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ツール・ド・フランス2017

ボーラ・ハンスグローエ出場選手一覧&レビュー【ツール・ド・フランス2017】

2017/07/01

※出場選手の脚質、役割、レビューなど書いています。

世界チャンピオンであるペーター・サガンのマイヨヴェール6連覇、そしてラファル・マイカが総合エースを担い、エマヌエル・ブッフマンがマイヨブランを狙うボーラ・ハンスグローエ。
バランス良く、メンバーを選んで来た印象を受ける。

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ボーラ・ハンスグローエ、ツール出場メンバー

111,ペーター・サガン(スロバキア、27歳)

逃げ:★★★★★
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★★★

2012年からポイント賞ジャージであるマイヨヴェールを5連覇中だ。
2014・2015年はステージ0勝だったが、2016年はステージ3勝をあげ、スーパー敢闘賞も獲得した。

仮に6連覇を達成すると新記録かと思いきや、エリック・ツァベルが1996〜2001年にかけて達成しているため、タイ記録になる。
だが、マイヨヴェールの獲得回数はツァベルの6回が最多となっている。

ツァベルは26歳から31歳の時に達成したのに対し、サガンはまだ27歳。
今後、7連覇どころか10連覇さえ期待出来るような強さを見せている。

今シーズンは、春のクラシックでは思うような成績を残すことはできなかった。
ツールに向けての調整レースのツアー・オブ・カリフォルニアではステージ1勝&ポイント賞、ツール・ド・スイスではステージ2勝&ポイント賞を獲得した。

サガンの強さのポイントは2つある。

1つは、ド平坦のピュアスプリンター向けのステージで勝てる力を持ち合わせながら、上りに強いパンチャークラスの登坂力を有している点である。
平坦ステージのみならず、山岳地帯を走るコースでも中間スプリントポイントを稼ぐことが出来るのだ。

もう1つは、サガンのためのトレインを組まずとも自力で好位置を確保してスプリントできる点である。
そのため、ボーラ・ハンスグローエのアシスト陣は、残り1〜2km地点までサガンを無事に先頭周辺に送り込むことが出来ればいいのだ。

勝利した際は、常にチームメイトへの感謝の言葉を忘れない、リーダーのなかのリーダー。
世界中のサイクルロードレースファンが支持するスターのなかスーパースター。

マイヨヴェール6連覇に向け、万全の体制を整えてきた。

112,マチェイ・ボドナール(ポーランド、32歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★★☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★☆☆☆

ボドナールを一言で表現するなら、"サガンの相棒"だ。
サガンがリクイガスのトレーニーとなった2009年以来、二人はずっと同じチームメイトなのだ。

昨年大会では、第11ステージの終盤では平坦ステージにもかかわらず、サガンと共に集団から飛び出し、ジョインしたクリス・フルームとゲラント・トーマスら4人で逃げを敢行。
見事に逃げ切り、サガンのステージ優勝を演出してみせた。

脚質はTTスペシャリストであり、平坦ステージのみならずサガンの護衛が主要な任務となる。

113,エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、24歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★☆☆☆

昨年はマイヨブラン候補にピックアップされつつも、42分32秒差の総合21位という結果に終わった。
だが、今年はツアー・オブ・ジ・アルプス総合7位、ツール・ド・ロマンディ総合10位、クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合7位&新人賞と大いに成長を感じさせる結果を残した。

今大会は名実ともにマイヨブランの有力候補だと言えよう。

目標はマイヨブラン&総合トップ10だろうか。
場面によってはマイカのアシストも務めながら、上位を狙う走りをするだろう。

ドイツ人としてトップ10に入った選手は、2006年のアンドレアス・クレーデン以来誕生していない。
久々に現れたドイツ人オールラウンダーの飛躍に注目だ。

114,マーカス・ブルグハート(ドイツ、34歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★☆☆

今シーズン、BMCレーシングから移籍してきたドイツの機関車だ。
直近のドイツ選手権では、ブッフマンと共に逃げ切って優勝。
ツールにはドイツ人チャンピオンジャージを着て参戦する。

クラシックレースを得意としているが、ツールでの主な役割はサガンを好位置まで引き上げるトレインの一角を担うことになるだろう。
2008年大会の第18ステージで勝利した経験もある。

115,ラファル・マイカ(ポーランド、30歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★★★
スプリント:★☆☆☆☆

昨年までティンコフに所属し、2014・2016年と、マイヨアポワルージュを獲得した経験を持つ。
だが、キャリアのほとんどを、絶対的エースであったアルベルト・コンタドールのアシストとして走ってきた。

