サイバナ

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ツール・ド・フランス2017

ディレクトエネルジー出場選手一覧&レビュー【ツール・ド・フランス2017】

2017/07/06

※選手の脚質、役割、レビューを書いています。

フランスの英雄、トマ・ヴォクレールが引退を決めているディレクトエネルジー。
期待の若手リリアン・カルメジャーヌにも注目だ。

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ディレクトエネルジー、ツール出場メンバー

171,トマ・ヴォクレール(フランス、38歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★☆☆

昨年、2017年のツール・ド・フランスを現役最後のレースにすると発表した。
ヴォクレールのレーサー人生は、ツールと共にあると言っても過言ではない。

2004年、ランス・アームストロングが全盛を誇っていた頃、彗星のように現れたヴォクレールはマイヨジョーヌを10ステージに渡って守ってみせた。
以来、フランス人の支持を大きく集め、ツールでは通算4勝をあげ、2011年にも第18ステージまでマイヨジョーヌを着用する大活躍を見せていた。

誰もヴォクレールが総合優勝できるとは思っていなかっただろう。
それでもヴォクレールなら、何かしてくれる。
まさかとはいえ、やってくれるかもしれない。
そのような期待を夢を、ファンに提供し続けてくれた。

そして、ヴォクレールが全盛を誇った時代は、フランス人選手にとっては不遇とも言える時代だった。
それもロマン・バルデやティボー・ピノだけでなく、リリアン・カルメジャーヌやダビド・ゴデュら若き才能の台頭が著しく、フランスはまた再びサイクルロードレース界の中心へ舞い戻る、そのような明るい兆しが見えてきたのだ。

もうヴォクレールの役目は終わったのかもしれない。
がむしゃらで必死な走る姿は、ファンに受け入れられていたはずだったのに、いつしか「わざとやってる」と指摘されるようになっていた。

フランス自転車界を背負って来た重責は、もう負わずともよい。
最後の最後こそ、本当のヴォクレールらしい攻撃的な走りを見せてほしい。

172,トマ・ブダ(フランス、23歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★☆☆☆☆
スプリント:★★★☆☆

小柄ながらパンチ力のあるスプリント力を武器としている。
今シーズンもセッティーマ・インテルナツィオナル・コッピ・エ・バルタリ第3ステージでは集団スプリントを制している。

プティのリードアウトを務めることも出来るが、ブダ自ら集団スプリントに挑んで、世界のスピードを体感するのもいいと思う。

173,リリアン・カルメジャーヌ(フランス、24歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★☆☆☆

もしかしたら、ヴォクレールに引退を決意させた原因はカルメジャーヌにあるかもしれない。
昨年のブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージでは、終盤に逃げ集団から飛び出し独走勝利をあげた。
激坂を物ともせず、力強いダンシングで突き進む姿は神々しかった。

勢いそのままに迎えた今シーズンは、エトワール・ド・ベセージュ総合優勝、セッティーマ・インテルナツィオナル・コッピ・エ・バルタリ総合優勝、シルキュイ・シクリスト・サルテ総合優勝と1クラスながら総合優勝を連発していった。
更にパリ〜ニースでは山岳賞を獲得し、ワールドツアーでも十分に戦えることを完全に証明した。

逃げもうまく、ここ一番でのアタックの勇気・キレ味ともに申し分ない。
まさに、ヴォクレール二世と言えるような逸材である。
いや、ヴォクレール以上のレーサーになる可能性を秘めている。

初出場となるツールでは、若さを全面に出した、恐れを知らない走りを見せてほしい。
カルメジャーヌ旋風を巻き起こすことができるか。

174,シルヴァン・シャヴァネル(フランス、38歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★☆☆

ヴォクレールと共にフランス自転車界を牽引してきたスーパースターは、シャヴァネルだ。
二人とも逃げを得意とする点、ツールの大舞台の要所要所で活躍した点など、似通っているところが多い。

ツールは17年連続17回目の出場となり、全選手中最も出場回数が多い。

シャヴァネルは、ディレクトエネルジーと2018年まで契約を結んでおり、まだまだ現役でいくつもりだ。
そして、今シーズンはダンケルク4日間レース第4ステージで優勝し、まだまだ第一線で戦えることをアピールしている。

ヴォクレールと共に、ツインアタッカーを形成し、勝利を狙う。

175,ヨアン・ジェーヌ(フランス、36歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★☆☆

かつては新城幸也と一緒にトレインを組んでいたこともある、ベテランスプリンターだ。
今シーズンはアフリカのガボンという国で開催されているステージレースでステージ1勝をあげ総合優勝している。

キャリアの全てでディレクトエネルジーまたはその前身チームに所属しながら、グランツール出場10回・モニュメント出場28回とチーム内での経験値はずば抜けている。
経験を若手に伝えながら、アシスト任務をしっかりとこなすだろう。

176,アドリアン・プティ(フランス、26歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★☆☆☆☆
スプリント:★★★★☆

本来であれば、ブライアン・コカールのリードアウトを務めるはずだった。
コカールは移籍問題をこじらせ、ベルノドーGMの怒りを買ってしまい欠場となった。

そのため、今大会ではプティがエーススプリンターを務めることになるだろう。
今シーズンはダンケルク4日間レース第6ステージで優勝した。
この時はスプリントではなく、独走逃げ切り勝利だった。

ピュアスプリンターではないので、最終盤での飛び出しも勝ちパターンの一つだ。

177,ペリグ・ケムヌール(フランス、33歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★☆☆☆

プロ未勝利ながら、33歳となっても現役を続けている。
前身チーム時代も含めて、ディレクトエネルジー一筋だ。

グランツールは出場7回目で、最高成績は2015年ツールと2016年ブエルタの総合74位だ。
これといった特徴は無くても、アシストに徹することで長く現役でいられるのだ。

178,ロマン・シカール(フランス、29歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★☆☆☆☆

2009年にはU-23ロード世界チャンピオン、ツール・ド・ラヴニール総合優勝と、期待の若手超有望株として世間からの期待を大いに集めていた。
しかし、ここまでかつての前評判に応えるほどの活躍は出来ていない。
むしろ、ラヴニール総合優勝して以来、1勝たりともあげることが出来ていないのだ。

もはや29歳と若手とは言えない年齢に差し掛かってきた。
これから長く現役を続けていくためには、結果が欲しい。

脚質はピュアクライマーだ。
だからこそ、山岳ステージの多い今年のツールで勝利を狙いたい。
人生を変える勝利をその手にするまで。

179,アンヘロ・テューリック(、26歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★☆☆

脚質はスプリンター寄りのパンチャーだ。
2013年ツール・ド・フィヨルド第4ステージでは、アレクサンダー・クリストフを振り切ってプロ初勝利となるステージ優勝をあげたこともある。

基本的には、逃げ要員の1人としてひたすら攻撃的な走りをするものと思われる。

ヴォクレールの有終の美に期待、そして後継者のカルメジャーヌにも注目

フランス中が固唾を呑んで、ヴォクレールの走りに注目するだろう。
ステージ1勝でもあげたら、お祭り騒ぎになることは間違いない。
ヴォクレールの持つ不思議な勝負勘があれば、ミラクルを引き起こすことが出来るはずだ。

そして新星カルメジャーヌにも大いに期待したい。
大器の片鱗ぶりはすでに見られているので、あとは爆発的な結果が欲しい。

フランス人選手の台頭が起きれば起きるほど、ヴォクレールも安心して現役を退くことが出来るだろう。
チーム一丸となって、ヴォクレールの花道を飾ってほしい。

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