サイバナ

これからサイクルロードレースの話をしよう。略して『サイバナ』。サイクルロードレースのレース結果やコラムなど、お届けします。

パリ〜ルーベ2018

パリ〜ルーベ2018 有力選手プレビュー!

北のクラシックのフィナーレを飾る、通称「北の地獄」ことパリ〜ルーベが4/8に開催される。

ロンド・ファン・フラーンデレンのように、激坂区間は一切登場しない。その代わりに、総長55kmにも及ぶ石畳区間が選手たちを待ち受けているのだ。

レース距離は257kmなので、約20%は石畳を走ることになる。荒れ地を走るために、メカトラ・落車は日常茶飯事。生き残るだけでも"運"が必要であり、さらに前で優勝争いに絡むためには並外れた石畳の走行スキルが要求される。

年に1度の特殊なレースにもかかわらず、"地獄"を愛してやまない選手たちは非常に多い。

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今回は、パリ〜ルーベに出場する有力選手を紹介していく。

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パリ〜ルーベ2018有力選手プレビュー

グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)

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石畳適性:★★★★★
タフネス:★★★★★
スプリント:★★★★☆

昨年大会の覇者だ。

ここぞ!という勝負どころでのアタックや、先行する集団へのブリッジをことごとく決めるレース戦術眼が優れているクレバーな選手だ。

だが、忘れてならないことは、昨年はダニエル・オスのアシストが、ヴァンアーヴェルマートの勝利の大きな要因になっていたことだ。

そのオスはボーラ・ハンスグローエに移籍して、いまはペテル・サガンのアシストを務めている。そして、ヴァンアーヴェルマートは今シーズンは北のクラシックで未だに勝利をあげていない。

ヴァンアーヴェルマートの勝ちパターンは、勝負どころでアタックを仕掛けて、小集団によるスプリント勝負に持ち込むことだ。しかし、今季はヴァンアーヴェルマートへのマークの厳しさと、勝負どころでの攻撃を支えるアシストが不在なため、いずれのレースも不発に終わっている。

パリ〜ルーベでは間違いなく有力候補ではあると思う。しかし、頼れるアシストが不在のなかで、どういった立ち回りをするのか注目したい。

ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

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石畳適性:★★★★☆
タフネス:★★★★★
スプリント:★★★★★

世界チャンピオンの証、アルカンシェルを身にまとい、ロンド・ファン・フラーンデレンに続くモニュメント制覇を狙う。

サガンのパリ〜ルーベの自己最高順位は2014年の6位だ。

だが、世界チャンピオンの宿命か、どのレースを走ってもサガンへのマークは厳しい上に、メカトラ(主にパンク)が多い印象があり、昨年大会もメカトラに悩まされ勝機を逸した。

ダニエル・オス、マルクス・ブルグハートが非常に頼れるアシストとして、ここまでのレースでサガンを支えていることは大きなプラス材料だ。

パリ〜ルーバ初制覇に向けて、オスとブルグハートとの連携が鍵を握る。

セプ・ヴァンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト・ドラパック)

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石畳適性:★★★★★
タフネス:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆

2013年はファビアン・カンチェラーラとのマッチスプリントに敗れ2位。2016年はマシュー・ヘイマンら4人によるスプリントに敗れて4位。

キャリアで3回の一桁順位を記録して、うち2回は先頭集団でフィニッシュする力を持っている。

そう、実力者であることは間違いないのだが、あとひと押しの力が足りずに勝ち切ることがなかなかできない選手だ。

その知名度に反して、ワールドツアーでは未だに勝利なし。だが、それでもヴァンマルクはいつも積極的な走りを見せてくれる。

EFドラパック(旧キャノンデール)に移籍した選手は、2年目に花開く傾向にある(例:ピエール・ロラン、リゴベルト・ウラン)ので、移籍2年目の今年こそヴァンマルクの勝利を期待している。

ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップ・フロアーズ)

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石畳適性:★★★★★
タフネス:★★★★★
スプリント:★★★☆☆

2014年大会は、独走逃げ切り勝利を飾っている。

今季絶好調のチームにおいて、3勝をあげる活躍を見せており、ロンド・ファン・フラーンデレンでは2014年パリ〜ルーベを彷彿とさせる独走逃げ切り勝利を決めて、2つ目のモニュメント制覇を果たした。

有力候補揃いのチームにおいて、テルプストラは柔軟な動きが要求されるだろう。いずれにせよ集団の最前方でレースを展開し、上位フィニッシュが十二分に見込める選手だといえよう。

ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップ・フロアーズ)

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石畳適性:★★★★★
タフネス:★★★★★
スプリント:★★★☆☆

元シクロクロス世界チャンピオンにして、石畳クラシックのスペシャリストだ。

2015年・2017年と2度の2位を経験しており、是が非でも優勝したいところだ。

好調のチームにおいて、スティバルはあまりにも見事なアシストを連発していた。さらに、自身もトップ10でフィニッシュするタフネスぶりを発揮している。

昨年大会は、トム・ボーネンのアシストをこなしながら、最終的にヴァンアーヴェルマートとのスプリントに敗れて2位だった。

今季は、チームで連動しながらレース展開することが見込めるため、スティバルは昨年よりも余力を残した状態で終盤を走ることができるはずだ。前へ前へと積極的なレースを見せることができれば、スティバルの勝利も近づくことだろう。

フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップ・フロアーズ)

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石畳適性:★★★★☆
タフネス:★★★★★
スプリント:★★★★☆

