ディメンションデータ出場選手一覧&レビュー【ツール・ド・フランス2017】

※選手の脚質、役割、レビューを書いています。

エーススプリンターのマーク・カヴェンディッシュを擁するディメンションデータ。
病み上がりのエースだけでは不安だが、好調のエドヴァルド・ボアッソンハーゲン、スティーブン・カミングスらが控えている。

ディメンションデータ、ツール出場メンバー

91,マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、[get_age birth=”19850521″]歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★☆☆☆☆
スプリント:★★★★★

ツール・ド・フランス通算30勝は、現役ナンバーワンどころか歴代2位の数字である。
最多勝はエディ・メルクスの持つ34勝だ。
記録更新は射程圏にとらえているのだ。

したがって、カヴェンディッシュの目標はステージ優勝以外に無いだろう。
だが、4月に伝染性単核球症を患ってしまい、2ヶ月以上レースから離れることとなった。

復帰戦となったツアー・オブ・スロベニアでは苦戦したものの、最終ステージでようやくステージ2位とスピードを取り戻してきたように見えた。
一時は、ツールへの出場も危ぶまれたが首脳陣はカヴェンディッシュの出場を決断。
メルクスの大記録へ挑む。

カヴェンディッシュのいないツールなんて見たくなかった。
だが、それ以上に力なく失速するカヴェンディッシュはもっと見たくない。

病気が回復してからツールまでの準備時間は十分だとは言えない。
それでも、カヴェンディッシュならギリギリ間に合わせて力強いスプリントを見せてくれると信じている。

92,エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、[get_age birth=”19870517″]歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★★☆

今年の世界選手権はボアッソンハーゲンの母国・ノルウェーで開催される。
1.5kmのヒルクライムを含む周回コースとなっており、ボアッソンハーゲンの脚質にピッタリのコースレイアウトとなっている。
アルカンシェル獲得が、今シーズン最大の目標だろう。

直近で行われたノルウェー選手権では個人TTは連覇したが、ロードではジャージを逃した。
これも、自分はアルカンシェルを着るからノルウェーチャンピオンジャージは譲ったと見えなくもない。

シーズン序盤は低調だったが、5月のツアー・オブ・ノルウェーとツール・ド・フィヨルドでは合わせてステージ5勝をあげ、どちらも総合優勝している。
一気に調子を上げてきたようだ。

ツールには世界選のライバルになり得る、ペーター・サガンやマイケル・マシューズと言った上りに強いスプリンターたちが大勢参戦する。
ツール・ド・フランス本戦とは言え、世界選の前哨戦という見方も出来るだろう。

そう考えると、ライバルたちがあまりにも強力に見えてしまう。
それでも、わたしはボアッソンハーゲンに期待せずにはいられない。

93,スティーブン・カミングス(イギリス、[get_age birth=”19810319″]歳)

逃げ:★★★★★
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★☆☆

昨年のツール第7ステージでは、終盤に単独アタックを決めて逃げ切り勝利を飾った。
独走力に長けたルーラータイプの選手である。

今シーズンはブエルタ・アル・パイス・バスコで落車。
鎖骨・肩甲骨・胸骨を骨折する、重傷を負って戦線離脱してしまった。
にもかかわらず、復帰戦となったイギリス選手権ではTTとロードの両部門で優勝した。
完全復活と見て良さそうだ。

逃げに乗ってから、タイミングを見計らって独走を決める能力がずば抜けて高く、カヴェンディッシュ以外でステージ優勝を狙うことが出来る貴重な人材だ。
イギリスチャンピオンジャージを着て、再び逃げ切りを決めることが出来るか。

94,ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、[get_age birth=”19810217″]歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★★☆

カヴェンディッシュファミリーの一員で、ヘント〜ウェヴェルヘムで勝ったことがあるような強い選手だ。
脚質はスプリンターというよりは、ルーラーに近い。
ディメンションデータトレインの先頭車両を務め、後ろに続くリードアウト陣を残り1kmまでに好位置に引き上げることがメインの仕事だ。

