サイバナ

これからサイクルロードレースの話をしよう。略して『サイバナ』。サイクルロードレースのレース結果やコラムなど、お届けします。

チーム情報

ディメンションデータ戦力分析!【2017年シーズン】

2017/03/15

マーク・カヴェンディッシュ、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン擁するディメンションデータの戦力分析です。

カヴェンディッシュはメルクスの持つツール通算34勝の記録更新が期待されます。

スポンサーリンク

ディメンションデータ2017ロースター

ss-19

イゴール・アントン(スペイン)
ナトナエル・ベルハネ(エリトリア)
エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)
スティーブン・カミングス(イギリス)
メクセブ・ディビサイ(エリトリア)
ニック・ドゥーガル(南アフリカ)
ベルンハルト・アイゼル(オーストリア)
タイラー・ファラー(アメリカ)
オマール・フライレ(スペイン)
ライアン・ギボンズ(南アフリカ)
ネイサン・ハース(オーストラリア)
レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ)
ジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ)
メルハウィ・クドゥス(エリトリア)
エイドリアン・ニヨンシュティ(ルワンダ)
セルジュ・パウエルス(ベルギー)
ヨウセフ・レグイグイ(アルジェリア)
マーク・レンショー(オーストラリア)
クリスチャン・スバラーリ(イタリア)
ダニエル・テクレハイマノ(エリトリア)
ジェイロバート・トムソン(南アフリカ)
ヨハン・ファンジル(南アフリカ)
ヤコ・フェンター(南アフリカ)

・新加入選手

ベンジャミン・キング(アメリカ)←キャノンデール・ドラパック
スコット・スウェイツ(イギリス)←ボーラ・アルゴン18(PCT、ドイツ)
ラクラン・モートン(オーストラリア)←ジェリーベリーp/bマクシス(PCT、アメリカ)
ベン・オコナー(オーストラリア)←アヴァンティ・アイソウェイ・スポーツ(CT、オーストラリア)

・退団選手

コンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ)→バーレーン・メリダ
マシュー・ブラマイアー(アイルランド)→アクア・ブルースポーツ(PCT、アイルランド)
テオ・ボス(オランダ)→トラック専念
キャメロン・マイヤー(オーストラリア)→トラック専念
メトケル・エヨブ(エリトリア)→未定
アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア)→未定
ソンゲゾ・ジム(南アフリカ)→未定

総合上位を狙える選手は不在で、UCIポイントの獲得に再び苦労するだろう

2016年のディメンションデータのUCIワールドツアーポイントは、290ptsでした。圧倒的最下位です。

しかし、一方でシーズン32勝をあげる活躍も見せていて、特にツール・ド・フランスでは、マーク・カヴェンディッシュ4勝・スティーブン・カミングス1勝と、ステージ5勝をあげる猛烈なインパクトを残しています。

シーズンを通して、間違いなくディメンションデータは輝いていたはずなのですが、ステージレースでの総合順位を重視する現行のワールドツアーポイントシステムでは、確固たる総合リーダーが不在のディメンションデータにとって、良い結果をもたらすことはありませんでした。

2016年シーズン、ジロ・デ・イタリア総合10位と最も総合で良い成績を残していたコンスタンティン・シウトソウは、バーレーン・メリダへ移籍してしまいました。

残った選手では、イゴール・アントンが総合での実績豊富な選手です。自己最高順位は2007年ブエルタ・ア・エスパーニャの総合8位となっていますが、2010年ブエルタでは総合首位をキープしていましたが、第14ステージで落車リタイアしてしまいました。

2016年ジロは総合28位、ブエルタは途中リタイアと、全く良いところなく、ワールドツアーポイントを1ptも獲得することが出来ませんでした。2017年に34歳となるアントンに多くを望むのは酷な話です。

ポジティブな要素としては、新加入の25歳のラクラン・モートンが、ステージレーサーへの成長が期待できる選手だということです。

2016年はツアー・オブ・ユタでステージ2勝をあげ総合優勝。ブエルタで総合5位に入ったアンドリュー・タランスキーを下しての総合優勝には価値があります。

2013・2014年シーズンはガーミン・シャープに所属していて、ワールドツアークラスのステージレースへの出場経験もありますが、ほとんど完走を果たせず、途中リタイアとなっていました。

