エーススプリンターのディラン・フルーネウェーヘン、総合エースのステフェン・クライスヴァイクを筆頭に、スプリントと総合両狙いの布陣でツール・ド・フランスに挑みます。なお、出場が予定されていたプリモシュ・ログリッチェはジロ・デ・イタリアでの疲労を考慮してか、欠場する見通しです。
※Team Jumbo-Visma with sprint and GC ambitions to Tour de France
ユンボ・ヴィスマ出場選手一覧
ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ)
ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)
ワウト・ファンアールト(ベルギー)
トニー・マルティン(ドイツ)
ジョージ・ベネット(ニュージーランド)
アムンドグロンダル・ヤンセン(ノルウェー)
ローレンス・デプルス(ベルギー)
ミケ・テウニッセン(オランダ)
フルーネウェーヘンは2017年第21ステージ、2018年第7・8ステージで勝利しており、今季もスプリントステージでの勝利を狙うでしょう。パワー・テクニック共に世界トップクラスの実力を誇り、今シーズンはすでにシーズン8勝をあげている、いま最も勝てるスプリンターです。
フルーネウェーヘンのパワーとテクニックを支えるリードアウト陣の活躍もまた見逃してはならないユンボ・ヴィスマのストロングポイントでしょう。最終発射台を務めるテウニッセンは、強風吹き荒れるパリ〜ニースでは開幕2連勝、ダンケルク4日間レースでは開幕3連勝をアシストしました。さらにダンケルクの第5・6ステージはテウニッセン自身が連勝を飾り、総合優勝に輝きました。元々はパリ〜ルーベなど石畳のレースを得意としていましたが、今シーズンはスプリンターとしての才能を大きく開花させている印象です。
そのテウニッセンへのつなぎ役を果たしているのが、ヤンセンです。ダンケルク4日間レースではアシストとして獅子奮迅の働きを見せ、ステージ5勝&総合優勝の立役者はヤンセンであると断言しても良いほどの活躍でした。(詳しくは下記動画をどうぞ)
さらにさらに、タイムトライル世界王者に4度輝いたベテラン・マルティンが、リードアウトトレインの先陣を切ります。マルティン→ヤンセン→テウニッセン→フルーネウェーヘンと繋がれるユンボ・ヴィスマのスプリントトレインは、ツールでの成功を約束されたといっても過言ではない強力無比な布陣です。
昨年は総合5位となったクライスヴァイクは、悲願のグランツール表彰台を狙います。2016年ジロでの悲劇を乗り越えて、いまはキャリア最高のコンディションといえる好調を保っています。今季はボルタ・ア・カタルーニャ総合5位、ツール・ド・ロマンディ総合6位と安定した走りを見せており、現在出場中のクリテリウム・デュ・ドーフィネでの総合成績が期待されます。
山岳アシストには、2017年ツアー・オブ・カリフォルニア総合優勝のベネットと、今年のジロは体調不良により無念のリタイアとなったデプルスが務めます。ベネットは昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでクライスヴァイクのアシストとして素晴らしい働きを見せており、総合4位に貢献しました。デプルスはここまでログリッチェのアシストとして出場する機会が多く、UAEツアーでは山岳アシストとして凄まじい攻撃力を発揮していました。クライスヴァイクとは初コンビとなり、お互いの連携に関してはほとんどぶっつけ本番となる点だけは懸念されます。
そして、シクロクロス界のスーパースターであるファンアールトが、初のグランツール出場を果たします。ロードレースシーンではマチュー・ファンデルプールのあまりにも凄すぎる活躍に、やや影に隠れがちではありますが、現在出場中のドーフィネでは起伏の激しいステージで上位に食い込み、平坦ステージではサム・ベネットに次いでステージ2位と、やはり非凡なる才能を見せています。
ワールドチーム1年目ということで、ツールではステージ優勝を狙って、ある程度自由に走れるのではないかと思います。勝利が狙いないステージでも集団けん引の担い手として、申し分ない力を持っていますし、場合によってはフルーネウェーヘンのためのスプリントトレインを担うこともあるかもしれません。
スプリントと総合の両面だけでなく、期待の若手枠も用意している非常に隙の少ない布陣だと思いました。