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オムループ・ヘット・ニュースブラッド2017

オムループ・ヘット・ニュースブラッド2017注目選手プレビュー!

2017/03/09

2月25日に開催される、今季からワールドツアーに昇格したベルギーのワンデーレース『オムループ・ヘット・ニュースブラッド』の注目選手のプレビューです。

前回王者のフレフ・ヴァンアーヴェルマートを筆頭に、クラシックスペシャリストが揃っています。

※コースプレビューはこちら

オムループ・ヘット・ニュースブラッドは、春のクラシックシーズン到来を告げるワンデーレース

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オムループ・ヘット・ニュースブラッド2017注目選手

フレフ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)

昨年の優勝者です。オムループでの優勝を皮切りに、ツールでのマイヨ・ジョーヌ獲得やリオ五輪金メダルなど、キャリア最高のシーズンと言える一年を過ごしました。

ツールやリオ五輪で見せた、登りへの適応力の高さがヴァンアーヴェルマートの武器の一つです。パヴェも苦にしないため、ツール・デ・フランドルでは2015年3位、2014年2位と毎回好成績を残しています。

そして、小集団でのスプリントになった際は、ペーター・サガンに匹敵するスプリント力を持っています。

さらにチームメイトには、マルティン・エルミガー(スイス)、ステフェン・キュング(スイス)、ダニエル・オス(イタリア)、ミカエル・シェアー(スイス)、ジャン=ピエール・ドラッカー(ルクセンブルク)、フランシスコ・ベントソ(スペイン)といった、パヴェを苦にしない平坦のスペシャリストたちが揃っています。

この手厚いチーム力を活かして、中盤から終盤にかけてヴァンアーヴェルマートのポジションをしっかりと確保することが期待できます。

シーズン初戦のブエルタ・ア・バレンシアナではリーダージャージを着用するなど、脚はしっかり回っているようです。順当に行けば優勝の最有力候補と言えましょう。

ペーター・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)

前回大会は2位で、ラストの小集団スプリントでヴァンアーヴェルマートに敗北しました。しかし、その後のツール・デ・フランドルでは、サガンが圧勝しています。

というように、サガンの目標はミラノ〜サンレモの優勝やツール・デ・フランドルの連覇です。オムループと翌日のクールネ〜ブリュッセル〜クールネはあくまで調整レースの位置付けでしょう。

そんな調整レースでも2位に入ってしまうほどの実力者であり、ライバルのコンディションが少しでも悪ければサガンが勝つことは十分あり得ます。

サガンの持ち味は、並のパンチャー以上の登坂力に加え、世界チャンピオンになるほどの脅威的なスプリント力、そして何よりも卓越したバイクコントロール技術にあります。オムループのようなテクニカルなコースは、完全にサガン向きです。

アシストにはマルクス・ブルグハート(ドイツ)、ミカエル・コラー(スロバキア)、マチェイ・ボドナール(ポーランド)がいます。サガンとは初コンビを組む、ブルグハートの働きにも注目したいところです。

トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ・フロアーズ)

注目度ナンバー1と言っても良い選手です。今年のパリ〜ルーベをもって、現役引退を表明しているボーネンの、今シーズン初のベルギーでのレースだからです。

シーズン初戦のブエルタ・サンフアンではステージ優勝をあげるなど、調整の順調さがうかがい知れます。

ボーネンの武器は何と言っても、スプリント力を活かした爆発力です。パヴェだとか、激坂だとか関係なく、ボーネンが仕掛けたいタイミングで爆発してひたすら後続をふるい落とす走りが、人々を惹きつけていました。

ツール・デ・フランドルやパリ〜ルーベでの有終の美を飾るためにも、オムループでも往年の爆発力を是非とも見せてほしいです。でも、まずは無事に完走して、モニュメントに備えてほしいですかね。

フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップ・フロアーズ)

クイックステップは、全員が優勝を狙えると言ってもいいほどに、これ以上ない超強力メンバーが揃っています。ボーネンだけでなく、今季からクイックステップに移籍したジルベールも出場します。

昨年のレースでは途中リタイアでしたが、過去には2006年と2008年に優勝しています。どちらかと言えば、オムループのようなレースより、長い登りがあるアルデンヌクラシックやイル・ロンバルディアのようなレースを得意としていますが、ツール・デ・フランドルでも2010年3位に入る力も持っています。

ジルベールの最大の武器は、登りスプリントの爆発力です。しかし、2016年シーズンはワールドツアーでの勝利はゼロに終わり、アルデンヌクラシック3連勝した頃の爆発力は鳴りを潜め始めているようにも見えます。

