サイバナ

これからサイクルロードレースの話をしよう。略して『サイバナ』。サイクルロードレースのレース結果やコラムなど、お届けします。

ツール・ド・フランス2017

オリカ・スコット出場選手一覧&レビュー【ツール・ド・フランス2017】

2017/07/01

※選手の脚質、役割、レビューを書いています。

マイヨブラン獲得を狙うサイモン・イェーツと、膝の怪我から復帰する途上にあるエステバン・チャベスの2人がエースを担うオリカ・スコット。
ピュアスプリンターはメンバーに選出せず、総合一本に絞ってきた。

スポンサーリンク

オリカ・スコット、ツール出場メンバー

81,エステバン・チャベス(コロンビア、27歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★★★
スプリント:★★★☆☆

当サイトで調査したイケメンランキング第3位に入った、笑顔がキュートなチャベス。
キレ味鋭いアタックが持ち味のコロンビアンクライマーで、ついたあだ名は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」だ。

昨年はジロ・デ・イタリア総合2位、ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位と大ブレークを果たした。
今シーズンはいよいよツールの舞台で大暴れ、と行きたいところだったが、2月のコロンビア国内選手権の直前のトレーニング中に膝を負傷してしまった。

この怪我が、思いのほか重傷だったため、復帰に3ヶ月以上かかってしまった。
ツール前哨戦であるクリテリウム・デュ・ドーフィネでレースに復帰したものの、本調子には程遠い低調なパフォーマンスだった。

チーム首脳陣もチャベスに無理をさせるつもりはなく、今シーズンの目標をブエルタに切り替えた。
ツールを回避しても、険しい山岳を含むステージレースはツール・ド・ポローニュくらいしか無く、3ヶ月以上レースから離れていたチャベスにとって、1週間のステージレースでは強度が足りないと判断。
ブエルタに向けた調整のために今ツールを走る予定だ。

だから、山岳ステージで早々に遅れたとしても慌てないでほしい。
ある意味、予定通りのことなのだ。

それでも、チャベスのポテンシャルであれば、普通に総合トップ10は狙えるように思えるし、大会終盤の山岳ステージでのは何かしたら動いてくるのではないかと期待したくなる。
サイモンのアシストもこなせるし、何より"サイレントキラー"の異名の通り、自らレース展開を一変させるような強烈なアタックを見てみたい。

再びポディウムの上で、まぶしい笑顔が見られることを願っている。

82,ミカエル・アルバジーニ(スイス、36歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★★☆

ツール・ド・ロマンディ通算7勝をあげている、上りもスプリントも得意なパンチャーだ。
大ベテランの域に到達しているが、今シーズンも好調でブエルタ・アル・パイス・バスコとツール・ド・ロマンディでそれぞれステージ1勝あげている。

さらに、アムステルゴールドレース3位、フレーシュ・ワロンヌ5位、リエージュ~バストーニュ~リエージュ7位とアルデンヌクラシックでも軒並み上位でフィニッシュしている。

アルバジーニはアシストの仕事だけでなく、逃げてステージ優勝を狙う動きも見られることだろう。

83,ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、26歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★★★
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★☆☆

今シーズンは突如クラシックスペシャリストとしての才能を開花させた、TTスペシャリストだと思われていた選手。
ストラーデ・ビアンケ6位、ドワルス・ドール・フラーデレン4位、E3・ハレルベーケ4位と表彰台は届かずも、非常に良い走りを見せていた。
数年以内には、春のクラシックで勝利を収めることが出来るのではないかと思う。

本職はTTスペシャリストだ。
デ・パン3日間レースの第3bステージの個人TTで久々の勝利をあげている。

今大会では、平坦アシストが主な仕事となるだろう。
エースたちを無事にフィニッシュラインまで、もしくは山岳の麓まで送り届けることが、ダーブリッジの役割だ。

84,マシュー・ヘイマン(オーストラリア、39歳)

逃げ:★★★★★
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★☆☆

キャリアの大半をアシストとして走ってきた、大ベテランルーラー。
昨年はパリ〜ルーベで劇的な勝利をあげた。

平坦での牽引、逃げに乗って周りを牽制したり、どんな仕事でも請け負う。
チームの屋台骨と言える、重要な選手だ。

85,ダミアン・ハウスン(オーストラリア、24歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★☆☆☆

昨年のブエルタ第20ステージでは、前待ちからの献身的なチャベスへのアシストが凄まじかった。
結果、チャベスは逆転で総合3位に滑り込み、ハウスンはオリカとの契約延長を勝ち取った。