ステージレーサーがほとんどいないディメンションデータでは、ステージレースへの出場が多くなることでしょう。経験を積みながら、上位入賞を狙ってほしいものです。

山岳職人オマール・フライレの3年連続マイヨ・モンターニャに期待

総合争いよりも、オマール・フライレの山岳賞獲得の方が、チームにとって重要なことかもしれません。

2015・2016年とブエルタで2年連続山岳賞を獲得しています。2016年は2位のケニー・エリソンドにわずか1pt差での獲得でした。

ここは逃げなければならない、という状況で逃げに乗り損ねたり、序盤の登りでそうそうに遅れるシーンもあったりと、不安定な走りではありましたが、それでも逃げに乗る嗅覚と山岳賞スプリントを制するプチ爆発力は一級品です。

クライマー的な脚質の持ち主としては、ジャック・ヤンセファンレンズバーグとメルハウィ・クドゥスもいます。

クドゥスは22歳ながらにして、2016年ジロ総合37位、ブエルタ総合38位と、比較的上位で完走しています。もっと成長すれば、グランツールレーサーとは言わないまでも、安定してトップ10でフィニッシュ出来るようなクライマーになるのではないかと、期待したくなる選手です。

平坦スペシャリストもバッチリ

ナトナエル・ベルハネは、2013年ツアー・オブ・ターキー総合優勝(繰り上げ)を果たすなど、登坂力も持ち合わせている選手ではありますが、2016年ツールでは主に集団牽引をしているシーンが目立ちました。

世界選手権では、ひっそりと13位で完走しています。暴風・砂塵の巻き上げるサバイバルレースを先頭集団でフィニッシュしたスタミナは素晴らしいです。

身長190cmのニック・ドゥーガル、185cmのジェイロバート・トムソン、190cmのヨハン・ファンジルと大型南アフリカ人ルーラートリオもいます。

主な役割はマーク・カヴェンディッシュを無事にフィニッシュ地点まで運ぶことではありますが、チームにとって重要な選手たちだと言えましょう。

ディメンションデータのセールスポイントはアタッカーの豊富さ

エドヴァルド・ボアッソンハーゲンを筆頭に、粒ぞろいのアタッカー集団となっています。

2016年はノルウェー国内のロードとTTの両方のチャンピオンであり、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネとエネコツアーでそれぞれステージ1勝を飾っています。

2017年は母国ノルウェーで開催される世界選手権のコースがボアッソンハーゲン向きのレイアウトとのことで、初の世界チャンピオンに向けて並々ならぬ決意を持って挑むことでしょう。

スティーブン・カミングスは、2016年ツールでの単独逃げ切り勝利が記憶に新しいところです。ツアー・オブ・ブリテンでも総合優勝を果たすなど、キャリア最高の一年だったと言えましょう。

レイナルト・ヤンセファンレンズバーグは、2016年ツール・ド・ランカウイで総合優勝しました。

キャノンデール・ドラパックから移籍してきたベンジャミン・キングは、ツアー・オブ・カリフォルニア第2ステージ優勝しています。

ダニエル・テクレハイマノは台頭著しいエリトリアの国内ロードとTTのチャンピオンで、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの山岳賞を獲得しました。

ネイサン・ハースは、ジャパンカップで2011年と2014年に勝利しています。

他にもセルジュ・パウエルス、ヨウセフ・レグイグイ、ヤコ・フェンター、エイドリアン・ニヨンシュティもアタッカーとして度々逃げに乗っています。

メクセブ・ディビサイ、ベン・オコナー、ライアン・ギボンズら若手アタッカーの台頭にも期待したいところです。

アタッカーの枚数は豊富で、ステージレースでは連日のように逃げにメンバーを乗せてくることでしょう。

チームの顔であるカヴェンディッシュはツール通算勝利記録の更新が楽しみ

ディメンションデータは何と言ってもマーク・カヴェンディッシュの存在が大きいです。

2016年はツールで4勝をあげました。近年のツールではなかなか勝てなくなっていたので、大復活と言える鮮やかな勝利でした。4勝を積み重ねたことで、ツール通算30勝となり、エディ・メルクスの持つツール通算34勝の大記録の更新が見えて来ました。

