ジロ・デ・イタリア第14ステージで落車し、骨盤を骨折してリタイアしたサム・オーメン。ジロ参戦直前に、骨盤の外側にある左腸骨の動脈の血行障害が発覚しており、それが理由で大会中も満足のいくパフォーマンスが発揮できていなかったようです。
そのため、骨盤骨折からの回復後に、血行障害を解消する手術を受けることが決まり、今シーズンは治療・リハビリ期間を考慮して、今シーズンは終了する運びとなりました。
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ジロでは負傷したウィルコ・ケルデルマンの代役として、トム・デュムランのアシストとして出場。しかし、肝心のエースが第4ステージの落車に巻き込まれ、オーメンはデュムランに付きそう形で、一緒に4分ほど遅れました。翌日にデュムランがリタイアしたことで、オーメンが総合を狙うことに。第6ステージの大逃げに乗って、一気にタイムを挽回し総合10位に浮上。ところが第9ステージの個人タイムトライアルではトップから4分近く遅れる大失速を見せてしまい、第14ステージでは落車に巻き込まれてリタイアとなりました。
チームのプレスリリースでは「オーメンは左脚の腸骨動脈に血行障害があると診断されました。彼は脚の力を失い、痛みに苦しんでいました。この問題を解決するために、自転車でのポジションを調整するとともに、手術せずに保存治療を試みました。その過程で、オーメンは良い結果を出していて、ジロに出場する自信を得ていました。しかし、症状はなかなか改善しなかったため、保存治療ではなく手術をして根治することが一番であると決定しました。回復までには比較的長い時間がかかるため、オーメンはシーズンを終了せねばなりません。」とチームドクターがコメントしています。
当の本人は「ジロの直前に、血行障害にかかっていることを知りました。それでも自分はよくトレーニングできていて、ヴォルタ・アオ・アルガルベ(総合5位)やティレーノ~アドリアティコ(総合9位)では良いレースをできましたが、ジロのタイムトライアル(第9ステージ)では脚が思うように動かず、多くの苦しみを味わいました。シーズンが終わることがとても残念で大きな挫折ですが、手術によって解決されるなら救われます。時には、一歩下がって二歩進むこともありますが、今まさに私がそうしようとしています。」と語っています。
どうやら、昨シーズン終盤から身体の変調を感じていたようで、ポジション調整や理学療法など保存治療をしながら、騙し騙しレースを続けていたようです。それでも悪い結果ではなかったので、ジロに出たところ、第9ステージでは騙しようがないほどの不調に陥りました。
そこへ、第14ステージに落車して骨盤を骨折してしまいます。骨折からの回復後にレースに復帰することも考えられましたが、オーメンの体調も考慮して、手術による完治を目指す運びになったのだと思われます。
チームサンウェブにおいてオーメンは貴重なクライマーですし、戦力面からも長期離脱は痛手です。2020年シーズンの完全復活を待ち望むばかりです。