セルゲイ・ラグティン(ロシア、カチューシャ)が逃げ切り勝利を飾りました。35歳にして、初めてのグランツールでのステージ優勝です。
総合争いは、ライバルたちに差をつけてフィニッシュしたキンタナが、総合1位に浮上しています。
コースプロフィール
逃げは11名
ガティス・スムクリス(ラトビア、アスタナ)
ジーコ・ワイテンス(ベルギー、ジャイアント・アルペシン)
アクセル・ドモン(フランス、AG2R)
セルゲイ・ラグティン(ロシア、カチューシャ)
ヨナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ)
ピーター・シェリー(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
マッティア・カッタネオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
ロイック・シェトゥー(フランス、コフィディス)
スコット・スウェイツ(イギリス、ボーラ・アルゴン18)
ペリグ・ケムヌール(フランス、ディレクトエネルジー)
の11名が逃げています。
メイン集団はリーダージャージを保有するBMCレーシングがコントロールしますが、逃げ集団に総合タイムを脅かすような選手もいないため、完全に逃げを容認しています。
タイム差はどんどん広がり、10分以上のリードを築いていきます。
そのまま、大きな動きがないままに、終盤の1級山岳カンペローナの登りへ突入します。
逃げ集団とメイン集団の差は9分ですので、ほぼ逃げ切りが決まった展開です。
登り始めでワイテンスがアタック
逃げ集団からワイテンスがアタックし、これを追ってレストレポとスムクリスも飛び出しました。レストレポの動きによって、追走集団にとどまるラグティンは自分の脚を使うことなく、様子見が可能となります。
2名がワイテンスに追いつくと、そのままレストレポがアタックします。スプリンター寄りの脚質ということもあり、ワイテンスとスムクリスは自分たちのペースを守って、無理に追いません。
残り2kmを切ると、勾配が非常に厳しくなってきました。
すると、人数を減らした追走集団のドモン、シェリー、ラグティン、ケムヌールがレストレポを交わして、先頭に立ちます。
残り300mを切って、勢い良くラグティンがスプリントを開始します!
かろうじて、ドモンは反応出来ましたが、ラグティンの鋭い加速にはかなわず、ラグティンがそのままゴールしました。
ラグティンは「信じられない」と言った表情でフィニッシュしました。
2位はドモン、3位は
一方、メイン集団は、ポイント賞ジャージのジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)がペースアップしながら集団牽引して、登りに突入していきます。
その後も、ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)、ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)の強烈な牽きによって、集団は大きく人数を減らします。
この動きによって、マイヨロホを着るダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)も遅れてしまいます。
先頭は、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)の3名に絞られます。
ここからキンタナがアタックします。フルームとコンタドールは、キンタナのハイペースについていくことが出来ません。
そのまま、キンタナがライバルに差をつけてフィニッシュします。
キンタナに25秒遅れでコンタドール、33秒遅れでフルーム、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がゴールしました。
このため、マイヨロホはアタプマからキンタナに移動する結果となりました。
ステージ優勝のラグティンは山岳賞、マイヨロホはキンタナ
総合1位に浮上したキンタナがマイヨロホを獲得しました。
総合2位は19秒差でバルベルデ、3位は27秒差でフルームです。
マイヨコンビナータはバルベルデが獲得しています。
ポイントは10ポイントで、同率1位でしたが、より高い等級の山岳ポイントを獲得しているラグティンが優先され、マイヨモンターニャは、ステージ優勝のラグティンが獲得しました。
レストレポは結果的に、ラグティンのステージ優勝を大いにアシストすることになった、カンペローナの登りでのアタックが評価され、敢闘賞を獲得しました。
明日の第9ステージも、山頂フィニッシュ
山岳が2級、3級、3級、3級と登場し、最後は2級山岳へとフィニッシュするアップダウンの激しいステージです.
全て先頭で通過すれば、19ポイント獲得となるので、山岳賞を狙う選手にとっては、是が非でも逃げたいステージでしょう。
この翌日には、超級山岳ラゴス・デ・コバドンガへのフィニッシュとなるブエルタ前半の大決戦となる勝負ステージが待っているため、総合狙いのチームは力を貯める展開にしたいと思います。
逃げ集団による、逃げ切り勝利が決まりやすい展開になると思いますので、ステージ優勝争いは山岳賞争いに注目して見ていきたいと思います。