サイバナ

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FDJ戦力分析!【2017年シーズン】

2016/12/20

ティボー・ピノ、アルトゥール・ヴィショ、アルノー・デマールと言ったフランスを代表する選手を擁するFDJの戦力分析です。

エースのデマールをサポートするスプリンターが多めのメンバー構成となっています。

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FDJ 2017ロースター

ss-6

ウィリアム・ボネ(フランス)
アルノー・クルテイユ(フランス)
ミカエル・ドラージュ(フランス)
アルノー・デマール(フランス)
オドクリスチャン・エイキング(ノルウェー)
マルク・フルニエ(フランス)
ダヴィド・ゴデュ(フランス)
ダニエル・フールガールト(ノルウェー)
イグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア)
マテュー・ラダニュー(フランス)
オリビエ・ルガク(フランス)
ヨハン・ルボン(フランス)
ヴァレンティン・マドゥアス(フランス)
ジェレミー・メゾン(フランス)
ロレンゾ・マンザン(フランス)
スティーブ・モラビート(スイス)
セドリック・ピノー(フランス)
ティボー・ピノ(フランス)
セバスチャン・ライヒェンバッハ(スイス)
ケヴィン・レザ(フランス)
アントニー・ルー(フランス)
ジェレミー・ロワ(フランス)
マルク・サリュー(フランス)
ベノワ・ヴォグルナール(フランス)
アルトゥール・ヴィショ(フランス)
レオ・ヴィンセント(フランス)

・新加入選手

ダヴィデ・チモライ(イタリア)←ランプレ・メリダ
ジャコッポ・グアルニエーリ(イタリア)←カチューシャ
トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン)←ジャイアント・アルペシン
ルディ・モラール(フランス)←コフィディス

・退団選手

ケニー・エリソンド(フランス)→チームスカイ
アレクサンドル・ジェニエ(フランス)→AG2R
ファビアン・ダウビー(フランス)→ワンティ・グループゴベール(PCT、ベルギー)
ヨアン・オフレド(フランス)→ワンティ・グループゴベール(PCT、ベルギー)
ローラン・ピション(フランス)→フォルテュネオ・ヴィタルコンセプト(PCT、フランス)
ピエール=アンリ・ルキュイジニエ(フランス)→未定
セバスチャン・シャヴァネル(フランス)→引退
ムリロ・フィッシャー(ブラジル)→引退

エースのピノが、ジロの総合を狙う

2016年シーズン前半のティボー・ピノは、ティレーノ~アドリアティコ総合5位、クリテリウム・インターナショナル総合優勝、ボルタ・シクリスタ・ア・パイス・バスコ総合4位、ツール・ド・ロマンディ総合2位と、ステージレースで好成績を残していました。

ツール・ド・フランス前哨戦であるクリテリウム・ドゥ・ドーフィネでは、第6ステージで優勝します。ツールではピノが来るんじゃないか!と期待させた第7ステージでは、終盤にまさかの失速で結局総合16位に終わりました。

ツールでも低調なパフォーマンスで、山岳ステージ初戦となった第7ステージの最初の登りで失速する始末でした。その後、逃げに乗って山岳賞ジャージを獲得するところまでは良かったのですが、第13ステージの個人TTを前にリタイヤとなりました。結局、このツールが2016年最後のレースとなってしまいました。

2014年ツールでは総合3位に輝いたように、潜在能力の高い選手であることは間違いないのですが、今ひとつ一皮むけないまま、2017年で27歳となります。

そんなピノが、一つの決断を下します。

2017年はジロ・デ・イタリアに初出場するとのことです。

ジロでマリアローザを狙い、ツールでは総合は狙わずステージ優勝と山岳賞を狙うようです。

ピノがあまり得意ではないとされている個人TTが合計67.2kmあることが気がかりではありますが、その他のコースレイアウトはピノ向きと言えましょう。とはいえ、2016年フランス国内TTチャンピオンであるピノは、極端にTTが遅いわけではありません。

イタリアのグランツールで躍動を期待したい一方で、雪が積もるような極寒の山岳で気管をやられたりしないか心配でもあります。

セカンドエース的な立場には、セバスチャン・ライヒェンバッハがいます。2016年ツールではピノのリタイヤ後、孤軍奮闘の末、総合14位でフィニッシュしました。

2017年シーズンは、ブエルタ・ア・エスパーニャにエースとして出場する方針です。2016年ツールの終盤では疲労から失速していた印象があったので、体力が強化されれば総合上位も見えてくるように思います。

ジロでは、ピノのアシストに徹するのではないかと見ています。

強力クライマーの移籍が痛く、山岳アシストが手薄に

共にブエルタで大活躍したアレクサンドル・ジェニエとケニー・エリソンドの移籍は非常に痛いです。

代わりに補強したルディ・モラールも、ブエルタでは一定の存在感がありました。第15ステージで50分以上の遅れを喫しましたが、それが無ければ総合15位くらいで完走していたであろう選手です。

モラールが、ピノの山岳アシストを務めることになるのではないかと思います。

そして、ダヴィド・ゴデュには是非とも注目してほしいです。まだ20歳になったばかりの若手選手ですが、若手登竜門レースと呼ばれるツール・ド・ラブニールで総合優勝しました。

過去の総合優勝者には2014年のミゲルアンヘル・ロペスモレーノ、2012年のワレン・バルギル、2011年のエステバン・チャベス、2010年のナイロ・キンタナ、2007年のバウケ・モレマなど、トップクラスの総合ライダーばかりが名を連ねています。

