームメイトにディフェンディングチャンピオンと、ここ数戦絶好調のスプリンターがいるため、ユキヤの役割は基本的には二人のアシストとなるだろう。
しかし、調子が良ければ、展開によっては、ユキヤで勝利を狙うことも十分あり得る。

同じ日本人として、どうしても歴史的快挙を期待せずにはいられない。

頼むぞユキヤ!
アレ!ユキヤ!

エンリコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ)

2016年大会のチャンピオン。
残り1.8km地点に設定されたカウベルグの登りで集団から飛び出し、そのまま逃げ切って優勝した。

何より、ワンティというプロコンチネンタルチームに所属しながら、ワールドツアーのワンデーレースを勝利したことは快挙だと言えよう。

2012年にも、ペーター・サガンやフィリップ・ジルベールらを下して優勝しており、距離の短い登りでの爆発力は特筆すべきものがある。

3度目のアムステル優勝を狙ってくるだろう。

ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)

極寒のパリ〜ニース第2ステージで、ワールドツアー初勝利となるステージ優勝。
アルデンヌ・クラシック前哨戦となるブラバンツ・ペイルで優勝と、今シーズン覚醒と言える劇的な活躍が目立つ26歳スプリンターだ。

北のクラシックでも、
E3・ハレルベーケ7位
ヘント〜ウェヴェルヘム13位
ロンド・ファン・フラーンデレン10位
と、好成績を残している。

ブラバンツ・ペイルでは、自らレースを動かすアタックを仕掛け、登りをしっかりこなした上で、得意のスプリントで圧勝するという物凄く力強い勝ち方を見せていた。
今、非常に好調なのではないかと思う。

個人的には、優勝候補の最右翼であると見ている。

ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)

2015年アムステルゴールドレース優勝者だ。

そして、今シーズンはストラーデ・ビアンケでは終盤に10kmの独走を決めて勝利し、ミラノ〜サンレモではペーター・サガンとのバンチスプリントを制して自身初のモニュメント優勝を果たした。

2014年に世界チャンピオンになって以降、長きにわたり輝きを失っていたが、今シーズン完全復活を遂げたと言えよう。
さらにスプリント力・独走力がより強化され、ヒルクライム・エスケープ・スプリントと隙のない真の万能ライダーへ進化しようとしている。

アルデンヌ・クラシックを獲るために、例年出場しているフランドルクラシックシリーズをパスしている。

代わりに出場したブエルタ・アル・パイスバスコでは、ステージ2位とステージ4位をそれぞれ1回とっており、好調は維持されているように見える。

こちらも優勝の有力候補筆頭だ。

フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップ・フロアーズ)

北のクラシックでは、MVP級の活躍を見せた。
チームにとって、久々のワンデークラシック勝利に大きく貢献しただけでなく、ロンド・ファン・フラーンデレンでは55km独走逃げ切りを決め、歴史的な勝利を手にした。
BMCレーシング時代の不調を完全払拭する快進撃が続いている。

そして、何を隠そうジルベールのまたの名は、『アルデンヌの王』である。
2011年に破竹のアルデンヌ・クラシック3連勝を成し遂げている。
アムステルゴールドレースは通算3度の優勝を誇る相性の良いレースだ。

チームメイトには、ジャンルーカ・ブランビッラ、ダン・マーティン、ペトル・ヴァコッチとアルデンヌ向きの強力な選手が揃っているが、
まずは伝説の王の帰還を楽しみたいと思う。

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

グランツールで表彰台を獲得するような選手であるにも関わらず、アルデンヌ・クラシックには滅法強い。

3連覇中のフレーシュ・ワロンヌは通算4回優勝していて、最古のワンデーレースと呼ばれるリエージュ~バストーニュ~リエージュでは通算3回優勝している。
しかし、意外や意外にアムステルゴールドレースでは、まだ優勝経験はない。

ただし、2013年2位、2014年4位、2015年2位と好成績が続いている。
脚質を見ても、アムステルゴールドレースを勝てる力は十分に持ち合わせていると思われる。

何よりも、今シーズンのバルベルデは手がつけられないほどに、絶好調を維持している。
もはや絶好調なのではなく、ただ単に強いだけなのではないか?と思うほどにだ。

今季出場した3つのステージレースでは全て総合優勝。
タイムトライアルも速く、集団スプリントにも勝ってしまい、ワンデーレースでは70kmを逃げ切るような圧倒的なパフォーマンスのオンパレードである。
今年で37歳になる選手とは思えない強さで、もはや今が全盛期と言って差し支えないないのではないかと。

バルベルデにとって、今シーズン最大の目標はアルデンヌ・クラシックではないかと思う。
アムステル・フレーシュ・リエージュの3つのレースを本気で獲りに来ているようにしか見えない。

ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット)

36歳の大ベテランにとって、ワンデークラシックでの勝利は喉から手が出るほど欲しいタイトルに違いない。
ステージレースでの勝利は数多くあるが、ワールドツアーレベルのワンデーレースでの勝利経験は未だにゼロだ。

