クリテリウム・デュ・ドーフィネ第1・2ステージで活躍した選手たちのコメントをまとめました。
インピー「総合ジャージを狙っていた」
『Impey suprises himself to win the first stage of Criterium du Dauphine』より
クリテリウム・デュ・ドーフィネ第1ステージ(※初日はプロローグで、2日目から第1ステージとカウント)はダリル・インピー(南アフリカ・ミッチェルトン・スコット)が初勝利を飾った。
フィニッシュまで残り4km地点に設定された4級山岳で、上りに強い選手が積極的にペースアップを行ったため、上り区間でポジションを落とした選手は最後のスプリントに参加できませんでした。
そのなかで、インピーは1月のツアー・ダウンアンダーで総合優勝したように、上り区間でもポジションを落とさず好位置をキープ。最後はスプリントを制して同大会初ステージ優勝を飾りました。
「今日はタフな一日で、私はそれほど調子が良いと思っていませんでした。チームメイトのアレクサンダー・エドモンドソン(オーストラリア)に、最後のスプリントに自分がいなかったら、エドモンドソンがスプリントをやりなよ、と話していたくらいでした。だから、最後は勝てて自分でも驚きです。
ラスト200mまで良いポジションを確保できました。それは長い道のりでしたが、最後は自分に良い脚があってよかったです。
レース前のミーティングでは、チームメイトたちは私のスプリントのために走ると話していましたが、自分はどうやって勝てばいいのかわからず、勝つためのプランはありませんでした。
ツールの前にアラフィリップやクウィアトコウスキーに勝てたことに自分でも驚いています。私のキャリアのなかで大きな一歩となる勝利でした。」
とコメントしています。
続く第2ステージでは、ステージ3位に入りボーナスタイム4秒を獲得したことで総合首位に浮上しました。
「昨日は素晴らしい一日を過ごし、今日はボーナスタイムを得て総合ジャージを獲るためにステージを狙いました。そのために、多くのことをしたし(※終盤はミッチェルトン・スコットが集団コントロールのほとんどを担っていた)、ボーナスタイムを得るためのスプリント力も十分にありました。
ジャージをキープするためには、最速タイムをマークしなければなりません。他の総合系選手たちからできるだけ多くのタイム差を獲得できるように、ベストを尽くしたいと思います。」
と、マイヨジョーヌキープのための意欲を語りました。
チームにはドーフィネ総合優勝を狙えるアダム・イェーツ(イギリス)もいるため、ミッチェルトン・スコットとしてもTTTへのモチベーションは非常に高いことでしょう。
第3ステージのTTTでインピーのジャージを守り、第4ステージの山頂フィニッシュでアダムがジャージを受け継ぐ流れになればチームにとって理想的な展開といえましょう。
ニーバリ「アタックはサプライズ」
『“I tried to surprise everyone”』より
ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)は、第1ステージのフィニッシュまで残り1.3km地点からアタックを仕掛けました。
スプリンター向けのミラノ〜サンレモで逃げ切り勝利を見せたように、集団を隙を突いて攻撃を仕掛けることが得意な選手なので、これはもしかしたら!と期待が膨らみましたが、途中で踏むのをやめて残り800m地点で集団に吸収されました。
「フラムルージュ(※残り1km地点のアーチ)が見えたので、集団にサプライズしようと思ってアタックしたんだ。だけれども、集団から誰も追走してこなかったよ。
(総合争いにおいては)今日は静かな一日だったね。決定的なステージになる水曜日のチームタイムトライアルまで待つことにするよ。」
と、ニーバリはコメントを残しています。
ニーバリがツール・ド・フランスを制した2014年と総合4位だった2015年に、クリテリウム・デュ・ドーフィネに出場しています。結果はそれぞれ総合7位、12位だったので、ツールの調整レースではそこまで本気を出さないのではないかと予測されています。
しかし、この日のコメントを見ると、それなりに総合成績を残したいと考えているようにも見受けられます。果たしてどのような走りをするのか、第4ステージ以降の山岳ステージに注目です。
アッカーマン「前日のミスの埋め合わせをした」
『Impressive win by Pascal Ackermann on the second stage of the Critérium du Dauphine.』より
ドーフィネ第2ステージは、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が勝利しました。
プロ2年目のアッカーマンは、4月のツール・ド・ロマンディ第5ステージに続いて、プロ通算2勝目となります。
2016年にカタールで行われたU-23ロード世界選手権で2位となった逸材が、いよいよ頭角を現してきました。
「この勝利をとても嬉しく思います。昨日は自分のミスで勝てず、今日はその埋め合わせをしたかったです。私はスプリントするタイミングをギリギリまで待ってから、すべての力を出しました。チームは私を完璧なポジションに引き上げてくれて、素晴らしい仕事をしてくれました。チームメイトの働きに多大なる感謝をしています。」
とコメントしました。
ボーラ・ハンスグローエといえば、世界チャンピオンのペテル・サガン(スロバキア)が絶対的存在ではありますが、今シーズンはジロ・デ・イタリアで3勝したサム・ベネット(アイルランド)とこのアッカーマンと、スプリンターが急成長を遂げている印象を受けます。