『マティアス・フランク、AG2Rに加入』
『モビスター、ダニエーレ・ベンナーティを獲得』
『新チーム、バーレーン・メリダはヴィンチェンツォ・ニーバリをリーダーに』
『エステバン・チャベス、2019年まで契約延長』
等々のニュースが、サイクルロードレース界を賑わせている。いずれも、グランツールで頂点を獲るための積極的な意気込みを感じるニュースばかりである。
移籍関連のビッグニュースと言えば、ピーター・サガンがボーラ・ハンスグローエに移籍を決めたことと、アルベルト・コンタドールがトレック・セガフレードに移籍を決めたことだろう。
コンタドールはヴィンチェンツォ・ニーバリ、クリス・フルーム、ナイロ・キンタナと、今年のグランツールを制した3名と並び、『ファンタスティック・フォー』と称されるなど、サイクルロードレース界のトップスターの一人である。
だが、トレック・セガフレードには、バウケ・モレマというオランダ人がいる。今年のツール・ド・フランスでは、第19ステージまで総合2位だったが、このステージで4分以上遅れてしまい、最終的に総合11位で完走した。厳しい山岳でも、フルームに喰らいつく走りを見せていた。ちなみに、例のモン・ヴァントゥではフルームと共にバイクカメラに激突している。
モレマの武器は登坂力だけでなく、TT力も非常に高い。つまりモレマは、コンタドールに匹敵するどころか上回るくらいのポテンシャルを持っている選手なのだが、知名度と実績では圧倒的にコンタドールの方が上だ。
すでにコンタドールは、来年のツール・ド・フランスに照準を合わせているとの報道もある。過去2年総合7位、11位となったモレマはツール・ド・フランスには出場できるのだろうか?
モレマとコンタドールのダブルエースの可能性
2016年、モレマはツール・ド・フランスには出場したが、ジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャは欠場した。
ジロとブエルタでのトレック・セガフレードの総合成績は、ジロはリカルド・ゾイドル(デンマーク)が1時間57分12秒遅れの39位、ブエルタはアイマル・スベルディア(スペイン)が40分29秒遅れの19位が、それぞれ最高順位となっている。
モレマ以外に総合上位を狙える選手がフランク・シュレク(ルクセンブルク)とライダー・ヘシェダル(カナダ)の2人だけだったが、共に今シーズン限りで引退となった。総合を狙える選手の不在が、来季以降もワールドツアーを戦うチームにとって大きな弱点だったのだ。
コンタドールの獲得は、まさにチームのウィークポイントを補って余りある補強だったと言える。ディメンションデータやジャイアント・アルペシンがUCIポイントの獲得で苦しんでいたのは、総合を狙えるリーダーの不在が大きかったからであり、逆にUCIポイント上位のモビスター、チームスカイ、ティンコフに、それぞれ圧倒的リーダーが所属していたことは偶然ではない。
モレマとコンタドールは、2人で3つのグランツールを走り分け、それぞれ総合上位を狙う作戦を実施するものと思われる。
ところが、チームのマネージャーであるルカ・グエルチレーナは『ツール・ド・フランスで我々が戦うためには、最強のクライマーが全員、必ずそこにいる必要がある』と語っていた。
モレマとコンタドールの両名をツールに出場させることを、示唆している発言だ。
続けて、『我々はモレマのための大きなサポートを持っている。コンタドールが加入したことで、モレマは全てのレースで一人で責任を負う必要はなくなった』とも言っている。
やはり、ツールにはモレマとコンタドールの両名を出場させるのではないかと思う。チームのエースを務めているモレマに配慮して、このように「モレマがいて、コンタドールがいる」というニュアンスの発言をしているように思えるが、コンタドールは自身の信頼するアシスト陣を連れてトレックに移籍している。
コンタドールがツールに出場するとなると、このアシスト陣も出場するはずだ。となると、モレマは十分なアシストを受けられない可能性が出てくる。
近年、ダブルエース体制で出場したチームは、あまりうまくいっていない印象を受ける。単純に1人のエースを8人のアシストで支えるより、2人のエースを7人のアシストで支える方がアシスト陣の負荷が大きいのが、うまくいかない理由の一つだろう。
トレック・セガフレードは、せっかく強力なグランツールレーサーが2名いるのだから、ツールに集中させることなく、例えばモレマがジロとブエルタに、コンタドールがツールに集中して走れば、共に総合表彰台を十分に狙うことが出来るはずだ。
共倒れして、なし崩し的にジロとブエルタも失敗するような事態だけは避けてほしい。モレマとコンタドールの代わりとなる選手はいないのだから。
と、ネガティブな論調になってしまったが、来季のトレック・セガフレードには大いに期待している。
ジョン・デゲンコルブの獲得によって、春のクラシックを狙えるチームになり、ヤスパー・ストゥイフェンやファビオ・フェリーネも期待出来る選手だ。グレゴリー・ダニエルという生きのいいアメリカ人レーサーの加入も朗報だ。
来シーズンはトレック旋風を巻き起こせるだろうか。
Rendez-Vous sur le vélo…
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こんにちは
いつも楽しみにさせていただいています、Aki です。
コンタドールとデゲンコルプ、パンタノのTREK 移籍に来シーズンを待ちきれない程に期待していました。
今年のツールでは後半まで、二位とフルームに食らい付いていたモレマが、落車であっという間に表彰台から滑り落ちたのを見て、あまりの残念さに落胆しました。
シングルエースは難しいのか?もしももう一人いたら…等と考えましたが、なるほど、強力なエースこそ信頼できるサポートを連れているわけで、それがヘルナンデスであったり…
ダブルエースは両刃の剣なのか、それは蓋を開けてのお楽しみで、チームマネージャーやら首脳部の腕のみせどころとも言えるのか。
期待され、今年もあと一歩まで迫ったモレマが歓喜のマイヨを獲得する姿、見慣れないTREK のジャージで栄冠のガッツポーズをするコンタドール…どちらも見てみたいのはわがままですが、ただ一つ言えるのは、そんな妄想ができるような贅沢なチームが今年のTREK なのでしょう。
春のクラシックのデゲンコルプ、ツールのステージ優勝の期待かかるパンタノ。
近年になく、贅沢な悩みと楽しみを抱える来季になりそうです(笑)
Akiさん、いつもありがとうございます!
モレマは、ジロでは単独エースとして出場し、ツールではコンタドールのアシストに専念するそうです。
懸念していたダブルエース体制とはならなそうで、モレマもコンタドールもお互いに自分の力を発揮しやすいマネジメントだと言えましょう!
チーム史上最も戦力の充実した年だと言えるので、本当に楽しみですねね♪
返信、貴重な情報をありがとうございます❗
ものすごく安心して新年が迎えられそうです
来年のシーズンインが待ちきれません(笑)
クラシックのデゲンコルプにも…ワクワクしています。
本当にいつも貴重な情報に感謝してます。