クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がステージ優勝し、総合2位に浮上しました。
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)はフルームを徹底マークして、ボーナスタイムの4秒を失うに留めています。
コースプロフィール
今日の逃げは23名
ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
マルテイン・ケイゼル(オランダ、ロットNLユンボ)
ダビド・マラカルネ(イタリア、アスタナ)
クーン・デコルト(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
ヨハネス・フレーリンガー(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
キール・レイネン(アメリカ、トレック・セガフレード)
ヤン・バケランツ(ベルギー、AG2R)
アクセル・ドモン(フランス、AG2R)
ティアゴ・マチャド(ポルトガル、カチューシャ)
ヨナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ)
サンダー・アルメ(ベルギー、ロット・ソウダル)
ピーター・シェリー(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)
ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール)
ジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ)
ローレンス・ウォーバス(アメリカ、IAMサイクリング)
クリスティアン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)
イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ランプレ・メリダ)
チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・アルゴン18)
クリストフ・プフィングステン(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
ダビ・アローヨ(スペイン、カハ・ルラル)
アンヘル・マドラソ(スペイン、カハ・ルラル)
の23名です。
完全には容認されず、ティンコフが牽引するメイン集団が最大5分ほどのタイム差を徐々に縮め、残り20km地点で1分ほどとなりました。
逃げ集団とのタイム差は20秒で、ペーニャ・カバルガの登りに突入
ペーニャ・カバルガの登りに入ると、逃げ集団は完全に崩壊します。
メイン集団とのリードを保って、登っているのはヘルマンスとバケランツの2人のみです。
しかし、バケランツはヘルマンスのペースについていけず、遅れてゆきます。
メイン集団は、モビスターがコントロールしています。
モビスターのハイペースに、いよいよヘルマンスも飲み込まれてしまいます。
ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)が牽引し、先頭から5番目あたりにマイヨロホを着るナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)、マイヨコンビナータを着るクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)ら、総合上位勢が陣取っています。
ここで、総合4位のエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)がアタックします!
キレ味の良い加速で、一気にライバルたちに10秒以上の差を築きます。
残ったメイン集団は、レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、チームスカイ)がペースを築きます。
ケーニッヒの脚がよく回っているため、他の選手はアタックを仕掛けられません。
残り1kmを切ると、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が仕掛ける素振りを見せると、後方からキンタナがアタックを仕掛けます。
キンタナをマークしていたフルームだけが、このアタックに反応し、ピタリとついていきます。
先頭を走っていたチャベスに追いつくと、そのままかわして先頭に立ちます。
すると、今度はフルームがアタックを仕掛けます。
キンタナはフルームを後ろでチェックして遅れないように守りの走りに徹します。
フルームはキンタナをちらちらチェックしつつ、残り100mを切るとゴールに向けてスプリントを開始します。
キンタナとタイム差をつけることは出来ませんでしたが、フルームがトップでゴールです!
同タイムで2位にキンタナ、6秒差の3位にバルベルデ、4位にケーニッヒ、先に仕掛けたチャベスは19秒差でした。
ボーナスタイムを獲得したフルームが総合2位に浮上し、上位でフィニッシュできたイェーツが総合順位を上げました。
記念の地で勝利したフルーム、キンタナは山岳賞も獲得
2011年、フルームがブエルタ総合2位になった年に、ファンホセ・コーボとの対決を制し、グランツール初優勝を飾った記念の地で再びステージ優勝をあげました。
1pt差で、オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)から、マイヨモンターニャをゲットしたキンタナです。
インタビューを受ける表情は穏やかで、歯が綺麗です。
あきさね的チェックポイント
ここまでのステージでは、フルームがキンタナの後手をとって、タイムを失う場面が何度か見られました。
ツール→リオ五輪→ブエルタとハードスケジュールでレースに出場している影響、ツールで大活躍したアシスト陣を一人も連れて来ていないブエルタ、ということでフルームが不利だと思っていました。
もちろん、ブエルタに参戦しているスカイのアシスト陣も十分素晴らしい(特にケーニッヒ)ですが、ツールに比べると少々力は劣るメンバー構成であるのに対して、キンタナ擁するモビスターのアシスト陣が非常に強力であるからです。
しかし、今日の走りを見ていると、フルームも調子を上げて来たのか、もしくは今日くらいの斜度であれば十分対応できるように見えました。
この後、第14ステージの超級山岳オービスク峠の登り、第17ステージの1級山岳ルセーナに登る激坂を耐えることが出来れば、第19ステージの個人TTでキンタナを逆転して総合優勝する可能性が十分にあり得ると思います。
逆に、キンタナの穏やかな表情を見ていると、第14・17ステージでフルームに大差をつける自信があるのでしょう。
個人TTを終えて僅差だったとしても、まだ翌日に頂上フィニッシュとなる第20ステージが残っています。
キンタナとフルームの一騎打ちの様相を呈してきましたが、最後の最後まで目が離せない展開になってきて、ますます楽しみです!
明日の第12ステージは、ワンデークラシックのようなステージ
1級、3級、2級、2級と山岳ポイントが設定されていて、最後は2級山岳からダウンヒルを経て平坦フィニッシュとなるステージです。
山岳ポイントが多く含まれているので、オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)が山岳賞奪還のために逃げに乗ってくるに違いありません。
とはいえ、フライレ以外の選手でも山岳賞の可能性のある選手が多くいます。
20ptsのフライレ以外では、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)は19pts、アレクサンドル・ジェニエ(フランス、FDJ)は19pts、ルイスアンヘル・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)は15pts、毎日のように逃げに乗っているアクセル・ドモン(フランス、AG2R)は8ptsです。
山岳賞争いと、その逃げ集団がそのままステージ優勝を狙う動きに注目したいところです。