サイバナ

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ツール・ド・フランス2017

ツール・ド・フランス2017コースプレビュー〜その3〜

ツール・ド・フランス2017、第3週目のコースプレビューをしていく。

第1週目(第1〜9ステージ)のコースプレビューはこちら

第2週目(第10〜15ステージ)のコースプレビューはこちら

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ツール・ド・フランス2017コースプレビュー【第3週目】

7/18(火) 第16ステージ:レ・ピュイ・アン・ヴレ~ロマン・シュル・イゼール(165km)

序盤は標高1000m級の山々を越えていくものの、難易度はそこまで高くない。
したがって、基本的には集団スプリントになり得るステージだと言えよう。

とはいえ、スプリンターチームも厳しい山岳ステージを越えてきて、疲弊していたり、キーマンがリタイアしているということも考えられる。
逃げ切りもありそうだが、少なくとも総合順位が動くようなステージではない。

フィニッシュ地点は、わずかに上り勾配となっているが、ピュアスプリンターにも問題ない勾配だと思われる。

7/19(水) 第17ステージ:ラ・ミュール~セール・シュヴァリエ(183km)

マイヨジョーヌを巡る争いはいよいよ最終局面を迎え、プロトン一行はアルプス山脈へと到達する。
そして、クライマーにとってライバルたちに攻撃できるチャンスは、この第17ステージと翌日の第18ステージしか残されていない。

この日は、2つの超級山岳が登場する難関ステージだ。

54km地点から上り始める、クロワ・ド・フェール峠は登坂距離24km・平均勾配5.2%となっている。
だが、一部ダウンヒルの区間も含まれているため、上り単体の平均勾配はもっと高くなる。
距離の長さも相まって、十分すぎる破壊力を持った山岳だ。

2つ目の超級山岳は、137km地点から上り始めるお馴染みのガリビエ峠だ。
登坂距離17.7km・平均勾配6.9%となっていて、山頂の標高は2642mに達する。
今大会の最高標高地点である。

上り終えると、フィニッシュ地点まで28kmを1200m降下する長い長いダウンヒルだ。

つまり、上りではクライマーが、下りではダウンヒラーがそれぞれ攻撃を仕掛けることができる。
下りが苦手なクライマーは、前待ち作戦でアシストを用意しておきたいところだ。
それを嫌うライバルチームは、逃げの吸収のためにアシストを使って、ガリビエ峠の上りではエース同士の戦いに持ち込みたいところだろう。

7/20(木) 第18ステージ:ブリアンソン~イゾアール(179.5km)

ツール・ド・フランス史上初めて、イゾアール峠がフィニッシュ地点に設定された第18ステージが、総合争いの最終決戦の地となる。

120km地点から始まる1級山岳ヴァール峠も攻撃を仕掛けるには十分すぎる難易度の高い上りだ。

登坂距離9.3km・平均勾配7.5%となっていて、山頂まで残り4km区間は平均勾配9%ほどある。

ヴァール峠からのダウンヒルを終えると、165km地点からイゾアールの上りが始まる。

登坂距離14.1km・平均勾配7.3%となっており、後半10km区間の平均勾配は9%に達する。
しかも標高2360m地点まで到達する、まさに最終決戦に打ってつけの高難易度の超級山岳だ。

総合で大逆転を狙うなら、ヴァール峠から仕掛けていきたい。
長いダウンヒルを単独で行くのも悪くないが、出来れば前待ちしていたアシストとドッキングして、イゾアールの麓までたどり着きたい。

そして、ここまで激戦を繰り広げた選手たちの疲労はピークに達しているだろう。
イゾアールの上り一撃で何が起こるか予測もつかない。

最後まで諦めずに攻撃を仕掛けた者、耐え抜いた者に、勝利の女神は微笑むことだろう。

7/21(金) 第19ステージ:アンブラン~サロン・ド・プロヴァンス(222.5km)

これまでの難関山岳ステージに比べれば、もはや平坦ステージに見えてしまうだろう。
とはいえ、冷静にコースプロフィールを観察すると、3級山岳が3つ設置されており、なかなかアップダウンも激しい。

そして、222.5kmという距離はさりげなく今大会最長となっている。
単純にスプリンター向きとは言えず、山岳ステージでは活躍できなかった脚質の選手たちに寄る逃げ切りを狙う展開となるだろう。

スプリンターチームに力が残っていれば、集団スプリントに持ち込む展開も考えられる。
逃げ屋vsスプリンターチームの攻防にも注目だ。

7/22(土) 第20ステージ(個人TT):マルセイユ~マルセイユ(22.5km)

クライマーにとっては、耐える一日。
TTスペシャリストにとっては、最後の攻撃のチャンスとなる。

マルセイユでの個人TTは、22.5kmの距離で争われる。
途中5%程度の上り坂が2kmほど設定されているため、純粋にTTスペシャリスト向きとは言えないステージだ。

だが、マルセイユは地中海に面した都市。
風が強いことでも有名で、吹き荒れるミストラルにも要注意だ。
強風に晒された場合、身体の小さなクライマーはより一層不利になるかもしれない。

このステージを終えて、最も総合タイムが良かった者が、第104回大会のチャンピオンとなるのだ。

7/23(日) 第21ステージ:モンジュロン~パリ・シャンゼリゼ(103km)

長いようであっという間の3週間を過ごし、プロトンはいよいよツールの終点であるパリ・シャンゼリゼへとフィニッシュする最終ステージを迎える。

シャンゼリゼ周回コースに辿り着くまでは、パレードランだ。
総合優勝者を囲んで、シャンパンで乾杯。
優勝チームが並んで、フォトセッション。

普段のロードレースではなかなかお目にかかれない光景に、心が温まることだろう。

周回コースに到着すると、祝福ムードのプロトンの雰囲気は一変する。
3周目に設定された中間スプリントを巡る攻防も始まるだろう。
マイヨヴェール争いが僅差であればあるほどに、その価値は高まる。

そして、8周目が最終周回だ。
凱旋門に向かって最後の集団スプリントになることだろう。
厳しい山岳ステージを耐えたスプリンターにとってご褒美となるか。

ステージ終了後には、特設ステージで総合表彰式が執り行われる。
激闘の余韻に浸りながら、今年のツールの終わりを感じることだろう。

第3週まとめ

第17・18ステージの山岳2連戦は激戦必至だろう。
この3週目に向けて、コンディションを最高に持ってくる選手も少なくないはずだ。
1週目・2週目とはまた違った好調な選手、逆に不調に陥る選手もいるだろう。

もし、誰かの独走状態になっていなければ、歴史に残るスペクタクルな戦いが期待できるのではないだろうか。

マイヨアポワルージュ争い、マイヨヴェール争いも終盤までポイント獲得のチャンスが散りばめられている。

第1週から第3週まで、全く気の抜けない展開につくられた素晴らしいステージレイアウトだと言えよう。

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