ジロ・デ・イタリアU23(ベビージロ)第7ステージ レポート

ジロ・デ・イタリアU23、通称「ベビージロ」の第7ステージの詳細をお伝えします。

※スタートリストはこちら

SEGレーシングアカデミーがレースを支配

中盤から3級・2級山岳をこなし、最後は登坂距離11.4km、平均勾配7.1%の1級山岳ピアン・デッレ・フガッツェへフィニッシュするコースレイアウトでした。

レースは19人の逃げ集団が形成されました。逃げメンバーで最も総合成績が良いのはミッケル・ビョーグ(デンマーク、ハーゲンズベルマン・アクシオン)で24分22秒遅れの総合39位とあって、最大4分程度のリードを築いて進行しました。

前日まで総合勢は非常に激しい戦いを続けていたため、この日は最後の上りを勝負ポイントと定め、落ち着いたレース展開となったようです。

カテゴリー山岳を2つ越えて、残り20km地点で逃げ集団とのタイム差は1分40秒でした。

いよいよ集団が1級山岳ピアン・デッレ・フガッツェのふもとに到達。逃げ集団を吸収すると、この日もレースを動かしたのはSEGレーシングアカデミー勢でした。

逃げ集団に送り込んでいたエドガルド・アッフィーニ(イタリア、SEGレーシングアカデミー)が前待ちの格好となり、まずはメイン集団の先頭に立ってペースメイクを開始。続いて連日、山岳で好アシストを見せているヤン・マース(オランダ、SEGレーシングアカデミー)が集団けん引の仕事を引き継ぐと、強烈なペースアップによりメイン集団は崩壊した。

山頂まで残り5km地点で、エースのスティーブン・ウィリアムズ(イギリス、SEGレーシングアカデミー)は後方をチラリと振り返ると、アタックを決意。

メイン集団を置き去りにしたウィリアムズは独走に持ち込み、残り4km地点で20秒のアドバンテージを築きました。

ウィリアムズの独走を許したマリアローザグループからは総合6位のアレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ロシアナショナルチーム)がアタック。今回はナショナルチームとして出場しているが、普段はプロコンチネンタルチームのガスプロム・ルスヴェロで走る22歳のクライマーが集団を更に活性化させました。

すると、マリアローザを着るアレハンドロ・オソリオ(コロンビア、コロンビアナショナルチーム)がメイン集団から脱落してしまいます。

そのメイン集団には、前日のステージで逃げ切ったマーク・ドノヴァン(イギリス、チームウィギンス)とロバート・スタナード(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ)、総合7位のジョアン・アルメイダ(ポルトガル)、総合8位のウィリアム・バルタ(アメリカ)のハーゲンズベルマン・アクシオン勢の4人が残っていました。

先頭のウィリアムズは快調に走り抜き、独走でフィニッシュ。難関山岳ステージで見事なステージ優勝を飾りました。

26秒遅れてウラソフがステージ2位に、そして28秒差でドノヴァンら4人がフィニッシュしました。マリアローザのオソリオは1分21秒遅れのステージ11位に沈んだ結果、ステージ5位のドノヴァンが総合首位に浮上しました。

ステージ優勝を飾ったウィリアムズは、第5ステージでマリアローザを獲得しましたが、前日にジャージを手放していました。この日は総合首位とのタイム差を一気に1分以上縮めることに成功し、総合3位をキープしています。

「マリアローザを手放した失意の後だっただけに、今日の勝利は嬉しくてたまりません。私は決意して、モチベートされ、少しの怒りと共に、この上りでベストを尽くそうと思いました。最後の上りまでできるだけエネルギーを節約しながら走りましたが、チームメイトの助けのおかげでとても簡単でした。ヤン(・マース)は何か必要なときはいつでも私のそばにいてくれました。次の2日間で逆転総合優勝できるよう、私たちは戦います。」とウィリアムズは勝利のコメントを残しました。

連日、猛威を奮っていたコロンビア勢が得意の山岳ステージで失速したことで、総合優勝の行方はまだ全くわからない状況にあります。もはや日替わりマリアローザとなりつつある大混戦の総合争いは、第8ステージで今大会最後の山岳ステージを迎えることとなりました。

※参考:
『Dolomites cause another shake up on stage seven of the Giro d’Italia U23』

『WILLIAMS TAKES THE WIN AND GETS CLOSER TO THE GC LEAD』

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