サイバナ

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ジロ・デ・イタリア2017

トレック・セガフレード出場選手プレビュー【ジロ・デ・イタリア2017】

アルベルト・コンタドールが加入したことで、チーム唯一の総合リーダーという重圧から解放されたバウケ・モレマ。
久々のジロの舞台で、総合上位を狙う。

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ジロ・デ・イタリア2017、トレック・セガフレード出場選手

バウケ・モレマ(オランダ)
ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)
エウジェニオ・アラファチ(イタリア)
ローラン・ディディエ(ルクセンブルク)
ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)
ジュリアン・ベルナール(フランス)
マッズ・ペダーソン(デンマーク)
ピーター・ステティナ(アメリカ)
ヘスス・エルナンデス(スペイン)

総合をモレマ、スプリントをニッツォーロが狙う

基本的にはバウケ・モレマで総合優勝を狙うチームではあるが、昨年のポイント賞ジャージを獲得したジャコモ・ニッツォーロによるスプリント勝利とポイント賞も狙っていくだろう。

モレマは、シーズン初戦のブエルタ・サンフアンで総合優勝を果たし、アブダビツアーでも総合4位と出だしは好調そうに見えた。

しかし、ティレーノ〜アドリアティコ総合9位、ボルタ・シクリクタ・ア・カタルーニャでは第6ステージ途中でリタイアと、徐々に調子を落としていた。

本人は疲労の蓄積のためと説明していて、4月はレースに出場することなく、本番のジロを迎えるスケジュールとなった。
かと言って、4月は何もしていないわけではない。
イタリアに滞在し、コースの下見をかねて入念なトレーニングを積んでいたのだ。

総合上位を狙う選手たちの中では、最も今年のジロのコースを理解している選手だと言える。
アタックのポイント、自分の苦手な区間、全てを把握していることだろう。

モレマは昨年のツール・ド・フランスでは、高い登坂力を見せていた。
途中まで総合2位につけており、魔の山モン・ヴァントゥでは、クリス・フルームのアタックにリッチー・ポートと共に反応し、3人揃ってバイクカメラに激突していた。
持ち前のTT力に加えて、あの登坂力が蘇れば、表彰台だけでなくマリアローザも十分狙えることが出来る。

ニッツォーロは、4月下旬のツアー・オブ・クロアチアがシーズン初戦となっており、まだ十分な距離を走っていないように見えることが懸念点である。
かえってフレッシュな状態で走れると見ることも出来るが、ぶっつけ本番感が否めない。

昨年のジロでは、ステージ優勝こそあげられなかったが、安定してスプリントで上位に食い込みポイントを積み重ねていき、マリア・ロッサを獲得した。

今年からポイント賞ジャージには、紫色のマリア・シクラミーノが復活する。
100回記念大会で、新色のジャージに袖を通すことが出来るのだろうか。

戦力不足感が否めない陣容

他に力のある選手では、ジャスパー・ストゥイヴェンの存在が気になる。
スプリンター、クラシックスペシャリスト寄りな脚質の持ち主なので、モレマのアシストというよりはニッツォーロのアシストや、自らステージ優勝を狙う走りをするかもしれない。

間違いなく素晴らしい選手ではあるが、厳しいジロの山岳を乗り越えてモレマをアシストすることは難しそうだ。

モレマの山岳アシストを務めるのは、ピーター・ステティナになるだろう。
グランツールは5回出場し、最高順位は2011年ジロの総合21位となっている。
山岳での安定した走りが魅力の一つだ。

今年の4月で、いったんロードレースに区切りをつけて、トラック競技に専念したいという意向があったようだが、どうやらロードレースを継続するみたいだ。
トレック・セガフレードにとってみれば、非常に朗報である。

他にもヘスス・エルナンデス、ジュリアン・ベルナール、ローラン・ディディエ、マッズ・ペダーソンなどもクライマー寄りの選手ではある。
しかし、チームスカイの山岳アシスト勢とくらべてしまうと、戦力不足を感じてしまう。

平坦アシストには、エウジェニオ・アラファチやストゥイヴェン、背の高いディディエあたりが適任ではあるが、こちらもチームスカイと比べると厳しいものがある。

恐らく勝負どころの山岳では、モレマ単騎で総合ライバル勢と戦わねばならないと思う。
モレマの基本戦略は、守りの走りに徹して、TTで逆転する。
これしかないと思われる。

トレック・セガフレードまとめ

◆チーム力

・エースの登坂力:★★★★☆
・エースのTT力:★★★★☆
・山岳アシスト力:★★☆☆☆
・平坦アシスト力:★★★☆☆
・スプリント:★★★★☆

◆ストロングポイント

・モレマのTT力が高いこと
・ニッツォーロでスプリント勝利・ポイント賞を狙うオプションがあること
・大ベテラン、ヘスス・エルナンデスの経験値の高さ
・ストゥイヴェンの平坦アシストとしての能力の高さ

◆ウィークポイント

・山岳アシスト、平坦アシスト共に戦力不足が否めないこと
・1ヶ月以上ぶりのレースとなるモレマのレース勘や体調面への不安
・ニッツォーロが今シーズン、1つのステージレースしか走っていないこと

総合優勝を狙えるかどうかは、モレマの調子一つ次第だ。
ニッツォーロも同じく。

となると、このチームの鍵は案外ストゥイヴェンが握っているのかもしれない。
そこそこの登りならこなせる上に、独走力・スプリント力は非常に高い。

アシストしても良いし、自らステージ優勝を狙って逃げに乗るような展開も考えられる。

個人的に、モレマへ大きな期待を寄せてはいるが、チームとして戦力を整えることが出来なかった点が残念に思う。

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