例年はパリ〜ルーベの翌週から始まるアルデンヌクラシックに向けて、パリ〜ルーベは欠場していた。

だが、今年は北のクラシックにほぼフル出場しながら、パリ〜ルーベへ11年ぶりの出場を決めた。

昨年のロンド・ファン・フラーンデレンで見せた大逃げのように、独走力を活かした攻撃を仕掛けることができる。

ジルベール1人では勝利は難しいのかもしれないが、テルプストラ、スティバルのみならず強力なチームメイトと連動して、ロンド、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、イル・ロンバルディアに続く、4つ目のモニュメント制覇を狙う。

ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)

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石畳適性:★★★★☆
タフネス:★★★★☆
スプリント:★★★★☆

昨年大会は、最後のルーベのベロドロームで先頭集団に追いつき、トップと同タイムの4位だった。

今季も北のクラシックシリーズで安定してトップ10圏内でフィニッシュしている。

ポテンシャルは素晴らしいものがあり、あとはストゥイヴェンの覚醒が待たれるところだ。

本来であればジョン・デゲンコルプがエースを務めるものと思われるが、最近のデゲンコルプはもっぱらチームメイトへのアシストに専念しているようで、今大会もストゥイヴェンがエースとして走ることになるだろう。

マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)

石畳適性:★★★★☆
タフネス:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆

今年のロンド・ファン・フラーンデレンで2位に入った22歳の超新星だ。

ロンドと同様に、パリ〜ルーベでも基本的にはストゥイヴェンのアシストを務める。しかしながら、ロンドでは「積極的にアタックを仕掛けて先行する」というチームオーダーを遵守した結果、逃げ切りで2位という結果を得られた。

2014年大会でテルプストラが逃げ切って勝利したように、今大会でも積極的に前でレースをして、あわよくば逃げ切る展開も十分に考えられるだろう。

そして、その期待に応えるだけの力は十分に持ち合わせている選手なのだ。

ワウト・ヴァンアールト(ベルギー、ヴェランダス・ウィレムス・クレラン)

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石畳適性:★★★★★
タフネス:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆

いまや最も安定してワンデークラシックを走る選手の一人と化した。

シクロクロス現世界王者は、ストラーデ・ビアンケ3位を皮切りに、ロンド・ファン・フラーンデレンでも9位と一桁順位で完走し、未舗装路や石畳のレースへの高い適性を示した。

さらに、ヘント〜ウェヴェルヘムでは251.1km、ロンドでは264.7kmとシクロクロスでは考えられない長距離を走破してなお、トップ10に入るタフネスさも証明している。

石畳の上で走行中に両手をハンドルから離して、サコッシュから補給食を背中のポケットに仕舞うことも難なくやってみせていた。シクロクロスで鍛え上げられた高度なバランス感覚とライディングテクニックにより、ライバルたちに比べて石畳で消耗するスタミナを軽減できるのだ。

パリ〜ルーベの表彰台に上がっても、驚きではないほどの有力候補だといえよう。

オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥゼール・ラ・モンディアル)

石畳適性:★★★★☆
タフネス:★★★★☆
スプリント:★★★★☆

現ベルギーチャンピオンであるが、メカトラと落車が多い選手でもある。

昨年大会では度重なるパンクにより戦線復帰が叶わないまま31位でフィニッシュ。

今年のドワルス・ドール・フラーンデレンでは落車により大事をとってリタイア。そうして臨んだロンド・ファン・フラーンデレンでは再び集団落車に巻き込まれ、集団復帰に力を使い果たしてしまい11位に沈んだ。

高いスプリント力を持っているだけに、負の流れを断ち切って勝負に絡んでいきたいところだ。

ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

石畳適性:★★★☆☆
タフネス:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆

近年はステージレーサーの印象が強いが、2014年大会では、メイン集団内でフィニッシュし7位となり、2015年のE3・ハーレルベーケでは優勝を飾っており、元々クラシックスペシャリスト寄りの脚質も持っている選手だ。

北のクラシックシリーズには、2年ぶりの参戦となる。

チームメイトのジャンニ・モスコン、ディラン・ファンバーレ、イアン・スタナード、ルーク・ロウら石畳に強い選手は他にも揃っているので、必ずしもトーマスがエースとは限らないものの、石畳が登場する今年のツール・ド・フランスを見据えたトーマスにとって、しっかり結果を残したいレースでもあるはずだ。

ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)

石畳適性:★★★☆☆
タフネス:★★★★☆
スプリント:★★☆☆☆

昨年の北のクラシックシリーズでは軒並み好成績を残しており、パリ〜ルーベでも優勝候補の一角にあげられていた。

しかし、落車に巻き込まれた影響もあり、途中リタイアとなってしまった。

すると、今シーズンは昨年の好調ぶりが嘘のように不振に陥ってしまい、北のクラシックシリーズでは全く良いところが見せられていない。

ダーブリッジの誕生日は4月9日だ。つまり、パリ〜ルーベは26歳最後の日となる。

最高の誕生日を迎えるためにも、ルーベで花を飾ることができるだろうか。

筆者による絶対に当たらない順位予想

1位、ゼネク・スティバル
2位、ジャスパー・ストゥイヴェン
3位、セプ・ヴァンマルク
4位、ワウト・ヴァンアールト
5位、フィリップ・ジルベール

スティバル、ストゥイヴェン、ヴァンマルク、ヴァンアールトの4名が逃げ切る展開となり、ベロドロームのスプリント勝負をわずかな差でスティバルが差し切って勝利。

ずーっと、チームのために身を粉にして働いてきたスティバルが念願の石のトロフィーを掲げる姿は、涙なくして見ることはできないだろう。

メイン集団では、抑え役に徹したジルベールが頭をとって5位。

という予想を立ててみた。

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