今年は更に山岳アシストとしての能力を磨くために、登坂力強化に乗り出した。
2月のヘラルド・サンツアーではステージ1勝&総合優勝を果たし、早速成果を見せた。

山岳の入り口から、集団牽引をしているハウスンの姿は、何度か目撃している。
今年もチームでは貴重な山岳アシストとして、大車輪の活躍を見せてくれるだろう。

86,ダリル・インピー(南アフリカ、32歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★★☆

かつてはスプリンターとして活躍していたが、今はスプリント力の高いTTスペシャリストまたはルーラーと言った脚質だろう。
ある程度上りも出来て、カレブ・ユアンの最終発射台を務められるほどのスピードも持ち合わせていて、非常に能力は高い。

今シーズンは、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ第6ステージでは、1級山岳を越えた後の集団スプリントを制してステージ優勝をあげた。
インピーにとっては、5年ぶりのワールドツアーでの勝利だった。

リエージュ~バストーニュ~リエージュでは落車し、鎖骨骨折してしまった。
恐らく出場予定と思われたジロの欠場を余儀なくされてしまった。

代わりにチャベスとサイモンのための万能アシストとして、ツールに参戦する。
場合によっては、アルバジーニやケウケレールのためのリードアウトも担うだろう。

87,イェンス・ケウケレール(ベルギー、28歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★★☆

昨年のブエルタで、グランツール初勝利をあげた。
ピュアスプリンターは不在ではあったが、集団スプリントを制してのステージ優勝だった。

今シーズンはヘント〜ウェヴェルヘム2位、ベルギーツアー総合優勝と昨年以上に成長を感じさせる好成績を残している。

今大会には、ピュアスプリンターを連れてきていないので、場合によってはケウケレールでスプリント勝負を挑む可能性はあるが、基本的には平坦アシストとしての任務が最優先だろう。

88,ロマン・クロイツィゲル(チェコ、31歳)

逃げ:★★★☆☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆

昨シーズンはティンコフに所属し、アルベルト・コンタドールのアシストとしてグランツールに出場する機会が多かった。
2013年ツールでは、総合4位のコンタドールをアシストしながら自身も5位に入り、自己最高順位をマークした。
また、2013年アムステルゴールドレースでも優勝したこともあり、パンチ力あるクライムがセールスポイントだ。

チームの解散に伴い、今度はチャベスとイェーツ兄弟を支えるために、オリカ・スコットにやってきた。

貴重な山岳アシストとして、活躍が期待される。

89,サイモン・イェーツ(イギリス、24歳)

逃げ:★★★★☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆

アダムと共に二人の兄弟は、まだ発展途上にある。
オリカ・スコットの育成プログラムによると、表彰台を狙うのはまだまだ先のことだそうだ。

それでも、この兄弟のポテンシャルは凄まじく、アダムは昨年のツールで総合4位&新人賞を獲得、サイモンもブエルタでステージ優勝を果たした。

今シーズンのサイモンは、パリ〜ニースでステージ1勝、ツール・ド・ロマンディでステージ1勝&総合2位と好成績を残している。
しかし、ドーフィネでは目立った走りは出来ず、総合13位に沈み、新人賞ランキングも4位だった。

3〜4月に比べて、明らかに調子を落としている点が気がかりだ。
涼しい顔をしながら、集団から遅れていくことが多いように見えるので、ツールでは闘志全開で坂を駆け上がるような走りを見せて欲しい。

目標はずばりマイヨブランだ。
兄弟で2年連続新人賞を獲得すれば、もちろん史上初めてのことだろう。

いつの日か、シュレク兄弟のようにイェーツ兄弟がグランツールのポディウムに立つ日が来るよう、サイモンもツールで爪痕を残すのだ。

病み上がりのチャベスではなく、サイモンが実質的なエースか

チャベスもサイモンも、ドーフィネでの動きは芳しくなかった。

ブエルタを見据えているチャベスに対して、サイモンはツールに照準を合わせているので、やや心配だ。
それでも、今大会での実質的なエースはサイモンだろう。
マイヨブランの獲得が、このチームの最大の目標となる。

と言いつつも、チャベスでの総合も最初から諦めているわけではないと思う。
狙えるなら上位を狙うだろうし、むろん周りの選手たちもチャベスをサポートするだろう。

マグヌス・コルトニールセンを外して、総合一本に絞ってきたメンバー構成は吉と出るだろうか。

スポンサーリンク

-ツール・ド・フランス2017