ジロ・デ・イタリアU23、通称「ベビージロ」の第5ステージの詳細をお伝えします。
コロンビアチームが連日の躍動を見せる
ステージ後半に2つの1級山岳を越える、今大会のクイーンステージ級の難関山岳ステージでした。
88.2km地点の1級山岳トナーレ峠は登坂距離10.8km・平均勾配5.8%、フィニッシュ地点の1級山岳ディマーロ・フォルガリダは登坂距離13.1km・平均勾配6.8%となっています。
レースは最初の1時間は逃げが決まらず、超高速で展開しました。最終的に16人の逃げ集団が形成されましたが、21秒遅れで総合6位につけるアレッサンドロ・コヴィ(イタリア、チーム・コルパック)を筆頭に、総合上位に位置する選手が数人入り込む精鋭グループとなっていました。そのためメイン集団は逃げとのタイム差を1分程度に留めて、中盤の難所1級山岳トナーレ峠に到達しました。
上りに入ると、メイン集団は逃げ集団を吸収。ハイペースが刻まれるなかで、集団は50人程度まで絞り込まれていました。そうした混戦のなかからクリスチャン・ムニョス(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)が単独で集団から抜け出すことに成功し、山頂にたどり着く頃にはメイン集団とのタイム差は3分以上開きました。
しかしながら、ムニョスはダウンヒルを経て最後の上り区間に入ると失速。残り9km地点でメイン集団に吸収されました。
残り7km地点から、SEGレーシングアカデミーが集団けん引を開始。先頭でひくヤン・マース(オランダ)の強烈なペースアップにより、集団は10人程度まで人数を減らしました。
絶好のタイミングで、エースのスティーブン・ウィリアムズ(イギリス、SEGレーシングアカデミー)がアタック。独走に持ち込んでフィニッシュを目指します。
しかし、フィニッシュ直前にエイネル・ルビオ(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)がウィリアムズを追い越し、ステージ優勝を飾りました。コロンビアチームはステージ2連勝です。
Vamos Einar 🇨🇴#GiroU23Enel pic.twitter.com/DRKkXGIur8
— Giro d’Italia U23 (@giroditaliau23) 2018年6月12日
マリアローザのアレハンドロ・オソリオ(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)は、30秒遅れのステージ10位でフィニッシュ。ルビオから5秒差のステージ2位に入ったウィリアムズが、13秒差で総合首位に浮上しました。
🏆 CG – Tappa 5 | GC – Stages 5 🏆
1. 🇬🇧Stephen Williams @segracing
2. 🇨🇴Alejandro Osorio Carvajal @fedeciclismocol +13″
3. 🇰🇿Yuriy Natarov Team Astana City +23″
4. 🇨🇴Cristian Munoz Lancheros @fedeciclismocol +24″
5. 🇷🇺Aleksandr Vlasov @RusveloTeam +25″#GiroU23Enel pic.twitter.com/3nmW2kngjn— Giro d’Italia U23 (@giroditaliau23) 2018年6月12日
ウェールズ出身の22歳のウィリアムズは、ベビージロの直前のロンド・デ・リザーで総合優勝しています。昨年、リザーとベビージロで総合優勝したのがいまチームスカイで走っているパヴェル・シヴァコフ(ロシア)です。
ウィリアムズは「最後の上りまでできるだけエネルギーを節約する作戦がうまくいきました。マリアローザを着ることは夢のような気分で、本当に幸せです。チームは一日中素晴らしい働きを見せました。特にヤン(・マース)はラスト2kmまで本当にハイペースを保って、アタックすることができました。今後数ステージは厳しい日が続くと思いますが、私たちは本当に強いチームなので、うまくいけばジャージを守ることができます。」とコメントしています。
依然として総合トップ10圏内にはコロンビアチームの選手が4人ひしめく状況ではありますが、素晴らしいチームワークを見せたSEGレーシングがマリアローザを奪還する結果となりました。
※参考:
『Mitchelton-BikeExchange climb with the leaders on stage five in Italy』
『WILLIAMS TAKES THE OVERALL LEAD AFTER POWERING TO SECOND IN THE DAY』