昨年のリエージュ~バストーニュ~リエージュでは、少人数でのスプリントでワウト・ポエルスに敗北し、惜しくも2位だった。

今シーズンのアルバジーニはアルデンヌ・クラシック一本に絞って調整してきた。
4月2日のブエルタ・シクリスタ・ラ・リオハでは2位。
ブエルタ・アル・パイス・バスコ第2ステージでは、マクシミリアーノ・リケーゼやマイケル・マシューズらを下してステージ優勝をあげている。

スプリント力に磨きがかかっている印象を受けるので、少人数でのゴールスプリントに持ち込んで念願のワンデークラシック優勝を狙いたいところだ。

マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム・サンウェブ)

サンウェブに移籍して良かったかもしれない。
今シーズンの走りを見ていると、元々高かった潜在能力が徐々に開花しつつあるような印象を受ける。

なぜなら、スプリンターとして純粋なスプリント力の高さに加えて、パリ〜ニースやパイス・バスコでは、スプリンターとは思えない登坂力を見せている。
特にパイス・バスコ第4ステージでは、終盤の2級山岳を乗り越えてステージ2位となっている。(1位は逃げ切ったプリモシュ・ログリッチ)
このステージでは、他のスプリンターたちは2級山岳で耐えきれずマシューズ以外は全滅していた。

アムステルゴールドレースとも相性がよく、2014年12位、2015年3位、2016年5位となっている。
カウベルグの頂上フィニッシュでも表彰台を獲得できるほどの登坂力があれば、今大会では最後のスプリント勝負に加わることは十分に可能ではなかろうか。

昨年のツールでのステージ優勝に続く、ビッグタイトルを狙う。

ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)

前回大会では、今大会の最後の登りとなっているベメレルベルグでアタックを仕掛けて、集団からリードを築くシーンが目立っていた。
その後、ジロ・デ・イタリアでステージ1勝、ツール・ド・ポローニュでステージ1勝&総合優勝を飾っており、今シーズンもここまで3勝をあげている。
めきめきと力をつけ、いよいよアルデンヌ・クラシックの本命と言える存在感を持つようになってきた。

スプリンターやパンチャー陣に比べると、スプリント力にやや難があるため、得意の登りで独走または少人数に絞り込みをかけていきたいところだ。

フレフ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)

E3・ハレルベーケ優勝、ヘント〜ウェヴェルヘム優勝、ロンド・ファン・フラーンデレン2位、そしてパリ〜ルーベ優勝と、北のクラシックでは無敵とも言える猛烈な活躍を見せていた。

ヴァンアーヴェルマートにとって、アムステルゴールドレースは春のクラシックの最終戦となる。
登りがキツくなる、フレーシュとリエージュは走らないようだ。
つまりアムステルでは勝てると見込んでいるということだ。

クライマー向きと言われていたリオ五輪でも金メダルを獲ったように、トップ集団で耐えながら登りぬく技術に非常に長けている。
耐えて耐えて、最後のスプリントを制する展開に持ち込みたい。
そうなれば、ヴァンアーヴェルマートに敵う選手は誰もいないだろう。

言うなれば、クライマー&パンチャー連合vsヴァンアーヴェルマートという構図になってもおかしくない。
それほど警戒すべき選手だろう。

ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)

身長175cm、体重68kgと、どちらかと言えば軽量級に分類される、登りスプリントを得意とする選手であるが、重量級向きのフランドルクラシックにはほぼフル出場して、一定の成績を収めていた。
オムループ・ヘット・ニュースブラッド4位、E3・ハレルベーケ11位と、石畳レースへの適性の高さを見せていた。

昨年は、パレードラン中に落車して頭蓋骨骨折の重傷を負ってしまったが、
フェリーネにとって、本来相性がいいはずのレースはアルデンヌ・クラシックだろう。

フェリーネの力をもってすれば、アムステルの登りは十分こなせるはずだ。
あとは、高い独走力を活かして逃げを決めるか、スプリントで真っ向勝負を挑むか。

そして、トレック・セガフレードと言えば、別府史之にも注目だ。
ここ数年はアルデンヌ・クラシック要員として、アシストの職務を全うしている。
今年はなぜかエースナンバーである1番を背負って出場予定だ。

さすがに脚質を考えるとフミがエースとは思えないが、チーム内におけるフミの重要性を表していると思う。

集団にセレクションの動きが始まる中盤の勝負どころまで、フェリーネを好位置に引き上げることがフミの任務だろう。
しっかりと見届けたい。

オリバー・ナーセン(ベルギー、AG2R)

北のクラシックでは、度重なる落車とメカトラで思うような活躍が出来ず、フラストレーションも溜まっていることだろう。

素質はピカイチ。
いずれ、ワンデークラシックを勝ちまくる選手へと成長していくに違いない。

パリ〜ニースではニコラス・ロッシュの18位に次ぐ、総合19位と意外に登れていることが印象に残った。
クイーンステージとなった第7ステージでは、そのロッシュらと同じグループでフィニッシュしている。