現ベルギーチャンピオンとして、地元ベルギーのチームに復帰して、かつての輝きを取り戻すことが出来るのでしょうか。

ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップ・フロアーズ)

ボーネンやジルベールのアシストに回る公算が大きいですが、テルプストラもエース級の名選手です。

昨年のロード世界選TTTで優勝したメンバーの一人であり、平坦での牽引力は抜群に高いです。さらに2014年パリ〜ルーベ優勝、2015年ツール・デ・フランドル2位と、パヴェのスペシャリストでもあります。

クイックステップには、他にも2015年パリ〜ルーベ2位のゼネク・スティバル(チェコ)、2015年パリ〜ルーベ7位のイヴ・ランパート(ベルギー)、クイックステップ自慢のルーラー陣であるイーリョ・ケイセ(ベルギー)、ジュリアン・ヴェルモト(ベルギー)、マッテオ・トレンティン(イタリア)を揃えており、クラシックオールスターズと言えるほどの豪華な布陣です。

ティージ・ベヌート(ベルギー、ロット・ソウダル)

オムループのスタート地点であるヘント生まれの22歳のニューヒーロー、べヌートは非常に楽しみな逸材です。前回大会では3位に入り、表彰台に登りました。

今季は、チャレンジ・マジョルカの一レースで3位に入り、先日行われたブエルタ・ア・ムルシアでも8位に入っており、好調のようです。

クライマーに匹敵する登坂力を持ちながらも、オムループやE3ハレルベーケなどのベルギーのクラシックレースでも好成績を収める珍しい脚質の選手です。ヴァンアーヴェルマートと言うよりは、ジルベール寄りの脚質だと思います。

ロット・ソウダルには、前回大会6位のイェンス・デブシェール(ベルギー)、同20位のユルゲン・ルーランズ(ベルギー)の二人に加え、新加入のニコラス・マース(ベルギー)ら強力なルーラー陣がべヌートを支えてくれます。

べヌート自身も勝手知ったる地元のコースを走るうえに、好調を維持しており、今年も非常に期待が持てます。

セプ・ヴァンマルク(ベルギー、キャノンデール・ドラパック)

2012年大会の優勝者です。クラシックスペシャリストとして名高い印象を受けますが、意外とプロ通算6勝でワールドツアー未勝利となかなか表彰台の中央を獲得できていません。

しかし、昨年はE3・ハレルベーケ8位、ヘント〜ウェヴェルヘム2位、ツール・デ・フランドル3位、パリ〜ルーベ4位と、北のクラシックで軒並み好成績を残しています。フランドル地方でのレースは間違いなく得意なはずです。

一緒に移籍したトム・ヴァンアスブロック(ベルギー)、セバスチャン・ラングフェルト(オランダ)、こちらも新加入のテイラー・フィニー(アメリカ)らのアシストを受けることが出来、重厚な布陣と言えましょう。

悲願のワールドツアー初勝利に向けて、新天地での挑戦が始まります。

イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・スコット)

2015E3・ハレルベーケ9位、パリ〜ルーベ6位とパヴェへの適応能力は高いように思われます。

そして、2016年ブエルタ・ア・エスパーニャの第12ステージ優勝を果たし、ワールドツアー初勝利をあげました。

激坂の登坂力にはやや疑問符が残りますが、もし最後まで生き残ることが出来ればケウケレールのスプリント力はかなり強烈です。

チームメイトには2016年パリ〜ルーベ優勝のマシュー・ヘイマン(オーストラリア)や、TTスペシャリストのルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)もいます。激坂に備えてのポジション争いにおいて、貴重なアシストとなることでしょう。

エドワード・トインズ(ベルギー、トレック・セガフレード)

前回大会8位で、翌日のクールネ〜ブリュッセル〜クールネでも8位でした。相方と言えるジャスパー・ストゥイヴェンとのコンビで活躍が期待されます。

ストゥイヴェンに比べると、トインズの方がスプリント力は高いと思います。シーズン初戦のツアー・ダウンアンダーではトレックのエーススプリンターを務めていました。

ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)

前回大会9位で、翌日のクールネ〜ブリュッセル〜クールネで優勝しました。

トインズより登りに強く、スプリントではピュアスプリンターには及ばずとも高いスプリント力を誇ります。

昨年のジャパンカップクリテリウムでは、別府史之を完璧にリードアウトして、翌日のジャパンカップ本戦ではエースとして最終盤まで先頭集団に食らいついていました。最終的には19位でフィニッシュしています。