2017年シーズンが、ほぼ初めてのワールドツアーレベルのレースに参加することになることでしょう。まずは経験を積んで、数年後にグランツールで頭角を表してくることを、非常に期待しています。

オドクリスチャン・エイキングも、楽しみな若手です。まだ21歳になったばかりですが、2016年はパリ〜ニース、ツール・ド・スイス、ブエルタ・ア・エスパーニャを完走し、ツアー・オブ・ノルウェー総合4位&新人賞、アークティック・レース・オブ・ノルウェー総合5位と早くもステージレースで結果を出しています。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ72位で完走、イル・ロンバルディア44位で完走と、タフさも持ち合わせていると言えるので、グランツール向きのクライマーに成長することが期待されます。

33歳のベテランクライマー、スティーブ・モラビートや、逃げに乗るのが得意なアルノー・クルテイユ、ネオプロのレオ・ヴィンセントらも、クライマーとしての仕事を任されることでしょう。

2017年シーズンは山岳アシストの選手層が薄く、ピノは苦戦を強いられるように思えますが、ゴデュとエイキングの2人のホープの飛躍が楽しみでもあります。

平坦スペシャリストにルドヴィグソンを補強

ジャイアント・アルペシンからTTスペシャリストのトビアス・ルドヴィグソンを獲得しました。身長194cmと大柄な体格は風除けに最適です。

2016年ジロの第1ステージ(個人TT)では4位、ブエルタ第19ステージ(個人TT)では3位と、一定の力を見せつけました。

イグナタス・コノヴァロヴァスは、身長190cmと大柄なルーラーです。母国リトアニアのTTチャンピオンでもあります。

ヨハン・ルボンは身長180cmのTTスペシャリストです。ティレーノ~アドリアティコ第7ステージ(個人TT)ではステージ優勝したファビアン・カンチェラーラから13秒遅れの2位でしたが、3位のトニ・マルティン、4位のアレックス・ダウセット、5位のマチェイ・ボドナールらを上回る力を示しました。

22歳のマルク・フルニエはシルキュイ・シクリスト・サルトで総合優勝しました。この大会の過去の優勝者は2013年のピエール・ロラン、2011年のアントニー・ルー、2008年のトマ・ヴォクレール、2005年のシルヴァン・シャヴァネルなど、フランス人トップレーサーの名が多数見られます。

第1ステージで単独逃げ切り勝利を飾った、その独走力に注目です。

FDJのセールスポイント一つはアタッカーの豊富さ

フランスチャンピオンであるアルトゥール・ヴィショを始め、アントニー・ルー、ジェレミー・ロワ、ベノワ・ヴォグルナールと言った、ツールでいつも逃げまくっている名うてのフレンチアタッカーが勢揃いしているチームであります。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュや、アムステルゴールドレースのようなレースに向いた脚質ではありますが、著名なワンデークラシックでの勝利経験はありません。

やはり、ステージレースでの逃げ切り勝利を狙ったアタックに、2017年も挑み続けることでしょう。

マチュー・ラダニューとミカエル・ドラージュは春の石畳クラシックを得意としているレーサーです。ラダニューは2013年ツール・ド・フランドル5位という実績を持っています。

セドリック・ピノー、オリビエ・ルガク、ジェレミー・メゾンら若手選手らも加えて、隙あらば逃げまくるスタイルで、2017年のプロトンを席巻することでしょう。

FDJの真のエースはデマール

FDJの顔はピノでも、ヴィショでもなく、アルノー・デマールです。

25歳のデマールは、2016年にモニュメントの一つであるミラノ〜サンレモで勝利しました。生涯に渡る栄誉と言っても過言ではないモニュメント制覇を成したデマールが、やはりこのチームの真のエースと言っていいでしょう。

その現れとして、2017年シーズンに向けてスプリンターを補強しました。ダヴィデ・チモライとジャコッポ・グアルニエーリです。

チモライは、ランプレ・メリダのエーススプリンター格の選手でした。ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ第7ステージ優勝、ツアー・オブ・ジャパン京都ステージで優勝しています。

グアルニエーリは、カチューシャでアレクサンダー・クリストフのリードアウト役を務めていた強力なスプリンターです。

ウィリアム・ボネと共に、重要なデマールのアシストになることでしょう。

他にも、ダニエル・ホエルガールト、ロレンゾ・マンザン、ケヴィン・レザ、マルク・サリューとスプリンターの選手層は厚いです。

ミラノ〜サンレモの連覇がFDJの第一ミッションです。その上で、グランツールでピュアスプリンターたちとガチンコスプリント勝負を繰り広げてくれることを期待しています。

幅広いレースで好成績の期待できるバランスの取れた布陣

ステージレース:★★★☆☆
ワンデーレース:★★★★☆
ステージ優勝:★★★★☆
スプリント:★★★★☆

ピノとライヒェンバッハ次第と言えますが、ステージレースでは上位入賞が期待できます。

ゴデュとエイキングの若手二人の成長も楽しみの一つです。

ヴィショ、ルー、ロワ、ヴォグルナールと言ったアタッカー陣がワンデーレースやステージ優勝を狙います。

そして、デマールがスプリンタークラシックやステージレースのスプリントステージを狙って走ります。

高いレベルでバランスの良い選手が揃っているチームだと言えましょう。

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