したがって、アムステルゴールドレースに登場する登りであれば、ナーセンも十分に対応できるのではないかと思われる。
登りを耐えしのげば、得意のスプリント力を発揮して表彰台を狙える。

アルトゥール・ヴィショ(フランス、FDJ)

今季は下位カテゴリーではあるが、2勝をあげている。

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャでは集団スプリントに絡み、二度ステージ3位に入っている。
スプリント力に磨きがかかっている印象を受けている。

昨年のアムステルゴールドレースでは19位と、メイン集団内でフィニッシュしている。
つまり、最後までメイン集団に残る登坂力は持っていると言えるので、今年も勝負に絡むことが出来るはずだ。

決してあなどってはならない存在となるだろう。

ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)

昨年は7位だった。
ワンデーレースを得意とするものの、一桁順位が非常に多い印象を受けるライダーだ。

今シーズンは、イタリアでのレース開幕戦となるGPエトルスキで優勝している。
ウリッシにとってエトルスキは地元だ。
地元のヒーローが、レース終盤に独走を決め、得意の逃げ切り勝利を果たした。

登坂力が高い選手なので、アムステルでも終盤まで残って勝負に絡むことは十分可能だろう。
ただ、勝つためには登坂力もスプリント力もやや心もとない。
エトルスキのように、登りで仕掛けて独走に持ち込むことが、ウリッシの必勝パターンだろう。

なお、UAE・チームエミレーツはクライマーのルイ・コスタとスプリンターのベン・スウィフトでも勝負することが出来る。

ウリッシ、ルイ・コスタ、ベン・スウィフトと3人違う脚質を持っているので、連携してライバルチーム攻撃を仕掛けることを期待したい。

ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)

今季はHCと1カテゴリーで計4勝をあげている。
しかし、ワールドツアーレベルのトップスプリンターたちとのガチンコバトルを制した勝利ではなく、あくまで下位カテゴリーでの勝利と言った内容だ。

コカールは身長169cm、体重58kgと、スプリンターとしては非常に小柄でほっそりとした体格だ。
カレブ・ユアンは身長165cm、体重61kgと、背丈は小さいがガッシリした身体つきをしている。
純粋なパワーで、コカールは他のスプリンターたちにかなわない。

だからこそ、軽量なボディを活かして、登りを含むコースや登り基調のスプリントで強みを活かしたい。

そんなコカールにピッタリのレースが、アムステルゴールドレースなのだ。

昨年は4位と、惜しくも表彰台には届かなかった。
残り1.8km地点に登場するカウベルグを登って、メイン集団内では2着に入るスプリントを見せたことは素晴らしい。

昨年のワンティのように、プロコンの星として期待がかかる。

恒例の優勝予想は、、、

クライマーは、残り45km地点付近からの厳しい登りを活かしてスプリンターをふるい落としたいだろう。

パンチャーも同じくスプリンターをふるい落とす登りでの攻撃に加えて、終盤に独走やごく少人数の逃げ切りという展開に持ち込みたい。

スプリンターは、とにかく登りを耐えしのいで、集団スプリントに持ち込みたいだろう。

それぞれ仕掛けのポイントが変わってくる。
わたしが脳内シミュレーションによると、クライマーによる攻撃は実らず、パンチャー・スプリンターが生き残ったまま最終盤を迎える展開になるのではないかと予想する。

とはいえ、登りで集団をセレクションにかけるアタックは頻発するだろう。
人数を減らした集団スプリントとなるので、トレインを組んでエースを発射という展開にはならないと思う。

あとは、個々のスプリント力と駆け引きの勝負となるだろう。

ということで、以下のように予想してみる。

1位、フレフ・ヴァンアーヴェルマート
2位、ソニー・コルブレッリ
3位、ミカル・クヴィアトコウスキー

どう考えても、ヴァンアーヴェルマートが強いと思ってしまう。
先週のパリ〜ルーベの疲れが残っていれば、また違った展開になるかもしれないが、それでもヴァンアーヴェルマートの登坂力とスプリント力はあまりにもアムステルゴールドレースに向いている。

コルブレッリのここ数戦の好調ぶりを見ていると、ワールドツアーのワンデークラシックでも優勝を狙えるだろう。

3位にはクヴィアトコウスキーと予想した。
最初はクヴィアトコウスキーが優勝するかなと思ったが、クヴィアトコウスキーの最大の目標は、アムステルより脚質に合っているリエージュ~バストーニュ~リエージュではないかと思う。
それでも今シーズンの好調ぶりを加味すると表彰台獲得出来ると見た。

何はともあれ、最後の名物カウベルグを省略した新コースが、どのようなレース展開を生み出すのか非常に楽しみである。

当日は、サイバナラジオも放送しながら、レースを満喫したいと思う。
詳細は以下のリンクを参照されたし!

【サイバナラジオ】4/16(日) 22:00から放送開始します!【アムステルゴールドレース】

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