トインズとダブルエースのような形で上位を狙っていくと思います。

ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)

本大会では、2014年11位、2015年9位、2016年4位と年々順位を上げています。2016年ツール・デ・フランドルも5位と、フランドル地方のレースに相性が良いようです。

今シーズンは、ヘラルド・サンツアーで1勝しています。普段はアシストに徹することの多いルーク・ロウにとって、5年ぶりの勝利でした。また、ツアー・ダウンアンダーではエーススプリンターのダニー・ファンポッペルの最終発射台を務める機会が多く、スプリント力も向上しているのではないかと思います。

現在26歳で、ペーター・サガンやナイロ・キンタナと同世代の選手ですが、ここから更に一皮むけてクラシックスペシャリストとして栄光の勝利を手にする日が来るに違いないと信じています。

イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)

2014・2015年と本大会を連覇しています。2016年シーズンは、E3・ハレルベーケ3位、パリ〜ルーベ3位とパヴェやミュールのレースを得意としています。

スタナードも今シーズン、ヘラルド・サンツアーで1勝をあげており、調子は良さそうです。

普段はルーク・ロウと共に、チームスカイが世界に誇るルーラーコンビとして極めて重要な働きをしていますが、クリス・フルームがほとんど出場しないベルギーでのクラシックレースでは、ルーク・ロウと共にスカイのエースとして堂々とレースに臨みます。

スタナードの武器は、身長189cm・体重83kgの巨体から生み出されるパワーと、ちょっとやそっとの風や悪路ではびくともしない強靭なフィジカルです。まさにオムループのようなレースを制するために生まれてきた男、と言うのはさすがに過言かもしれませんが、普段は縁の下の力持ちのスタナードが表舞台に出るチャンスです。

3度目の優勝を目指して走ります。

オリバー・ナーセン(ベルギー、AG2R)

個人的にとても注目している選手です。

2016年はオムループ13位、パリ〜ルーベ13位と上位ではありますが、突出した成績でもありません。

しかし、所屬していたIAMサイクリングが解散を決めてから、ブルターニュクラシック・ウエストフランスで優勝し、エネコツアー総合2位、そしてロード世界選では、終盤の周回コースで先頭集団を延々と牽き続け、ドイツに止めを刺した選手です。

昨シーズン後半からの成長度合いが凄まじく、今シーズンの活躍がとても楽しみな選手なのです。

AG2Rには、昨年5位のアレクシ・グジャール(フランス)、ベテランクラシックスペシャリストのステイン・ヴァンデンベルフ(ベルギー)もいます。

昨年までと変わって、クラシックレースでの勝利が期待できる布陣となっているダークホース的チームです。

アドリアン・プティ(フランス、ディレクトエネルジー)

唯一、プロコンチネンタルチームからのピックアップです。昨年は7位と好成績を残しています。

今シーズンは、ブエルタ・ア・バレンシアナでブライアン・コカール(フランス)の最終リードアウトを務めており、第5ステージではコカールの勝利にとても貢献した選手です。

身長188cm・体重80kgの巨体が生み出すパワーが最大の武器です。

今大会にはコカールも出場するので、もしかしたらコカールのアシストに回るかもしれませんが、気になる選手の一人です。

ワールドツアー化したことで、さながらツール・デ・フランドル前哨戦の様相を呈す

こんなに多くの有力選手がピックアップ出来るとは思わず、豪華な出場メンバーに驚きと喜びを感じています。

優勝予想は、

☆フレフ・ヴァンアーヴェルマート
◎ペーター・サガン
◎イアン・スタナード
○トム・ボーネン
○セプ・ヴァンマルク
△ティージ・ベヌート
△フィリップ・ジルベール
△ニキ・テルプストラ
△イェンス・ケウケレール
△ジャスパー・ストゥイヴェン
△ルーク・ロウ
×エドワード・トインズ
×オリバー・ナーセン
×アドリアン・プティ

と言ったところでしょうか。

個人的に推したい選手はベヌート、ルーク・ロウ、ストゥイヴェン、ナーセンです。

ツール・デ・フランドルでも使われるミュールやパヴェを通ることで、もはやフランドルの前哨戦のようになっています。

残念ながら日本での放送予定はないため、海外のストリーミングライブ放送を探して視聴するしかないようです。

個人的にはどうしても見たいレースなので、何とかライブ放送を探したいと思います。何かわかれば、Twitterや本記事に追記してお知らせしたいと思います。

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