チーム・サンウェブの『サンウェブ』って何の会社?

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ジャイアント・アルペシンから、チーム・サンウェブへとチーム名が変わります。

サンウェブは、ジャイアント・アルペシン時代からサブスポンサーとして契約していた企業ですが、その実態については知りませんでした。今回は『サンウェブ』について調べてみます。

チーム・サンウェブの成り立ち

2005年に日本の実業団チームであったシマノレーシングと、オランダのロードレースチームのメモリーコープが合併した誕生した『シマノ・メモリーコープ』が、サンウェブ・ジャイアントの前身となるチームです。

2005年はコンチネンタルチームではありましたが、日本からは土井雪広が所属し、他にはステファン・シューマッハーやローレンス・テンダムも在籍していました。テンダムは2016年にジャイアント・アルペシンに復帰して、来季もサンウェブ・ジャイアントで走ります。

2006年には電動工具メーカーのスキル社がメインスポンサーとなり、スキル・シマノとなります。登録地はオランダです。この年に、プロコンチネンタルへの昇格を果たし、日本人選手も増加しました。

土井雪広、阿部良之、廣瀬佳正、狩野智也、野寺秀徳、大内薫、品川真寛、辻貴光、山本雅道に加え、マールテン・チャリンギ、セバスチャン・ラングフェルト、ケニー・ファンヒュンメル、ポール・マルテンスらもいました。

2008年から別府史之が加入し、2009年にツール・ド・フランスに出場し、ブイグテレコムに所属していた新城幸也と共に日本人として初めて近代ツールを完走します。

2011年限りでスキル社が撤退し、スポンサー不在のまま2012年シーズンを迎え、プロジェクト1t4iという仮のチーム名のままシーズンを走りました。3月30日にアルゴス社がメインスポンサーとなり、アルゴス・シマノとなります。なお、アルゴス社はオランダに本拠地を置く、石油会社です。

この頃は、マルセル・キッテルとジョン・デゲンコルブがブレイクし始めた頃です。2012年のブエルタでは、デゲンコルブがステージ5勝を飾り、本大会に出場した土井雪広は『とにかく楽しかった』と言うほどの連勝劇でした。

2013年にアルゴス・シマノはワールドツアーに昇格し、使用機材もジャイアントに変わります。

2014年はアルゴス社が撤退し、ジャイアント・シマノとなり、2015年からジャイアント・アルペシンとなり、登録国がオランダからドイツになりました。アルペシン社は、ドイツのシャンプーメーカーです。このような育毛シャンプーが主力商品です。

同時に、サンウェブ社もジャイアント・アルペシンのサブスポンサーとなり、2016年シーズンからは、ジャージの肩口に『Sunweb』と記載されるようになりました。

2016年ツール・ド・フランス開催中に、2017年以降はサンウェブ社がメインスポンサーとなることが発表され、アルペシン社は撤退することになりました。

2017年からはチーム・サンウェブとして走ります。

サンウェブ社とはどんな会社か?

『サンウェブ(Sunweb)』はオランダのインターネット旅行代理店です。

本社はオランダのロッテルダムにあります。ロッテルダムはサッカーで言えば、フェイエノールトの本拠地がある、高層ビルが立ち並ぶオランダ第2の都市です。

元々は1991年にSundio社が『ゴーゴーツアー』という若者向けに旅行パッケージ商品の販売を行う会社からスタートしました。インターネットの普及に伴い、2000年からヨーロッパ内外への旅行や、スキー旅行、カーレンタルなどのサービスをオンライン経由で提供する『サンウェブ』が立ち上がりました。

現在では、オランダだけでなく、ベルギー、フランス、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、イギリスでもサービスを提供しています。

Sundioグループで最も有名で巨大なサービスがサンウェブであり、2015年のSundioグループ全体での収益は3億8千万ユーロ(約440億円)でした。

なお、楽天トラベルの2014年の収益が372億円で、日本以外にも香港・台湾・タイ・シンガポール・マレーシア・アメリカの計7カ国でサービス展開しています。サンウェブは楽天トラベルとほぼ同等の企業規模というイメージが分かりやすいかと思います。

また、スポーツ業界への出資も多く行っています。

2006年から2012年までは、ロッテルダムの南30kmほどの地点にあるブレダを本拠地に置く、サッカーチームのNACブレダのスポンサーを務めていました。

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2007年から2015年までは、ベルギーのシクロクロスチームのスポンサーも務めていました。

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そして、サイクルロードレースのジャイアント・アルペシンのサブスポンサーを経て、2017年からメインスポンサーとなります。

現在は7カ国で展開中のサービスは、今後も各国へ展開する余地あり

オランダ国内のサッカーチームのスポンサーを撤退し、ベルギー中心のシクロクロスチームのスポンサーも撤退して、世界規模でレースを行うサイクルロードレースへの出資を決めたのは、よりグローバルに多国展開することが目的だと思います。

そのために、知名度をより上げていくためにも、サブスポンサーではなくメインスポンサーになりたかったのでしょう。

アルペシン社との契約は、2017年以降も残っていたという話でしたが、急にサンウェブがメインスポンサーに変わるというニュースは、多少違和感を覚えていました。サンウェブ社が急速にグローバル展開を進める方針であると考えると合点がつきます。

サンウェブ社はオランダに本社のある企業なので、ドイツ登録とはいえオランダ人選手を多く抱えるジャイアント・アルペシンは魅力的なチームだったと思います。それに、ロットNLユンボのエース格だったオランダ人のウィルコ・ケルデルマンを獲得したことも、スポンサーの影響があるように思えました。

サンウェブ社はビジネスとして、相当な覚悟を持ってサイクルロードレース界に参入しているので、2017年のチーム・サンウェブの活躍に注目しましょう。

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