※選手の脚質、役割、レビューを書いています。
エーススプリンターのマルセル・キッテル、強力パンチャーのフィリップ・ジルベール、総合エースのダニエル・マーティンだけでなく、強力選手が集うクイックステップ・フロアーズ。
ステージ優勝量産の期待が高まる。
クイックステップ・フロアーズ、ツール出場メンバー
101,マルセル・キッテル(ドイツ、[get_age birth=”19880511″]歳)
逃げ:★★☆☆☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★☆☆☆☆
スプリント:★★★★★
当サイトで実施したイケメン選手権では断トツの1位だったエーススプリンターを務めるキッテル。
ジロ・デ・イタリアで大ブレイクしたフェルナンド・ガヴィリアは欠場を決め、スプリンターダブルエース問題は解消された。
マーク・カヴェンディッシュは「ガヴィリアの欠場は朗報だよ」と、いい意味でガヴィリアを称えるコメントを残したが、キッテル単独エース体制も十二分の破壊力があり、カヴェンディッシュにとってはめちゃくちゃ強力なライバルとして立ちはだかるだろう。
今シーズンはここまで9勝をあげていて、昨年は10勝だったことを考えるとほぼ同等のペースで勝利している。
ただし、今年の方がキッテル自身の調子は良さそうに見える。
勝てなかったレースでは、キッテルが駄目というよりは、クイックステップトレインが頑張りすぎて、肝心なところで崩壊してリードアウト出来なかったパターンも散見されるからだ。
目標はとにかくステージ優勝を量産すること。
あわよくば、マイヨヴェールも狙いたい。
102,ジャック・バウアー(ニュージーランド、[get_age birth=”19850407″]歳)
逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★☆☆☆
今シーズンは1月のニュージーランド選手権で同国TTチャンピオンに輝いた。
また、2013年ジャパンカップでは2位だったものの、後に1位の選手がドーピング発覚し成績取り消しとなったためにバウアーが繰り上げ優勝をしている。
某アメリカドラマの主役と同姓同名であるが、独走力の高いルーラー的な脚質で、そんなに派手な走りはしない。
とはいえ、やはり長時間集団を牽けるルーラーはチームにとっては物凄く貴重でありがたい存在だ。
ヴェルモトと共に、集団を牽き倒す。
103,ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、[get_age birth=”19870822″]歳)
逃げ:★★★★☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★★☆
スプリント:★★★☆☆
昨シーズンは、ジロでステージ1勝をあげマリアローザにも袖を通した。
ブエルタでも1勝をあげ、一気にスター選手への道を駆け上がっていった。
しかし、今シーズンはあまり良いところが見られない。
目立つ成績はカデル・エヴァンス・グレートオーシャンロードレースの8位くらいだろうか。
心配の方が大きいが、ツールのみに照準を合わせて調整しているのであればいいのだが。
という仮説の上で、フランスの地で爆発することを期待しよう。
104,フィリップ・ジルベール(ベルギー、[get_age birth=”19820705″]歳)
逃げ:★★★★★
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★★☆
古巣クイックステップに復帰した今シーズンは、好調をずっと維持している。
特にロンド・ファン・フラーンデレンでは、ラスト55kmを独走して逃げ切る歴史的な勝利を収めた。
アムステルゴールドレースでも勝ち、ツール・ド・スイスでもロングスパートを決めてステージ優勝をあげている。
自らステージ優勝を狙う力もあるが、今シーズンはチームのために走るシーンも目立っている。
特にジルベールのリードアウトはとてつもなく強力で、1km近くに渡って集団先頭を譲らないような走りが出来る。
キッテルのリードアウトとして迫力十分であり、ジルベール向きの中級山岳ステージでは2011年以来のステージ優勝も狙ってくるだろう。
105,ダニエル・マーティン(アイルランド、[get_age birth=”19860820″]歳)
逃げ:★★★☆☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★★★
スプリント:★★★☆☆
今シーズンはボルタ・ア・バレンシアナ総合5位、ボルタ・アオ・アルガルベでステージ1勝&総合6位、パリ〜ニース総合3位、ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ総合6位、クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合3位とステージレースで安定した成績を残している。
苦手な個人TTでタイムを失っていることも多いので、上りでの安定感は随一ではないかと思う。
また、フレーシュ・ワロンヌ2位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2位とアルデンヌクラシックでも好成績を残している。
ここぞの爆発力は今もなお十二分に持ち合わせている。
強力なライバルは多いが、目標は大きく表彰台といきたいところだ。
難関山岳ステージでの勝利も期待できる。
106,ファビオ・サバティーニ(イタリア、[get_age birth=”19850218″]歳)
逃げ:★★☆☆☆
TT力:★☆☆☆☆
登坂力:★☆☆☆☆
スプリント:★★★★☆
プロ通算0勝。
グランツール出場通算16回。
これらの数字が、サバティーニの役割を物語っている。
エーススプリンターとしては大成できなかったかもしれないが、リードアウトの技術を徹底的に磨くことで、いったいどれほどの勝利に貢献してきたのだろうか。
キッテルは、ただサバティーニの背後についていくだけで、気が付けば集団の最前方にいる。
というシーンは、何度も何度も見た。
まさに職人芸。
スピードをあげて引き上げるパワーも素晴らしく、ライン取りを先読みする力にも長けていて、一度決めたポジションは絶対に譲らない頑強なボディ、すべてが合わさって生み出される芸術的プレーの数々に、わたしは魅了された。
※参考:マルセル・キッテルが乗り込む『特急クイックステップ号シャンゼリゼ行き』とは?
