【ロード世界選手権 男子エリート結果速報】ペーター・サガン2連覇の偉業達成!

ロード世界選手権 男子エリートロードレースは、ペーター・サガン(スロバキア)が2連覇を飾りました。

2位はマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)、3位はトム・ボーネン(ベルギー)という結果で、ドイツチームは集団スプリントに残ることが出来ませんでした。

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パレード走行を終えると、ファーストアタックが決まる

長めのパレード走行が終わるや否や、7名の選手が飛び出しました。

ディメンションデータのナタナエル・ベルハネ(エリトリア)を含む7名ですが、これと言って注目すべき選手はいないため、集団はこの逃げを完全に容認します。平坦レースにもかかわらず、時速30キロほどのスピードで走るほどの泳がせっぶりです。タイム差もあっという間に10分ほどまで広がりました。

この結果、レーススタートして2時間経過した時点で、まだ60kmほどしか進行していないという超スローペースでした。砂漠区間で消耗を避けたいという集団の意向が働いたのかと思われます。

砂漠区間の折り返し地点から急激にレースが動く

残り180kmを切ったあたりで、イギリス、ベルギー、イタリアあたりが中心となって仕掛けます!

横風が吹く区間で、唐突にペースアップを図ると、集団が分断されます。3〜4つほどの集団に別れ、プロトンはしばし混乱めいた状況に陥ります。

この最中、パリ〜トゥールを制したフェルナンド・ガヴィリア(コロンビア)が落車に巻き込まれたのか、鎖骨を痛めた様子でレースから脱落してしまいました。

集団分裂の動きの際に、カレブ・ユアン(オーストラリア)もペースアップについていけずに脱落した様子です。

分裂したメイン集団は、前方にベルギー、イタリア、ノルウェー、スロバキア、イギリスが残り、後方にはドイツ、フランス、スペインなどが取り残される状況となりました。

整理すると、

逃げ集団7名
  ↑
(1分弱の差)
  ↑
第1追走集団
・ベルギー(トム・ボーネン、フレフ・ヴァンアーヴェルマート、ユルゲン・ルーランズ、オリバー・ナーセン、イェンス・ケウケレール、ヤスパー・ストゥイフェン)
・イタリア(エリア・ヴィヴィアーニ、ジャコモ・ニッツォーロ、ダニエーレ・ベンナーティ、ジャコポ・グアルニエーリ)
・ノルウェー(アレクサンダー・クリストフ、エドゥアルド・ボアッソンハーゲン、トルルスエンゲン・コルサエス)
・スロバキア(ペーター・サガン、ミカエル・コラー)
・イギリス(マーク・カヴェンディッシュ、アダム・ブライス)
・オーストラリア(マシュー・ヘイマン、マイケル・マシューズ)
以上を含む30名ほどの集団
  ↑
(1分弱の差)
  ↑
第2追走集団
・ドイツ(アンドレ・グライペル、マルセル・キッテル、ジョン・デゲンコルブら4〜5名)
・フランス(ナセル・ブアニら2〜3名)
・ベルギー(イーリョ・ケイセ、イェンス・デブシェール)
・イギリス(ベン・スウィフトなど)
・オランダ(ディラン・フルーネヴェーヘンなど)
・デンマーク(マグヌス・コルトニールセン)
・チェコ(ゼネク・スティバル)
・日本(新城幸也)
・スペイン数名
以上を含む30〜40名ほどの集団
  ↑
(20〜30秒差)
  ↑
第3追走集団
・フランス(アルノー・デマールなど)
・日本(別府史之)
以上を含む40〜50名ほどの集団
  ↑
(さらに離れて)
  ↑
第4追走集団
・イギリス(ゲラント・トーマス、イアン・スタナード、ルーク・ロウ、スティーブ・カミングス)
・オランダ(トム・ドゥムラン)

と言った状況でした。

SS 17

この後、第1追走集団が間もなく逃げ集団を吸収すると、先頭集団グライペルやブアニらの追走集団とのタイム差を1分前後キープしながら、ザ・パール周回コースへと到着します。

SS 18

周回コース、追走集団内での攻防

先頭集団は、ベルギーとイタリアが中心となって牽いています。

ベルギーからはナーセン、ケウケレール、ストゥイフェンが、イタリアからはベンナーティが先頭牽引をして、追走集団との差を離しにかかります。

対して、追走集団ではドイツとフランスが前を追いかけたいはずですが、アシストの数が足りない事態に陥っています。

本来であれば、スプリント勝負までとっておきたいジョン・デゲンコルブを先頭に出して追いかけないといけなくなり、個人TTでチャンピオンになったトニ・マルティンは途中でリタイアしてしまいました。

更に、ベルギーのデブシェールとケイセが、追走集団のローテーションをうまく妨害しています。

この動きにデゲンコルブがブチ切れました。

なんと、デブシェールにボトルの水をぶっかけてしまいます!

