サイバナ

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ツール・ド・フランス2017

ロットNL・ユンボ出場選手一覧&レビュー【ツール・ド・フランス2017】

2017/07/01

※選手の脚質、役割、レビューを書いています。

プリモシュ・ログリッチは総合上位を狙い、ロバート・ヘーシンクは山岳ステージでの勝利を狙い、ディラン・フルーネヴェーヘンはスプリント勝利を狙う。
ロットNL・ユンボは、3人のエースが混在する攻撃的な布陣を敷いてきた。

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ロットNL・ユンボ、ツール出場メンバー

161,ロバート・ヘーシンク(オランダ、31歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆

かつてオランダで期待されていた選手と言えば、ロバート・ヘーシンクだった。
2010年ツール総合4位という好成績は、将来を嘱望するには十分な成績だっただろう。

ところが、ヘーシンクは伸び悩んだ。
総合成績だけでなく、勝利からも見放されるようになってしまった。

2015年ツールで総合6位という結果を残すものの、とりわけ印象深い走りが出来ていたわけではない。
さらに、体調も悪化してしまい、一時はレースを続けるかどうかの瀬戸際まで追い込まれていたのだ。

そこで、ヘーシンクは一つの決断をする。
総合成績を捨て、ステージ優勝だけに狙いを絞ることにしたのだ。

2016年ブエルタ・ア・エスパーニャでは、3年ぶりの勝利となるステージ優勝をあげた。
長い長いトンネルから抜け出しかのようだった。

ツールでも、もちろんステージ優勝目指してアタックしてくることだろう。
真の復活、いや進化した新しいヘーシンクの姿を、フランスの地で見せて欲しい。

162,ジョージ・ベネット(ニュージーランド、27歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★★★
スプリント:★★☆☆☆

今年からワールドツアーに昇格したツアー・オブ・カリフォルニアで総合優勝を飾り、一躍スター街道へと躍り出た。

昨年のツールでも、ウィルコ・ケルデルマンのアシストとして出場し、最終盤まで先頭集団で上りをこなす姿は印象に残っていた。
そして、ブエルタでは総合10位とポテンシャルの高さを示していた。

それが、カリフォルニアで華開いたのだ。
苦手と思われていた個人TTでステージ4位の好走も素晴らしかった。

今大会では、ログリッチのサポートが最優先任務となるが、トップ選手たちに劣らない頼れる山岳アシストだ。

163,ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、24歳)

逃げ:★★☆☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★☆☆☆☆
スプリント:★★★★★

シーズン序盤は、なかなか勝てない日々が続いた。
4月のツール・ド・ヨークシャーで今季初勝利をあげると、続くツアー・オブ・ノルウェーではステージ2勝。
直近のステムZLMツアーでは、マルセル・キッテルやアンドレ・グライペルなど、ツールを見据えるスプリンターが多く出場するなかでステージ2勝をあげた。
ツールに向けて仕上がり上々である。

ワールドツアーでの勝利は、昨年のエネコツアーであげた1勝のみだ。
グランツールでのステージ優勝が是が非でも獲りたいところだろう。

ログリッチで総合も狙えるなか、フルーネヴェーヘンのためにリードアウト出来るメンバーを多く揃えてきた。
このチームの真のエースは、やはりフルーネヴェーヘンなのだ。

164,トム・リーゼル(オランダ、31歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★★☆

2008年にラボバンクの下部組織であるコンチネンタルチームから昇格して以来ずっと、同じチームで走り続けている。
チーム名は数回変わったが、チーム一筋で10年目となる。

その間にあげた勝利は、2013年のツール・ド・ランカウイでの1勝のみ。
キャリアのほとんどをアシスト選手として捧げている。

昨年の世界選手権に出場し、先頭集団のラスト2.4kmからアタックを決行し、残り数百m地点まで逃げていた。
非常にタフなレース展開の最終盤ギリギリまで脚を残していたリーゼルのスタミナとスピードに驚いた。