キッテルとのコンビネーションで、勝利の量産を目論む。
107,ゼネク・スティバル(チェコ、[get_age birth=”19851211″]歳)
逃げ:★★★★☆
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★★☆☆
スプリント:★★★★☆
今季のスティバルの走りで最も印象に残っているのは、フレフ・ヴァンアーヴェルマートとの激闘を繰り広げたパリ〜ルーベだ。
凄まじい走りを見せ、あわや勝利という局面まで、ヴァンアーヴェルマートを追い詰めた。
シクロクロス元世界チャンピオンでもあるスティバルは、目まぐるしく変わる局面に応じてベストな判断が出来るうえに、様々な状況に対応できるタフさも持ち合わせている。
2015年ツール第6ステージでは、残り900m地点で大規模な落車が発生し混乱が起きる中で、勢い良くアタックを決めてそのまま逃げ切り勝利を収めた。
直近のチェコ選手権で優勝したので、チェコチャンピオンジャージを身にまとい、平坦ステージや中級山岳ステージを中心にステージ優勝を狙う。
108,マッテオ・トレンティン(イタリア、[get_age birth=”19890802″]歳)
逃げ:★★★★★
TT力:★★☆☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★★☆
他のチームに行けば、間違いなくエースとして活躍できるであろうスプリンターもしくはクラシックスペシャリストとして優秀な選手である。
今シーズンは勝利こそあげていないが、キッテルやガヴィリアのリードアウトとして働き、ワンデークラシックでも要所要所で良い動きを見せていた。
今大会では、基本的にはキッテルのリードアウトを務めるものと思われる。
トレンティン自身が狙えるステージは、ジルベールやスティバルでも狙えるものと思われる。
そういうコースでは、今季のクイックステップは誰が固定のエースと決めずに流動的に動いてくることが多い。
様々な場面でトレンティンの出番は多くなるだろう。
109,ジュリアン・ヴェルモト(ベルギー、[get_age birth=”19890726″]歳)
逃げ:★★★★☆
TT力:★★★☆☆
登坂力:★★☆☆☆
スプリント:★★★☆☆
ヴェルモトは非常にタフなルーラーだ。
ステージレースで逃げ集団とのタイム差コントロールを、ほとんどヴェルモト1人でこなすほどの力を持っている。
さらに今シーズンは出場した全てのレースで途中リタイアすることなく、完走している。
集団コントロールは、ヴェルモトにおまかせだ。
エース格の選手が勢揃い、キッテル・ジルベール・マーティンが中心となるか
第一のエースは、スプリンターのキッテルだろう。
サバティーニ、トレンティン、ジルベールがリードアウトを務めるだろう。
マーティンは総合上位を狙う。
ブランビッラが山岳アシストの動きを出来るが、基本的には単騎で先頭集団に乗り込むスタイルで行くだろう。
ジルベールを筆頭に、トレンティン、スティバル、ブランビッラも自らステージ優勝を狙う動きが出来る。
というように、非常に豪華なメンバーが揃っている。
しかも、今季のクイックステップは、この強いメンバーがお互いを補完するような動きが出来ているので、ステージ優勝量産の期待が高まる。