かつてのカヴェンディッシュは、優秀なリードアウト役がいないと勝てない印象でしたが、最近のカヴェンディッシュはリードアウト不在でも他のチームのトレインにうまくタダ乗りして勝つシーンも見られるようになってきました。

単純な爆発力では若いクリストフやサガンに敵わない場面があっても、円熟味を増したカヴェンディッシュのスプリントであれば、まだまだ第一線で勝利を積み重ねることは十分可能でしょう。

2016年はトラック競技でも、リオ五輪男子オムニアム銀メダル、そしてブラッドリー・ウィギンズとのコンビで出場したヘント6日間レース優勝と、大きな成果を残しました。しかし、2017年はロードレースに専念するとのことです。

また、カヴェンディッシュファミリーの一員であるマーク・レンショーとベルンハルト・アイゼルはなお健在です。HTCハイロード時代の2011年以来に、カヴェンディッシュ・レンショー・アイゼルのトリオが復活したシーズンでもありました。ツールでのステージ4勝は、やはりファミリーの影響は大きいと思います。

レンショーがリタイアした後も、カヴェンディッシュはステージ優勝をあげたことは来年以降への好材料です。

でもやはり、アイゼルが牽き倒して、レンショーが引っ張って、カヴェンディッシュを発射する一連のプロセスは、もはや芸術です。

2017年は新たにスコット・スウェイツというイギリス人スプリンターが加入します。世界選手権では、イギリスが仕掛けた集団破壊に便乗したベルギーの猛烈な集団破壊攻撃によって、先頭集団ではイギリスチームとしてカヴェンディッシュとスウェイツのみが生き残りました。その中で精一杯、カヴェンディッシュのアシストを果たした功績が認められてなのかどうかは知りませんが、晴れてディメンションデータへの移籍が決まり、カヴェンディッシュの弟子(?)として迎えられることとなりました。

2017年シーズンも、カヴェンディッシュファミリーの活躍が楽しみで仕方ありません。

カヴェンディッシュだけでなく、クリスチャン・スバラーリも楽しみなスプリンターです。まだ、勝利を量産という風にはなっていませんが、カヴェンディッシュと同じ身長・体重で、将来に期待が持てる選手です。

近年、勝利から遠ざかってはいますが、タイラー・ファラーも控えています。

カヴェンディッシュのスプリント、ボアッソンハーゲンとカミングスを中心としたアタッカーチーム

ステージレース:★☆☆☆☆
ワンデーレース:★★★★☆
ステージ優勝:★★★★☆
スプリント:★★★★★

グランツールでの上位は、期待が薄いです。2017年もUCIポイントの獲得には苦労しそうな予感がします。

しかし、ワンデーレース・ステージレース問わずディメンションデータとしての存在感を失うことは無いでしょう。

ボアッソンハーゲン、カミングスを筆頭に、優秀なアタッカーが揃っています。

そして、何よりもカヴェンディッシュがどれだけ勝利を重ねることが出来るのか注目です。ツールではカヴェンディッシュが歴史を塗り替える瞬間が見られるかもしれません。

また、南アフリカ登録のチームは、アフリカ人レーサーの育成がチームのミッションの一つです。

22歳ながらグランツールを年に2回完走する抜群の体力を持つクドゥスや、疲れを知らないテクレハイマノやベルハネら、エリトリア人レーサーの活躍にも注目です。

・他のチームの戦力分析記事はこちら

ワールドツアーチーム一覧&全チーム戦力分析【2017年シーズン版】

・こちらも合わせてどうぞ

マーク・カヴェンディッシュのスプリントの秘訣はルービックキューブにあるのか?

スポンサーリンク

-チーム情報