昨シーズンに、チームスカイからディメンションデータへ移籍してきて、ファミリー再結成となった。
すると、カヴはツールで4勝をあげた。

今年のツールでも二人はルームメイトとして3週間半の長丁場を過ごす。
牽引力だけでなく、いびきも凄まじいそうで、カヴの安眠妨害にならないことだけは気をつけてほしい。

95,レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、[get_age birth=”19890203″]歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★☆☆

今年の南アフリカ選手権で優勝した、パンチャータイプの選手だ。

昨年はツール・ド・ランカウィで総合優勝している。
ランカウイの上りはこなしつつ、スプリント勝負にも絡める力を持っている。

カヴェンディッシュの出場するレースでは、リードアウトを務めることが多いので、ツールでも同様の役割を担うものと思われる。

96,セルジュ・パウエルス(ベルギー、[get_age birth=”19831121″]歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★☆☆☆

ツール・ド・ヨークシャー第3ステージで一世一代の逃げ切り勝利をあげ、総合優勝を果たした。
パウエルスにとって2009年ジロ以来、8年ぶりの勝利だった。

昨年のツールでは、モン・ヴァントゥにフィニッシュする第12ステージで、優勝したデヘントから2秒遅れの2位だった。
逃げがハマれば、ツールでも十分勝ちが狙える。
カヴェンディッシュとは別働隊として、アタック合戦に積極的に参加することだろう。

97,マーク・レンショー(オーストラリア、[get_age birth=”19821022″]歳)

逃げ:★☆☆☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★☆☆☆☆
スプリント:★★★★☆

カヴェンディッシュファミリーの一員で、カヴの最終発射台を務めている。
レンショーがいるといないとでは、勝率が全然違っていたが、昨年のツールではレンショーをリタイアで失った後もカヴェンディッシュはステージ優勝をあげていた。

いよいよ、レンショー離れが出来るようになったのだろうか。
とはいえ、レンショーとカヴェンディッシュのコンビネーションは抜群だ。

98,スコット・スウェイツ(イギリス、[get_age birth=”19900212″]歳)

逃げ:★☆☆☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★★☆

新たにカヴェンディッシュファミリー入りした、カヴの新弟子(と勝手に呼んでいる)だ。
脚質はスプリンターで、身長と体重もカヴェンディッシュの数値に近い。

カヴェンディッシュの出場するレースの大半に帯同し、師匠からスプリントの極意を学んでいる(はずだ)。
たまに、師匠よりキレのあるスプリントを見せちゃうこともある。

レンショーやアイゼルと共に、リードアウトを担うと思われる。

99,ヤコ・フェンター(南アフリカ、[get_age birth=”19870213″]歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★☆☆

2016年南アフリカロードチャンピオンを獲得した選手だ。
脚質はスプリンターまたはルーラーに近いだろう。

カヴェンディッシュと同じく伝染性単核球症を患って、シーズン序盤に2ヶ月弱欠場を強いられ、今年のアフリカ選手権は欠場となった。
3月下旬にレースに復帰すると、ここまでコンスタントにレースに出場して、途中リタイアはない。

ツールでは平坦アシストを務める見込みだ。

カヴェンディッシュは体調次第、駄目でもボアッソンハーゲンとカミングスがいる

基本的にはカヴェンディッシュが最優先されるはずだ。
やはりツール最多勝という偉大な記録に向けて、チームをあげてサポートしたいはずだからだ。

ただ、病み上がりすぎるため、第1週目のスプリントステージでまともに勝負できるのかどうか心配である。
カヴなら合わせてくれると信じたいところだが、いかに。

もし、カヴが駄目だった時は、好調のボアッソンハーゲンとカミングスがステージ優勝を狙う。
ボアッソンハーゲンは純粋なスプリントステージより、テクニカルなコースの方が向いているだろう。
カミングスは、難関ステージで逃げを決めたいところだ。

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