ブエルタ最終日、マドリード周回コースでのレースは、マグヌス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)が今大会2勝目をあげました。
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が無事完走し、今年のブエルタ王者に輝きました。
コースプロフィール
お祝いムードでマドリード周回コースへ向かうプロトン
グランツールでは、最終日のレースはいつものように、序盤から逃げのためにアタックをして、、、という展開にはなりません。
理由は特にはなく、伝統的に3週間に渡り、共に戦ったライバル同士お互いに称えあう時間となっています。
そのため、総合争いは最終日では行わない、というのが暗黙のルールになっています。
ただし、ステージ優勝争いは行われます。したがって、本格的なレースはマドリード周回コースに入ってから行われます。
かつてチームメイトだった、ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)とアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)です。
共に、第20ステージでそれぞれ総合7位から11位、総合3位から4位と落ちてしまった二人です。
色々思うことがあったのかもしれません。
カメラが大好きなアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)です。
1pt差で山岳賞を逃したケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)と、執念のステージ優勝をあげたマティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)です。
エリッソンドは、非常に悔しいブエルタとなってしまったと思います。かたやフランクは狙っていたステージ優勝をあげ、何度も逃げにも乗って、自信の存在感を示すことに成功したブエルタとなりました。
※参考:IAMサイクリング解散決定後、マティアス・フランクは何のために走る?
第20ステージでコンタドールを逆転して、総合3位に浮上したエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)は嬉しそうにいろんな選手と談笑していました。
恒例のマイヨロホを囲んで、横一列になっての記念撮影タイムです。
なぜかマイヨロホのキンタナより、バルベルデのほうが存在感があります笑(キンタナの右隣りがバルベルデ)
最後は全員でVサインをして、締めていました。
これまた恒例のシャンパンによる乾杯タイムです。
今度は、総合上位3名による乾杯タイムです。
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)とチャベスの二人は盛り上がっていました。なんだか仲が良さそうです。
レース後には、二人でピザを食べる写真をインスタグラムにアップしていました笑
厳密な栄養管理、カロリー制限のあるロードレースの選手はピザのようなアブラっぽい食べ物はなかなか食べられません。
フルームとチャベスの今シーズンが終了したという、一つのパフォーマンス・儀式のようなものですね。
前日の第20ステージで優勝したピエール・ラトゥール(フランス、AG2R)です。
『J SPORTS』で中継を見ている方にとっては、お馴染みの選手ですが、グランツールでステージ優勝したことで、世界に実力を示すことが出来ました。
※参考:ピエール・ラトゥールが勝てたのは、栗村さんが鼻血を出したからなのか?
このように、各選手ともリラックスしながら、マドリードへと向かっていきます。
レース中に、マドリード周回コースの周回数が1周増えることになったり、提供しているコースマップが間違っていたりと、最後まで安定のブエルタクオリティでしたが、もはや選手たちも慌てず騒がず広い心で臨んでいることが印象的でした。
マドリード周回コースでステージ優勝をめぐる戦いが始まる
4名の逃げが決まりました。
ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
クーン・ボウマン(オランダ、チームスカイ)
クォンタン・ハウレギ(フランス、AG2R)
ロイック・シェトゥー(フランス、コフィディス)
が逃げています。
最大で1分程度のリードを築き、順調に周回を重ねて行きます。
残り30km地点くらいから、スプリンターチームがメイン集団の主導権を握り、エティックス・クイックステップ、オリカ・バイクエクスチェンジ、ジャイアント・アルペシンなどがペースを上げます。
残り20km地点を切ると、タイム差は30秒以内に縮まって来ました。
逃げ集団からはボウマンが落ちて、ケノーが限界を迎え、ハウレギも踏むのを辞めてしまい、最後まで粘ったシェトゥーも最終周回に入った残り5km地点でメイン集団に吸収されました。
ティンコフ、ジャイアント・アルペシンが先頭でトレインを形成し、最後のヘアピンを曲がります。
オリカ・バイクエクスチェンジが、マグヌス・コルトニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)を引き連れ、横からダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ)が先にスプリント開始します。
ベンナーティに反応する形で、コルトニールセンもスプリントを始めます。
コルトニールセンの加速が素晴らしく、ベンナーティをアッサリかわすと、他のスプリンターも寄せ付けず、見事な勝利をあげました。
2位にベンナーティ、3位はジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)が入りました。
新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)と別府史之(日本、トレック・セガフレード)もスプリントに参加して、それぞれ12位・13位と仲良く隣同士の順位でフィニッシュしました。
マイヨプントスは無事にファビオ・フェリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)が守りました。
キンタナも集団内で無事にゴールして、2016年のブエルタ・ア・エスパーニャのマイヨロホが確定しました。
2016年のグランツールを締めくくる豪華な表彰式
最終日にステージ優勝したコルトニールセンは、大観衆の前で、特設のステージの上で受ける表彰は格別な想いを味わっているでしょう。
フェリーネは第20ステージでマイヨプントスを逆転で獲得しました。
オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)も同じく第20ステージでマイヨモンターニャを逆転で獲得しました。
2年連続での山岳賞獲得です。
スーパー敢闘賞には、コンタドールが輝きました。
第15ステージでコンタドール自ら仕掛けたアタックによって、キンタナの総合優勝を間接的に大きくアシストした結果となりました。
自身も総合3位までジャンプアップしましたが、第20ステージでわずか13秒差で4位に転落してしまいました。
スペイン人としては最高順位ですし、コンタドールが中心となって、大きく盛り上がったブエルタになったことは間違いありません。
フェアプレー賞はバルベルデが獲得しました。
子供2人と共に登壇していました。
チーム総合表彰はBMCレーシングでした。
第19ステージの個人TTで右肩を脱臼する怪我を負ったサムエル・サンチェス(写真、左から2番目)も表彰に参加しました。
マイヨコンビナータはキンタナでした。
コロンビアの大応援団からの凄まじい歓声を受けての表彰です。
マイヨロホはキンタナです。堂々たる風格ですね。
総合上位の表彰です。
コロンビア国歌演奏中ですが、チャベスは常に笑顔でした笑
最後はシャンパンファイトで締めくくり、2016年 第71回ブエルタ・ア・エスパーニャが終了しました。
おわりに
今回も毎日、結果速報を書いてきました(一部、録画を見てから書きました)が、わたしも無事に21日間完走することが出来ました。
やはり、ブエルタ・ア・エスパーニャは最高に面白かったです!それ以外の感想が思いつかないほどにです。
まだ今シーズンも、イル・ロンバルディアやロード世界選手権など、大きな大会が残っているので、中継を見る手段があれば何かしら記事を書いていきたいと思います。
これからも、当サイト『サイバナ』をよろしくお願いいたします。
・関連記事