コンタドールが出場しないグランツールでは総合エースとして出場し、2015年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位、2016年ジロ・デ・イタリア総合5位と好成績を残している。

今シーズンから、サガンと共に新生ボーラ・ハンスグローエの目玉選手の一人として移籍してきた。
ついに初めてツールの舞台で総合エースとして走ることが出来るのだ。

目標は表彰台だろうか。
ライバルは多く、激戦は必至だが、ノッている時のマイカの登坂力は突出している。
苦手とするタイムトライアルの距離が短いことも、プラスの要素だろう。

ツールの調整レースの成績は、ツアー・オブ・カリフォルニア1勝&総合2位、ツアー・オブ・スロベニア1勝&総合優勝と、仕上がりは上々だ。

ツールの頂点を狙うビッグネームに対して、世間の注目度は低いかもしれない。
だからこそ、マイカにはチャンスがあるのではないだろうか。

ビッグネーム同士が互いに牽制するなかを、閃光のアタック一撃で仕留める姿を期待したい。

116,ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、25歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★★☆

今シーズンはツアー・ダウンアンダーで総合3位に入ってみせたことで、かなり知名度を上げた選手だ。
ツールは今回が初めての出場となる。

ブエルタ・アル・パイス・バスコでは、第1ステージ2位、第3ステージ3位と山を乗り越えた先のスプリント勝負を得意としている。

ツールでも多数登場する丘陵コースでは、最後まで集団で走ることができるだろう。
そのため、サガンでステージを狙う際に、あらゆる場面で集団牽引とリードアウトに向けた動きを担うことになると思われる。

117,パヴェル・ポリャンスキー(ポーランド、27歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★☆☆☆

グランツール出場経験は3回あるが、ツールは初めてだ。
ツアー・オブ・カリフォルニアでマイカのアシストとして好走したことが評価され、晴れてツールのメンバー入りを果たした。

チーム内では、とても貴重なクライマーだ。
カリフォルニアのように、山岳ステージでマイカをサポートする姿に期待したい。

118,ユライ・サガン(スロバキア、28歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★☆☆

通称、サガン兄。
ユライは、ペーターのお兄ちゃんだ。

今大会が、ユライ自身にとって嬉しい嬉しい初のグランツール出場となる。

これまでのめぼしい実績は、2016年スロバキア国内ロード選手権優勝の1勝のみだ。
それも、弟の好アシストがあってこその勝利だった。

実力は、他のサイクルロードレース選手に劣るのかもしれない。
だが、アシスト選手として活躍するなら、力が劣ったとしてもチームに貢献する術はいくらでもある。

ミラノ〜サンレモ以来、ペーターが出場するレースのほぼ全てに帯同している。(エシュボルン・フランクフルト以外全て)
ペーターにとってはユライは必要不可欠な存在なのだ。

119,リュドガー・ゼーリッヒ(ドイツ、28歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★☆☆☆☆
スプリント:★★★★☆

昨年、カチューシャからボーラ・アルゴン18へと移籍してきたドイツ人スプリンターも、ツール出場は初めてとなる。

ジロにも出場し、第3ステージでは2位だった。
前哨戦のツアー・オブ・スロベニアではサム・ベネットのリードアウトを務めて、エースの2勝に貢献した。

ジロから好調をキープしており、ツールでも抜擢されたのだろう。
一つ懸念されることは、サガンとトレインを組むのは1月のツアー・ダウンアンダー以来であり、ダウンアンダーではサガンは1勝も出来なかった。

サガンのリードアウトを務めることが濃厚ではあるが、もしも残り1〜2kmの時点でサガンのポジションが悪かった際に、ゼーリッヒのスプリント力を活かして一気に前に引き上げるような形でサポートする方が自然だろうか。
スプリントステージのどのあたりで仕事をするのか注目していきたい。

サガンのマイヨヴェール6連覇に向けて万全の体制

ジロに出場したメンバーが非常に好調で、実績も残しているが、さすがにツールに連戦出場となるのはゼーリッヒ1人だ。
そのゼーリッヒも第15ステージでDNFとなっており、体力温存しての連戦となる。

ジロ組を除いたメンツの中では、間違いなくベストメンバーと言える布陣を敷いてきた。
しかも、マイカとブッフマンで総合を狙うダブルオプション付きだ。

今年もサガン中心の大会となるのか。
その可能性は非常に高いだろう。

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-ツール・ド・フランス2017