この動画が非常に分かりやすいのですが、デゲンコルブがペースアップしようとすると、デブシェールはわざとペースをあげずに対応します。デゲンコルブのペースアップは空振りとなり…、ということを何度も繰り返していたのでしょう。堪忍袋の緒が切れたデゲンコルブは思わず、水をぶっかけてしまいました。

さすがに怯んだデブシェールは後方に下がり、デゲンコルブが怒りの集団牽引を見せますが、間もなく熱中症に陥ってしまったのか途中リタイアとなってしまいました。

SS 21

これで、追走集団を牽く選手はいなくなってしまったので、ドイツの世界選が終了した瞬間でした。しばらく走った後、キッテルもリタイアとなりました。

SS 22

優勝争いは、先頭集団の選手に絞られました!

ベルギーが仕事を終え、混沌とした集団からアタックがかかるか

最終周回まで、ナーセン、ケウケレール、ストゥイフェン、ベンナーティの4名が先頭を牽いていました。時折、ナーセンが先頭固定で牽いたりと、ベルギーの貢献度は非常に高かったです。

SS 20

その4名が力尽きると、エネコツアー総合優勝したニキ・テルプストラ(オランダ)がアタックします!

SS 5

すぐさま、フレフ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)とマイケル・マシューズ(オーストラリア)がチェックして、このアタックは様子見といったところでした。

すると、サガンのチームメイトであるミカエル・コラー(スロバキア)が集団を牽引します。

SS 6

集団からアタックがかかりにくいように、ペースをあげてサガンに間接的なアシストをします。このペースアップが結果的に、非常に効果がありました。

SS 7

SS 8

コラーが力尽きると、残り2.4km地点からトム・リーザー(オランダ)がアタックします!テルプストラではなかったため、集団は反応せず、リーザーはリードを築くことに成功します。

残り数百メートル地点まで逃げますが、集団に捕まり、いよいよ集団スプリント勝負となります。

SS 9

先頭はジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)がジャコモ・ニッツォーロ(イタリア)を引き連れて加速します。その後ろにトム・ボーネン(ベルギー)、マイケル・マシューズ(オーストラリア)で、ペーター・サガンは7番手くらいにいました。

SS 10

イタリアトレインの横から、ボーネンが仕掛けます!グアルニエーリのスピードが伸び悩む中、ボーネンは勢い良く加速していきます。

SS 11

ボーネンが勝つかと思われたところで、両サイドからカヴェンディッシュとサガンが猛加速して来ます!特にサガンの加速は尋常ではなく、ニッツォーロやボーネンを一気にまくってそのままフィニッシュ!

SS 12

SS 13

世界選手権2連覇という偉業を成し遂げました!

SS 16

2位はカヴェンディッシュ、3位はボーネンという結果になりました。

後方では、新城幸也が35位で完走しています。完走者わずかに53名という超サバイバルレースで、完走したことはとても素晴らしいことです。ましてや、ユキヤにとって、カタールの地は2月に大腿骨を骨折した忌まわしき場所でもありました。邪念を払拭する結果となったことは、とても喜ばしいです。

兄のユライと、献身的な働きを見せたコラーと喜び合う

サガンのインタビュー中に、遅れてフィニッシュした兄のユライと、最後まで献身的なアシストをしたコラーの2人が合流します。

SS 14

SS 15

スロバキアはわずか3名のチームながら、終盤までアシストを残し、サガンで勝ち切りました。これ以上ない結果に、とてもうれしそうな様子でした。

サガンは2年連続でマイヨ・アルカンシェルを着ることになります。

SS 2

もはや、見慣れたその姿ではありますが、やはり誰よりも似合っているなと思いました。

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