ツールでは、フルーネヴェーヘンの最終発射台として期待される。

165,ポール・マルテンス(ドイツ、33歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★☆☆

脚質はパンチャーだ。
しばらくメジャーシーンでは勝利から遠ざかっているが、2013年ツール・ド・ルクセンブルクでは総合優勝、2015年ベルギーツアー第5ステージではフレフ・ヴァンアーヴェルマートに勝利するステージ優勝をあげている。
スピードが持ち味の選手だ。

その上、ある程度上ることが出来るので、逃げに乗ってステージ優勝を狙っていきたいところだ。

166,プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、27歳)

逃げ:★★★★★
TT力:★★★★★
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆

元スキージャンパーは、飛躍的な進化を遂げている最中だ。
昨年のジロ・デ・イタリア第9ステージの個人TTで勝利して、名を上げた。

今シーズンは、ボルタ・アオ・アルガルベ総合優勝、ティレーノ~アドリアティコ総合4位、ブエルタ・アル・パイス・バスコ総合5位、ツール・ド・ロマンディ総合3位、ステルZLMツアー総合2位と、ステージレースで好成績を連発しているのだ。

しかも、内容が非常に素晴らしい。
圧倒的なTT力でタイムを稼ぐだけでなく、山岳で自らアタックを仕掛ける場面も見られ、ワールドツアーで走るクライマーたちと対等以上の登坂力を見せていたからだ。

ゆくゆくは、トム・デュムランのようにグランツールで総合優勝が狙えるような選手になるのではないかと大いに期待が持てる。

まずは昨年のジロ以来、2度目のグランツールの舞台で、今持てる力の全てをぶつける。
まずは総合トップ10を狙う、ではなく大きく表彰台を目標にしてもいいのではないだろうか。

オランダ自転車界の未来は明るい。

167,ティモ・ルーセン(オランダ、24歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★☆☆

独走力の高い、ルーラーの脚質を持った選手だ。

今年はツール・デ・フィヨルドでプロ初勝利を飾っている。
ノルウェーで開催された2.1カテゴリーのレースではあるが、今シーズン絶好調のエドヴァルド・ボアッソンハーゲンも出場していた。
総合3位、ポイント賞2位とボアッソンハーゲンに次ぐような好成績を残していた。

ステムZLMツアーのプロローグでは、7.5kmのTTで5位だった。
ある程度短い距離を高出力で走ることが得意で、まさにスプリンタートレインの機関車役に適任と言える存在だ。

ファムエムデンと共に、最終盤に向けてのリードアウトを担う。

168,ヨス・ファンエムデン(オランダ、32歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★★☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★☆☆☆

ジロ第21ステージの個人TTでステージ優勝をあげた。
総合争いの疲労があったとはいえ、トム・デュムランに勝利する大金星だった。

今大会では、その平坦独走力を活かして、フルーネヴェーヘンのためのトレインを組むだろう。
ファムエムデンはその先頭車両として、終盤の位置取りを任される。

169,ロベルト・ワグナー(ドイツ、34歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★☆☆☆☆
スプリント:★★★☆☆

2013年に移籍してきてから、毎年1回ずつグランツールに出場している。
ツールは昨年に引き続いての出場だ。

2013年のステムZLMツアーのプロローグ以来、勝利がなく、長いことアシストに徹している。

脚質はルーラーとスプリンターの中間くらいで、リーゼルに繋ぐリードアウト役と務めるものと思われる。

3人のエース格の力がどこまで通用するか注目

基本的には、フルーネヴェーヘンを中心としたスプリンターチームの布陣となっている。
ログリッチはベネットと、場合によってはヘーシンクのサポートも受けながら、総合上位を狙い、ヘーシンクは独立部隊としてステージ優勝を狙うだろう。

どのステージも捨てステージにはならないので、21日間にわたってロットNL・ユンボのジャージを多く見かけることになるだろう。

総合トップ10圏内&ステージ2勝が現実的な目標ではないだろうか。

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