ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)が、集団スプリントを制し、ステージ優勝を飾りました。
ステージ4位に入り込んだミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)がマイヨロホを獲得しています。
コースプロフィール
逃げは3名、2〜3分差で逃げ続ける
ローラン・ピション(フランス、FDJ)
チェーザレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・アルゴン18)
ブライアン・ノロー(フランス、ディレクトエネルジー)
の3名が逃げています。
タイム差2〜3分程度で、泳がしながらも、メイン集団はゆったりとペースで進みます。
逃げ集団も本気で逃げるというよりは、
今日の勝負どころの一つは、途中の3級山岳です。
今大会初の山岳ポイント、そして今ステージでは唯一の山岳ポイントであるため、先頭で通過した選手が自動的にマイヨモンターニャを獲得することになります。
山頂まで距離があるなか、ノローが仕掛けます。ピションもベネデッティも力は十分残っているため、このアタックは不発に終わります。
山頂目前で、ベネデッティが最初に仕掛けると、ピションが反応し、ベネデッティ以上の加速を見せ、3級山岳はピションが先頭通過を果たしました。
レース終盤に差し掛かると、ジルベールがアタック、逃げ集団にブリッジする
山岳賞争いも落ち着くと、再びレースは沈静化します。
↑メイン集団では、時折選手同士の会話が弾み、笑顔がこぼれる
残り40km地点、逃げ集団とのタイム差が数十秒差まで縮まってきた頃に、均衡を破ったのはベルギーチャンピオンジャージを着るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)です。
メイン集団からアタックすると、逃げ集団にブリッジ。元世界チャンピオンをローテーションに加え、タイム差20〜30秒あたりをキープします。
そのまま中間スプリントポイントを、ジルベールが先頭通過してボーナスタイム3秒を獲得します。
しかし、この逃げも長くは持ちませんでした。20kmほどを残し、逃げ集団は吸収されました。
残り10km地点の登り坂で、アタック続発
ティアゴ・マチャド(ポルトガル、カチューシャ)が最初にアタックして、10数秒のリードを築きます。
続いて、ケニー・エリソンド(フランス、FDJ)を含む5名ほどが集団から飛び出しましたが、うまく協調体制を築くことが出来ずに、メイン集団に吸収されます。
メイン集団をダニエーレ・ベンナーティ(ティンコフ)が牽引し、マチャドとの差も詰めていき、結局吸収されてしまいました。
勝負は集団スプリントへと持ち込まれました。
決定的なエースがいない中、絶妙なポジショニングでエティックス・クイックステップが勝利
ボーラ・アルゴン18、トレック・セガフレード、エティックス・クイックステップ、コフィディスなどが先頭で牽引する中、エティックス・クイックステップが人数を多く残していました。
トレック・セガフレードの別府史之選手もエースのニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、トレック・セガフレード)を発射するために、最後の直線で先頭で牽いていました。
そうしたなかで、エティックストレインがジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)を発射します。
メールスマンを発射したアシスト選手たちが、結果的に他のスプリンター達に対してルール違反ではありませんが進路妨害的な役割を果たしたことも功を奏して、そのまま先頭でゴールしました。
2位はミハエル・シュワルスマン(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)、3位はマグヌスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)、そして4位にミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)が入りました。
クヴィアトコウスキーは、決してスプリンターの選手ではありませんでしたが、好位置でフィニッシュし、結果的にマイヨロホがクヴィアトコウスキーの手に渡りました。(同タイムの場合は、ステージの着順が高い選手が着用するためか?)
新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)は、スプリント勝負に絡んで15位でフィニッシュです。
ニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)は、ゴール前の丘で遅れてしまったのか、2分8秒遅れでフィニッシュしました。
また、ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)は、ひっそりと1分38秒遅れでタイムを失ってしまいました。
クヴィアトコウスキーは初のグランツールのリーダージャージ獲得
元世界チャンピオンで、ツール・ド・フランスではマイヨ・ブランの着用経験はありますが、グランツールのリーダージャージは初です。
ピションはマイヨモンターニャだけでなく、マイヨコンビナータもゲットしました。
メールスマンは、グランツールのステージ優勝は初ですし、マイヨプントスも獲得しました。
第3ステージは、3級山岳への頂上フィニッシュ
フィニッシュ地点の登りは、残り1.5km地点から250mほど一気に登ります。
計算上の平均勾配は16%に達する激坂です。
フレーシュ・ワロンヌやアムステル・ゴールドレースのような、激坂フィニッシュを得意とする選手がステージ優勝を狙ってくることでしょう。
わたしの優勝予想は、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)です!
バルベルデ向きのステージレイアウトであることは間違いないです。ただし、バルベルデの任務はキンタナのアシストだと思うのですが、バルベルデならアシストしながらもがいたら先頭でゴールしちゃった!みたいなことが起こり得るなと思うのです。
他には、ミカル・クヴィアトコウスキー、サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)、フィリップ・ジルベール、サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・バイクエクスチェンジ)、クリストフ・リブロン(AG2R)、バルト・デクレルク(ロット・ソウダル)あたりも期待したいところです。